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1コースと2コースのカベ

【壁】:  カベ
前進を阻むもの。進展の妨げになるもの。障害。

このnoteでは、ボートレースにおける "カベ" について考えていきたいと思います。

さて、ボートレースにおける"カベ"と聞いてあなたは何を思い浮かべますか?

多くの方が、2コースや3コースのカド受け等、スタートを決めて外の艇のまくりを止めることだと認識されているのではないでしょうか。

③のまくりを止める②のカベ。
④のまくりを止める③のカベ

編み込みのとおり、極端な話、スタートさえ負けなければ、前の舟が一直線に走れば、当然後ろの舟は行き止まりになりますよね。
これは基本的なカベの考え方、スリット通過後のカベの部分の話になります。

ただ、私はカベについて、"まくり"だけに影響があるのではないと感じています。
つまり、まくりのカベだけでなく、1コースをはじめ各コースにおいてもカベは生まれると考えています。

これは、穴党にも本命党にも重要な視点であると考えています。
そして、このカベの理解があると点数を絞ることや、穴の見極めにも役に立つことがあります。

そこで、ここでは基本となる1コースと2コース のカベについて考えていきたいと思います。

まず、結論。

冒頭で述べたように、スタート前後だけでなく、ターン後でも、あらゆる場所でカベは生まれます。

それでは、1コースと2コースに分けて考えていきます。

1コース

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まず、1コースの"逃げ"について。
スタートを決めて捲られないというのは大前提。そこからターンしていく訳ですが、ただターンしているだけでも、選手によって実際は様々な特徴があります。
よく「○コース殺しのターン」と言われるのがそれに当たります。

まず見ていきたいのが、"初動"です。
ターンに入るタイミングをよく注意してみてください。
例えば①がギリギリまで溜めるタイプ。

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2コースの選手、特に内側に寄せていく傾向のある選手にとっては、「早く行ってくれないと舟を向けれない」という状態になりやすいと思います。
差しのカベになることによって、②が遅れを取ると③がその分有利にもなりやすいのですが、もう一つ注目したいのはその外。

2番差しと言われる外からの"差し"や外からの"まくり差し"。
通常は2番目に差せば1番目に差す舟より遠く、当然不利ですよね。
ただ、1番目に差す②が1コース選手によって待たされている場合については、その待たされている間に外の舟も展開をつく準備ができる、余裕が少し生まれることになります。

つまり、前のタイミングが一つずれると、外にタイミングの恩恵が向く形になると考えています。
個人的には、このタイプの選手については2コース殺しで③で買う、というよりも外の選手の2、3着付けの確率が上がるという感覚の方が近いような気がしています。

反対に、初動も早い段階から握って回るような選手なら②の前に、差しのカベはないので自分のタイミングで差しに向けることができますね。
このようなタイプなら1-2決着も当然多くなります。

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次に旋回軌道
例えば、上の動画のような形で①が大回りのターンにいく場合、③が外を回しても捲りは決まりにくいと思います。
ただ、外が効かないなら捲り差しのコースに入れば良いですよね。単純な話です。

しかし、③がまくり差し巧者であっても、②のカベによってまくり差せないという状況が生まれる場合があります。

この点について、次に③が外を回すのではなく、"回させられる"2コースのカベを考えていく必要があると考えています。
そこで、2コースの選手によって外を回させられるターン前の壁と、捲り差してからカベになるターン後のカベに分けてご説明します。

2コースのカベ(ターン前)

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まず、スタートを決めて"まくり"のカベの役割については誰もが意識しているうちにところだと思うので、ここでは省略していきます。

ここではまくり差しのカベについて考えていきたいと思います。
このまくり差しのカベについて、ターン前に壁となるパターンとターン後にカベとなるパターンの2つに大分することができます。

まず、ターン前のカベについて。ここは意識されている方も多いと思いますが、記載します。
ここでも"初動"、つまり差しの構え方についてみていきます。

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先程、ご説明したものと同じ画像ですが、例えばこの場合、②がこのタイミングで、小回りの落とすような差しに入った場合についてはまくり差しのカベにはなりません。

②は早めに落として、①も握っていくなら、①と②の艇間はここからさらに広がるので、まくり差す場も広くなります。

③が覗いていれば内側をまくり差して、決まれば②を引き波に乗せることもできますし、①が相当流れるなら②の差し、③のまくり差しも一緒に入る形にもなりますね。

③からまくり差し展開を狙うなら、落として差すようなまくり差しのカベにはならない選手がいる場合は、期待度が上がると思います。
あくまで一つの例ですが。

次に、壁となるパターン。

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③の初動に合わせて踏み込み、まくり差す場を詰めてから引いての差し。
この差し構えをするタイプの選手が2コースにいれば、③は外に握らされるケースが多くなります。
この場合に、③がいくらまくり差し巧者だとしても、差し場が殺されているので、狙いにくくなるの感じています。

①が相当握るか流れれば、どうしても艇間は開くのでまくり差しの場が生まれることもありますが、①も小回り気味だと、まくり差す場はさらに開きにくいと考えて良いと思います。

③は外へ握されることで、①のターン次第では航跡で流されてしまうことまで多くあります。
つまり、ここの②のカベを避けたところに①のターンによるカベができる、"カベの二重連動"が起こる場合もあります。そのため、①の旋回軌道と合わせて考えていく必要があります。

まくり差しなのか、外を回すのかによってその後の展開は大きく変わります。
③選手自体の特徴だけでなく、2コース選手によってやむを得ず外へ握らされる場合もあるということは頭に置いておいたほうが良いと思います。
次に、ターン後のカベについてご説明します。 

2コースのカベ(ターン後)

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この2コースのターン後のカベについては、選手特徴によるパターンと、選手の意識に関わらず偶発的にカベとなってしまうパターンがあると考えています。

ここでは後者のパターンについてご紹介します。つまり、ターンの出口で①の方へ流れ、捲り差した舟のカベになることがあります。

外から狙ったのに、②が流れてきて邪魔となり、予想を外し腹が立った経験もある方が多いのではないでしょうか。
この"邪魔"についても、ある程度予見することができます。2つのレースを例に出します。三国周年記念の初日12R。

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実際のレース。

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②が少し外に流れていることがわかると思います。この時の周回展示でも少しブイを外して回っていました。

また、直前情報では、②徳増選手の直線タイム展示タイムが1位、周り足に関しては6位となっていました。

つまり、行き足から伸びの部分が出ていることが数字上では表されています。
ちなみに、この伸びについて重要視されている方が多いと思いますが、内枠においては、伸びればターンは流れやすくなるというリスクもあります。
さらに、選手コメントで徳増選手は「ペラ叩いたけど舵が全く効かない」とコメントもしていました。
結果、ターンの出口で流れてしまい、③枠吉川選手の進路に入る形となりました。

もう一つ例を出します。
同じく三国周年記念の4日目6R。

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②枠の岡選手があからさまに⑤寺田選手を塞ぐ形になっています。
この時の周回展示では、1周1Mで②岡選手は一人だけ大きくターンマークを外していました。

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ターンが流れていると判断すれば、差しの狙いから外す、という人は多いと思いますが、その"流れた結果どうなるか"というところまで予想されている方は少ないのかな、という風に感じています。

初動によって、そもそも流れやすい選手もいますが、足を読んで流れるというところも判断していただき、着に絡まないという判断だけでなく、捲り差しのカベにもなるかもしれないという感覚も持っていただけると、展開予想の面白さも深まるのではないでしょうか。

1枠選手の初動や旋回軌道と2枠の選手の初動と旋回軌道を判断することで、その後の展開についてある程度推測ができる場合があります。

以上、ありがとうございました😊

ターンの特徴を知ることも大切ですが、展示を見る大切さや、展開を予想する大切さ、面白さが少しでも多くの人に伝われば嬉しく思います。

また、このような各コースの旋回のパターンから導かれる展開について、より深く掘り下げたものが以下のnoteの内容となっています。

この記事が参考になったようであれば、そちらも間違いなく役に立つと思いますので、興味があれば覗いてみて下さい。

ありがとうございました😊



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