”全国CUBΣLIC連合”とは何だったか-前編

1/30早朝。

Twitterの観測では、朝7時には泣きそうになっていた模様。

前日までに準備していた「スタフラに取り付ける自作猫耳」を、急遽作り直す必要が出てきてしまい、朝から工作。そして材料不足が発覚したので、東急ハンズ渋谷店の鍵開けを決意。今週は、サイリウムの色を間違えて発注するくらい疲れていたので、そういうときこそ、細心の注意を払って生きていきたいと強く思った。神は細部に宿る。

坂本さんの計らいで、29日夜に事務所へいくつか荷物を置かせてもらえたため、当初想定より少なめの荷物で自宅を出る。そして自分以上に荷物が多そうだった、いちゃおさんにも前日に「駅から荷物持つの手伝いますよ」とDMしていたが、大丈夫とのことだった。いつも予想と期待を遥かに超えて、ものづくりに勤しむいちゃおさんとも、考えると長い付き合いになったものである。事前に画像で共有してもらったとはいえ、彼の”作品”にはCUBΣLIC愛が詰まっており、自分はそれを手に取ったとき、とても嬉しくなる。

花屋都合で早めにスタフラ搬入があったのと、猫耳をつける下準備もあったので、坂本さんに相談し、事前にラウンジを開けてもらうことに成功した。感謝に尽きない。そして黙々と工作を始める。坂本さんは坂本さんで粛々と準備をしながら、「…いよいよですね」なんていう話をする。1月はこの企画に向けて、頻繁にやり取りをしていたこともあり、改めて一連の流れなどを確認。こういうときに、何か忘れているものがないか、とても心配になる性分なのだけど、やはり朦朧としていた1週間というのが後押しして、少し肌寒い道玄坂を行ったり来たりしていた。

余談で「当日は妹宮もライブを見に来る」ということで冗談半分に『妹を新メンバーに加入させましょう!』と盛り上がる。姉卒業、妹加入の流れというのは、それはそれで胸躍ってしまう。なぜかアイドルオタクをしていると「妹」に縁があるんだよな...と何か得体の知れない引力を感じがち。

1/30昼。

そうこうしているうちに、何とか猫耳の設置も完了。やや不格好な気もするが”ご愛敬”というやつ。事前に連絡をしていた面々がラウンジに到着して、本格的な準備が始まる。

学生時代の「文化祭の準備」を思わせるような感覚があり、世代や境遇も違うオタクたちとの””運命共同体である””という勝手な錯覚もエンタメとして楽しみながら、手を動かす。たみぃさんとやーさんによる横断幕貼り付け作業、手際の良さが秀逸で「養生で下地を作れる」という知恵を得た(可愛いは作れる、みたいに言う)。オタクそれぞれのスペシャリティがうまく融合していたように思うDESEOminiのラウンジ。
猫宮ねこ写真展の準備は、300枚程度の写真を貼り付ける、という一見単純な作業ですが、1枚手に取るごとにワイワイ盛り上がってしまい、この時間ですら愛おしくなるほど。途中でもりこあらさんがドキュメンタリー風に動画を回してくれていたが、自分の悪いクセで、本当に切なくなりすぎていたせいか、頭も回らず、気の利いた一言も言えなかったことが、ただただ悔やまれる。それでも、その時々の自分であることには違いないので、あの準備時間の動画を早く観たい気持ちもある。

「あー、天使が強い!天使やべーっす」

など、語彙力を低下させる写真の数々。直前までの撮影会やらの写真を見ながら、改めて猫宮さんはイイ顔をしているなとしみじみ。ぷりさん主導のもと、きれいなハート型と猫、そして富士山をモチーフ?にした写真の貼り付けが終わった。ひとつひとつ見ていても楽しいし、自分が写真を撮らない分、新鮮な感覚すらある。自分の知らない猫宮さんを見るのも、これまた一興。

写真の貼り付け作業をしながら、バルーンも追加。892があと一日ズレて893だったら...という”たられば”は哀川翔。反社に厳しい世の中なので、バルーン案ごと消されていたと思う。あとは開演を待ちましょう、となり、準備でみんなを集めたものの「まん防」の影響もあるため、開演までは散り散りに。本当は決起会をしてもと思ってましたが、それはまた今度やりましょう。

自分は少しだけラウンジに残り、忘れ物がないか、など、横断幕を見ながら懐かしむ坂本さんとマシバさんのそばで、簡単な確認を済ませる。当然ではあるけれど、事務所側の方々としても、CUBΣLICはじめてのメンバー卒業というイベントには、きっと感慨深いものがあるに違いない。昔と比べた「アイドルとしての成長」を口にする様子を見て、こちらも微笑ましくなる。

「猫宮さんが、昨日のSRで『衣装はオフショルダーが良かったから「肩出したい」と伝えたんだけど、袖切られて...』って話してましたよ。」と冗談交じりに伝えると「まだ、そんなこと言ってたのか!」と坂本さんがPとしての強張った表情に変わったため、そそくさとDESEOminiを後にした。

1/30開演前。

すぐに、みんなと合流しようかと思ったけど、時間もやや微妙で、とりあえず準備で出た不要物を処理してから、再度DESEOminiへ戻る。

CUBΣLICのライブ前に、水曜日のネコは、欠かせない。取るに足らないマイルールではあるが、ライブハウスの看板と一緒に写メを撮ってTwitterにアップする水曜日のネコは、絶対に買い置きしない。なぜ?と言われると回答が難しいが、なんとなく、である。買い置きをしない方がいい気がする、という謎の信仰心。必ず、自宅からライブハウスの道中で、できればそのライブハウスの近くのコンビニで仕入れたい、と常々実行を重ねてきたその生活も今日で最後なのだよなと、無表情でツイートを完了させる。ホームであるDESEOminiおよびDESEOの場合は、O系列と同化しているローソン渋谷ランブリングストリート店に、必ず水曜日のネコが置いてあり、とても信頼のおけるコンビニである。

いよいよ開演、となるときに、Tigetで番号を確認し受付へ。このTigetの画面を見ると、必ずアメリちゃんとの年始の特典会を思い出してしまう脳内設定。そんなタイミングがバッチリ合うことある?と思われるかもしれないが、FanJで特典会をしているとき、かつ、まさかアメリちゃんと話をしている最中に、卒業公演の販売がスタートした。2部は9番、1部は20番というのも、当然の結果ではある。ただ、決して後悔はしていないし、むしろチケット発売で慌ててしまい、上の空になってしまい、ろくすっぽ会話もできていなかったことを、アメリちゃんに改めて詫びたい。(直接言え(言う

1/30開演。

いちゃおさんの作った猫耳、みんなつけていて可愛い。そして、きちんと三毛猫になっているのが、とにかく粋だ。曰く「前回より(頭に取り付ける箇所を)1.5倍くらい拡げた」と人体工学に基づき、生誕イベントの際の反省点を見事克服した意匠。

1部については、有志で「卒業阻止ティシャツ」を着込み観戦しよう、となっていた。このデザインは、ミコトさんが夜な夜なヘルメットにテープを貼り付けて、実際のヘルメットをティシャツに落とし込んだものだ。ミコトさんは、しばらく学生運動のヘルメット画像を探しすぎていたらしい。

ここだけの裏話でいうと、はじめは「猫田ネコ」とあしらわれていて、しかも数日はお互いに気づかず進んでいた。ビートたけしの演じるキャラクターで近しい名前があった気がするが、火薬田ドンしか思い出せなかった。

ただ、この阻止アイディア、有志企画のなかでも一番盛り上がり(体感)、それぞれが突如自費でヘルメットを作りだしたのが、準備期間を通じてのハイライトだったかもしれない。Amazonで黄色のヘルメットが売り切れないか、少し心配する程度に。内心、だれも本当に卒業を止められるとは思っていなかったかもしれないし、思っていたとしても、それは叶わないことが前提とした願いに近いものだったようにも思う。

いざ始まってしまうと、あとはライブを楽しむだけ、なのだけど、ややガス欠気味。準備までで気力・体力を使いすぎたというのは大げさだけど、無事今日を迎えられた安堵感に、心がリラックスしすぎてしまい、ラウンジでCUB出番まで小休止。共演者の方々が歌って踊るステージを、ラウンジの映像と、うっすら流れてくる音で楽しみながら、とにかく酒だと言わんばかりに飲み始める。準備を一緒に進めてきてくれた、たまさんが居たので、猫宮ねこ写真展を前に談笑。たまさんは、東京リアリー時代からの音ちゃんを応援してきていて、さらにはお披露目からCUBΣLICを見続けており、自分の知る限りでは、ほぼ全通をしている尊敬できるお方である。自分の収集した情報が間違ってなければ、猫宮さんが手紙で話していた「CUBΣLICのお客さんが一人しかいなかった」ときのオタクは、たまさんだったはずだ。アウェイで一人声出し、ペンライトを振る姿を想像しただけで、感極まるものがある。音ちゃんとの昔のツーショを見せてくれたが、あいにく涙目で滲んで見えてしまうほどに。

なんたらかんたら、は当時有観客だったことや、猫宮さんのデビュー当時のハロウィンコスのエピソードを酒のアテにしていた。やはりここでも「成長」を感じ、自分が見ていないにも関わらず、会話だけで追体験。相変わらずオタクとアイドルのエピソードは大好物であることを確認し、気づいたら泣いていた。

最終的にはバーカンのスタッフに謎の心配をされるほどだった。

DESEOminiの空調は完璧でした。

猫宮さんは、生誕のときもそうだったけれど、対バンの演者さんは、出番ギリギリまで後方で見ている。時々、そのフロア後方から一度楽屋に戻る際に、我々のいるラウンジを通るため、この日はじめて、猫宮さんと出くわすことになった。いつも通りのキラキラした笑顔は、溢れんばかり今日の喜びを走りさりながら伝えてくれたような気がする。

徐々に演者も入れ替わり、ラウンジも賑やかに。例によって坂本さんとも立ち話。妹宮のビジュアルはどんな感じか、といった「妹好き」ならではのアプローチを続けていた。”姉から毒を抜いた感じ”というのは聞きずてならず、Pを目の前に大反論してしまった。

そうしていると、その場に猫宮さんも通りすがって、坂本さんが写真展を見ながら一言、

「猫宮の写真、やっぱり口開いているよ」

と。おそらく前段階で、「口が開いてしまっている写真」については”愛あるイジり”があったと推測されるやり取りが繰り広げられた。本人曰く「(坂本さんには)褒めてもらったことがほとんどない」ということから、それを逆手に取るように、坂本さんがニヤケ顔(@猫宮さん談)で褒めだしたら褒めだしたで「ウソつけ!」とムッとする猫宮さんが一言。そのまま去っていってしまった。そういえば、怒った表情を見たことがなかったので、それはそれで可愛いなと思ったし、少し怒られたい願望が湧いてしまったことは、のちの特典会で本人にも伝えた。あとこれは絶対に伝わらない選手権なんだけど、猫宮さんがメンバーを呼ぶときに「音」「なる」「ねむ」と呼ばずに、苗字で呼ぶときがなぜか好き、というのを添えておきたい。

1/30出番(1部)。

ここ最近は特に周囲のありがたい気遣いが身に染みる。誤解のないようにいうと、あまりフロアの居場所に執着はしないタイプなので、空いていれば前に行くし、混みあっていれば後方で見る、そんなスタンス。とはいえ、周りの方々にも後押しされて、前へ前へと誘ってくれて、感謝の気持ちでいっぱいになる。

1部のCUBΣLICは、KISS KISS CUBΣLICのOPSEからのスタート。このSEは、味園ユニバースの思い出がセットで蘇ってくるから無敵。泣かない理由がなかった。そして、2部との構成を考えると、少し意外でもあった。KISS KISSがラストの曲だと思っていたので。「僕らきっと同じユニバース」という歌詞の良さ。

ゲトオン。これまたアッパーなイントロに助けられ、思いのほか楽しんでライブを観る。そう、CUBΣLICはこびへつらって泣かせにくることは一切なく、心の底から楽しい空間を作ってくれていた。正直、1部から、もっと泣くかと思っていたので。それでも、なんとなく、頭の片隅では、これが最後なんだなぁという想いがこびりついていたので、1部は少しだけ「心ここにあらず」という状態だった気もする。それでも、すぐに現実に引き寄せてくれたのは、猫宮さんの強烈なレス。本来の立ち位置では表情が見えないはずだったのだけど、体幹をうまく使いこなして、しなるような振る舞いで、目線が合うなどした。この上ない多幸感。猫宮ねこの真骨頂。

このあたりのMCでは「卒業阻止ティシャツ」について触れてくれたような記憶。こういうときは脳内に一言一句記憶できる装置みたいなものが欲しいなとつくづく感じる。続く、晴レトキドキ。これまた否応なしにアガるタイプの楽曲であり、例のネムちゃんパートを暫定的に引き継いでいることもあり、エモまる。可愛い女の子がピョンピョン跳ねているだけで、心も跳ねる。ユニゾンでの緩急の付け方もとても好き。他の楽曲と比べれば、明るい華やかさではなく、クールな落ち着きで勝負をしかけてくるので、ここぞというときのユニゾンは、セトリ全体をビシッと締めてくれる効能がある気がする。そうした意味では、”CUBΣLICらしさ”が詰まっている曲とも言えるし、物静かな表情で歌い切る猫宮さんも見物である。

そして、1部ラストの曲となったMoon Light Girl。ご存知セーラームーンを彷彿とさせる楽曲で、画面を境に、向こう側とこちら側の世界が存在している様子が、普通の女の子がキラキラとメイクを施し、アイドルに変わっていく流れを感じられる。

そうした意味でも、

『...二次元に帰還します!』

と猫宮さんの曲振りからイントロが始まる流れが神がかりすぎていて、1部のラストに相応しい1曲であった。ここまで書いてお分かりかとは思うけれど、おそらくこの時点までは本当に「2部で卒業≒二次元に帰還します」となっていたんだろうと、振り返り。

続きは後編。




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