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データに騙されないために

予想をする時、数字やデータに過度に頼ることで大事なことを見落とし、誤った判断をすることがあります。こういった判断の誤りのことを表した言葉に「マクナマラの誤謬ごびゅう」というものがあります。

マクナマラの誤謬


マクナマラの誤謬ごびゅうとは、数字やデータに過度に依存して物事を判断することで、重要な要素を見落としたり、誤った結論に至ったりすることを言います。

この言葉は、ベトナム戦争時にアメリカの国防長官を務めていたロバート・マクナマラに由来します。

データ分析の天才と呼ばれたマクナマラは、戦争の勝敗を定量的な指標で測ることにこだわりました。
例えば、敵兵の死者数や爆撃の回数などです。

しかし、これらの指標は戦争の本質や、アメリカ国民の反戦感情やベトナム国民の愛国心といった人間の心理を捉えることができず、データに頼りすぎたせいで戦争は300万人以上が戦死するような泥沼状態を招き、アメリカはベトナム戦争に敗北しました。

データをうまく扱うために

競艇予想に置き換えてみても、データに頼りすぎることで、さまざまな思い込みを招くことがあります。
私も含め多くの参加者達は、選手の勝率であったり過去の成績や傾向など、様々なデータを見てどの選手が勝つかを予想することがあります。

しかし、ご存知の様にボートレースは、ただ上手い選手が勝つだけではなく、舟足や天候、展開や選手心理、その他様々な要因がレースの結果に影響を与えることがありますよね。

そのほとんどはデータとして定量化することができない、不確定な要素ばかりだと言えるかもしれません。



・・・なんて、こんなことをわざわざ言わなくても、ほとんどの人は頭では理解しているはずです。


それでも、インターネットで簡単に取得できる「◯◯率」みたいな扱いやすいデータを目にすれば、時には数字で大局を見たような気になってしまい、その数字によって思考が制限されてしまうこともあるでしょう。

「イン逃げ率◯◯%だから逃げは買えない!」みたいな。

マクナマラの誤謬ごびゅうのように数字に盲目的に従うようになってしまうと、全体を見ることができなくなるので、過去のデータや傾向だけを見てレースの予想をしてしまうことになります。

しかし、それだけでは例えば実際の舟足の状況やその時々のコンディションを見逃してしまう可能性もありますよね。

さらに、一般的にこういった表面的なデータはインターネットで簡単に取得できるので、広く不特定多数の参加者が目にしています。
なので、そういった情報を得ても、持ってる情報量に差はつかないので現代の競艇では残念ながら、それは武器にはなりません。

むしろ、皆が目にしているということは、皆の足並みが揃いやすいということにもなるのではないでしょうか。
つまり、データに騙される時は集団で騙されてしまうケースがほとんどだと言えるかもしれません。

とすると、データに騙されるということは、集団と同じ間違いをするということとなるので、それはオッズに正しく反映されていくということにもつながるのではないでしょうか。


つまり、過剰人気を形成している大衆のうちの1人となるいうことかもしれません。こういうのを養分と言うのかもしれませんね。


だからと言って、全く情報がないのもダメです。
情報が不足していることも負けに繋がっていきます。
情報を参考にしつつも、舟券を買う際には総合的な視点を持ち、情報の取捨選択が大切だといえるでしょう。

データはあくまでもデータ。
「知るきっかけ」にはなりますが、それがそのまま答えにはなり得ません。
大切なのは数字に盲目的に従うのではなく、「なぜそうなっているのか」と紐解いていくことです。

情報を入手する力より、
「情報を解釈して利用する力」が重要。
それこそが情報力と呼ばれるものだと思います。

現代の競艇はフラットで開かれた勝負。
だとすると、そこで差を分けるのは「情報量」ではなく「情報力」ではないでしょうか。

データは常に疑い、不要なものを削りながら自分だけの武器を見つけていきましょう。

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