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投資とギャンブル


競艇は方法さえ学べば、勝てる投資です。
こんな言葉をよく見かけます。

将来どうなるかわからない今の時代、たしかにお金は運用した方がいいと言われることが多くなっています。

この点、「競艇は投資」という宣伝をよく見かけるのですが、お金の運用方法として、ギャンブルである競艇を投資として扱うことは可能なのでしょうか。

「投資」と聞くと、なんだかお金が確実に増えそうなイメージを思い浮かべます。

それでは、考えていきたいと思います。


▷投資とギャンブル

<<①視点>>

まず結論から言うと、私はギャンブルは投資になることはないと考えています。
それぞれの違いについて見ていきたいと思います。

まず、一般的に「投資」とは、株や投資信託など価値は日々変化するもので、将来の経済成長に期待し、数日〜数ヶ月のマイナスで判断せず、場合によっては、5年〜10年で価値があがるようなものに投資するような長期的な視点が必要なものとなります。

一方で、ギャンブルについては、とりあえず一旦は「今日一日の収支」という短期的な視点に捉われるもので、運が良ければすぐに結果を出すことができ、運が悪ければ一瞬で資金を失ってしまうので、この点は投資と大きな違いがあるのではないでしょうか。

この点、投資でも数日〜数ヶ月という短期間のマイナスの状況で結果を判断してしまうのであれば、ある意味では投資はギャンブルになり得るように思います。
また、FXやデイトレードなどの短期的な視点の「投機」についても見方によっては広義でのギャンブルに含まれるようにも思います。

<<違い②共存>>

ギャンブルとは、金銭や品物を賭けて勝負を争う遊戯です。
「賭け」という行為は基本的に、失敗すれば金銭は失われるもので、成功すれば金銭を得るという0か100かの行為です。

そして、それは賭けに参加する者同士で奪い合うものなので、常に誰かは得をしており、誰かが損をする仕組みとなっています。

つまり、負けてしまえば、一瞬で資産を失ってしまうものなので、熟考せず適当に参加すればお金を棄てる「投棄」的な行為ともなり得ます。

ギャンブルとは、参加者同士の奪い合いによるものなので、参加者の収支の合計はゼロである「ゼロサムゲーム」なんて呼ばれ方をすることがあります。

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ちなみにゼロサムのサムとは「SUM=合計」という意味があります。エクセルの関数でも一番初歩的なものなので、ほとんどの方はご存知でしょう。
さらに、胴元が参加料を引くような公営ギャンブルでは、収支合計は「ゼロ−参加料」となります。
このことから、参加料が引かれるギャンブルは「マイナスサムゲーム」と呼ばれることがあります。

一方で投資とは、参加者同士の奪い合いや、誰か一人だけが得をするような状態にはなりません。

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投資は奪い合いではなく、企業や経済成長による株価の上下によって利益を得るものなので、株を保有している人達は等しく利益を得ることができ、等しく損をしてしまうものです。

このような理由をみると、投資は「共存は可能」であり、ギャンブルは「共存は不可能」な世界のように思えます。

この点からも、やはり「投資」と「ギャンブル」は同じと考えることは難しいように思います。

投資は向き合い方次第でギャンブルにもなり得ますが、ギャンブルは投資になり得ない。

そんなふうにも思います。

▷ギャンブルと投資 

私個人としては、ギャンブルと投資は同じではないという説に立っているのですが、「ギャンブルを長く楽しむ」、「収支を安定させたい」ために、投資的な視点でギャンブルに参加することは可能なのかなと思います。

そのためには以下の項目が最低限必要となるのではないでしょうか。

①生活資金ではなく余剰資金で行う。
②長期的な視点で収支を管理する。
③勝てる可能性が高いレースに参加する。
④手に汗をかく賭け方をしない。

①生活資金ではなく余剰資金で行う。
ギャンブルを投資的視点で見るためにはまず、生活資金ではなく余剰資金で行うことが大事だと思います。

一番の大原則ですが、投資であれギャンブルであれ、生活するための費用を削ってまで参加するべきではないでしょう。

まず「投資」では、長期的な視点で投資をしていくためには、投資のお金は簡単に取り崩さないことが必須条件となります。

これはギャンブルでも同じで、計画性のない資金管理を行なっていれば収支の不安定化を加速させる要因となります。

また、既に述べたように公営ギャンブルは「マイナスサムゲーム」なので平均的に控除率分だけは負けてしまうものと考えた資金計画が必要であり、収支がマイナスの月間は毎月の負けている金額が分不相応でないかを検討する必要があります。

投資では、資金が一瞬で失われることはありませんが、ギャンブルは一瞬で資金が失われてしまいます。
いずれにせよ、失って困る資金は使うべきではありません。


②長期的な視点で収支を管理する
まず投資について、長期的な投資期間の中では、価格が下がってしまえば元本よりも減る時期もあります。
この点、短期的なギャンブルでも当然、負けて資金を失ってしまう日も多くあります。

どちらの場合においても、投資的な視点を持ち続けるためには、短期的な結果に一喜一憂せず、長期的な視点で収支を管理するような参加方法が望ましいと思います。

ギャンブルにおいては、負けているからとアツくなったり、取り返そうとヤケになるのではなく、常に一定の感情で淡々と賭けに参加する必要があるのでしょう。

「冷静さ」を失ってしまうとこれが叶うことはないので、そういった意味でも①で述べたように、投資もギャンブルも、生活資金ではなく、余剰資金で行う必要があります。

失って困るお金を失って、冷静でいられる人間はいないと思います。

③勝てる可能性が高いレースに参加する。
次に、投資的視点をもって公営ギャンブルに参加するのであれば、収支の安定化を図るためにも、勝てる可能性の高いレースに限定して勝負をするという視点が重要だと思います。

この「勝てる可能性」についてですが、単に的中すればいいという訳ではなく、自身にとって期待値の高いレースだけに限定して賭けていく必要がありそうです。
期待値の考え方についてはこちらの無料noteに記載しております。

とにかく、難しいと感じるレースには参加をしない。
一定の基準を定め、それを満たしたレースのみに限定して参加する。
的中率より回収率という結果論的思考を良しとせず、的中率と回収率のバランスを常に意識する等といった厳しいセルフマネジメントが必要となるのではないでしょうか。


④手に汗をかく勝負をしないこと。
投資的視点、長期的な視点でギャンブルと向き合っていくためには、とにかく目先の勝負で人生を賭けたような大勝負は避けるべきでしょう。
この点は①〜③にも共通するのですが、個人的な感情に左右されず一定の感情で、一定の賭け金での勝負を繰り返す必要がありそうです。

投資的視点を持ってギャンブルに参加するためには、こういったルールを徹底し、とにかくアツくならず、冷静に向き合っていくことが必要となるでしょう。

ギャンブルと長く付き合っていくためにも投資的視点を用いることは有用に思います。

ただ、この記事で取り上げた項目は、あくまで「投資と考えることは可能か」という視点で書いているので、必ずしもこれを徹底しなければならないという価値観を押し付けるものではありません。

いずれにせよ、ギャンブルはギャンブルの枠を出ることはないので、お金の運用方法としての投資というよりは趣味の範囲の遊興として、時には肩の力を抜いて余剰資金で楽しく向き合っていきたいものですね。

まとめ:投資とギャンブルは同じではない!

お話ししてきたことをまとめます。

「競艇は投資」という言葉を用いて、必ず勝てるような宣伝をする業者がいます。

しかし、ギャンブルとは参加者同士でお金を奪い合うものであり、資金を一瞬のうちに失ってしまう可能性があることから、投資と同じではありません。

ただし、ギャンブルに投資的視点を用いることは可能なようにも思います。そのためには以下の4つの項目が重要となるでしょう。

①生活資金ではなく余剰資金で行う。
②長期的な視点で収支を管理する。
③勝てる可能性が高いレースに参加する。
④手に汗をかく賭け方をしない。

投資的視点を持つ持たないは個人の自由ですが、長くギャンブルを楽しむためにも、特に無理のない範囲での資金管理を行い、アツくなりすぎないように注意しましょう。

ちなみに、個人的には競艇は勝てる投資って言ってる業者は、だいたい悪徳だと思ってます。
そんな甘くない。

以上

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