【授業ディベート入門0】ツールとしての授業ディベート
小学生から社会人まで、これまでさまざまな層の方に向けてディベートを指導してきました。(ディベート歴20 年)
今回は、3月の「ディベート教育国際研究会大会」(九州大学)にて発表させていただいた内容をもとに、今わたしが考えていることを書きます。(写真は5年程前に熊本日日新聞さんに掲載していただいたものです。)
2020年4月、小学校では新学習指導要領の全面実施となりました。
まさかのコロナ休校でたいへんな状況での移行。
そんなわけで、いまだに実感のわかない部分もありますが、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善が推進されています。
現場の教員の方々は「知識の量を削減せず、質の高い理解を図るための学習過程の質的改善」(かつ三密対策!)に日夜取り組んでいらっしゃいます。
新学習指導要領でも「議論や討論をする活動」が重視されています。
「提案や主張など自分の考えを話したり、それらを聞いて質問したり評価などを述べたりする活動」
「論説や報道などの文章を比較するなどして読み、理解したことや考えたことについて討論したり文章にまとめたりする活動」
ディベートという言葉ではありませんが、学年に応じた「ディベート的な活動」について記載されています。
文科省が想定する「深い学び」のかたち、
「情報を精査して考えを形成」すること
「問題を見いだして解決策を考え」ること
「思いや考えを基に創造」すること…
それらはディベート活動を通して経験できるものです。
ディベートのもつゲーム性は、「主体性」に火を点けます。
見通しをもって粘り強く準備することが勝利につながると予想されるからです。
ディベート活動には子ども同士の協働が不可欠です。
準備、試合、ジャッジ体験、アフターディベートに至るまで、ディベートは終始「対話的」な取り組みです。
以降は、自戒を込めて述べるものです。
90年代以降、日本の(ここでは「日本語」の)ディベート教育は、必ずしも成功しているとはいえません。
20 年以上、「ディベート的な活動」は小中学校で扱われています。
教科書にも掲載されています。
一方で今なお「討論会の授業が苦手だ」という現場の先生方の声を聞くことがあります。
教室ディベートの団体が、教室を牽引できていないことも問題です。
学習指導要領に沿った授業ディベートを提案し、「主体的・対話的で深い学び」としてのディベートを展開していくこと。
ディベートを広めることを目的とするのではなく、ディベートをツールとして「主体的・対話的で深い学び」を実現することを目的とした、ディベート指導者が存在するべきだと考えます。
コロナ禍にあって、対話形式のディベートに取り組むことができない学校も多いと聞いています。
そんな停滞している今だからこそ、noteでは、今後使えるアイデア、今も使えるアイデア を紹介しておきたいと考えています。
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