DeSKO 8/16 初心者コース観戦報告

8月16日(日)21時から、第一回の講義が行われた。「半沢直樹」よりディベートが大切という熱心な参加者が8名集った。内訳は、授業等でディベートの指導に挑戦している先生方が3名、東北学院大学の学生さんが5名、NADEの見学者が3名であった。

ディベートの試合動画を視聴する時間を含め、合計50分間、東北学院高校の名越先生のレクチャーが行われた。

事前に参加者から取っていたグーグルフォームのアンケートをもとに、名越先生が適宜参加者からの声を拾い、進行していくスタイルがとられた。

例えば、冒頭の掴み。
事前アンケートのなかに「名越を首相にすべきである」という論題の是非を問うものがあった。今回のアンケート回答者の100%が、反対票を投じたということだ。ところが、中高生に同じ問いかけをした場合、理由を明確に言えない生徒が多いのだという。また時折「回答を保留する」大人がいて、人間関係を損なわないよう忖度する気持ちには理解できるものの、話が進まずに困るケースがあるそうだ。
ディベートは彼らを変えるチャンスになる。これは他のディベート講座でも取り上げられるポイントではあるが、冒頭から「名越を首相にすべきである」と戯ける独特の名越ワールドに、聴衆は魅了されたのではないだろうか。

全体としては、参加者のディベートに対するイメージを崩し、再構築する50分間であった。

例えば、参加者自己紹介の「ディベートへの率直な印象」欄で、「テーマの理解、自分の意見を論理的に持つこと、自分の意見を分かりやすく伝える、相手の主張を注意深く聞くなど様々なスキルが必要で難しそうなイメージがあります。」と述べていた学生さんがいた。
ここには、ディベートの三角形(肯定・否定・審判)から得られる「複眼的思考」の認識が欠けているように思われる。
今回のレクチャーで、参加者は「肯定・否定」よりも先に「審判」の視点を持つことを求められた。ディベートの定義を学んだ後すぐに、熟達したディベーターによる試合の動画を観るという流れで、否が応でも審判にならざるを得ない状況が作り出されたためだ。
ディベートを「率直」にイメージしたとき、自分というディベーターと相手というディベーターだけをイメージしていた参加者も、審判になることで、ディベートの三角形を強く認識したのではないだろうか。

判断する側の観点を先に知ることにより、その観点から逆算して議論を作ることが重要である。それができなければ試合には勝てない。
来週はメモの取り方に重心をおいた講義になるとのこと。次回も審判としての視点を磨く50分になるだろう。2回目からでも構わない。是非多くの先生方にご参加いただきたい。

指導者コース、ディベートコースの参加者募集の締め切り、そして今回紹介した初心者コースの2次締切が21日(金)となっている。

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