綾の織物を巡る旅

こんにちは。小代です。
9月15日 宮崎県の綾の手紬染織工房へ伺ってきました。


綾の手紬染織工房のルーツは・・

1966年に秋山眞和により宮崎県東諸県郡綾町で創製された織物です。

そのルーツは沖縄で、大正時代、沖縄にて秋山眞和の父である秋山常磐が染織業を営んでいましたが、戦争により沖縄の工場をすべて失ってしまい、その後の1951年に、宮崎で再出発をはたしました。

そして、秋山眞和が染織業を引継ぎ、 宮崎県東諸県郡綾町に工房を創設し、綾の手紬が誕生しました。秋山眞和が主宰する綾の手紬染織工房では、大和貝紫という染料の復元をさせるなど様々な取り組みが行われています。

日本伝統文化振興機構

まさしく・・織物に歴史ありです!

こちらの工房は、すべての工程を手作業で行なっています。
蚕を育てること、桑の葉を食べさせること、さらに桑の葉までもが手作り。
そして、繭からの糸紡ぎ、染色、織・・・
すべての工程を昔ながらの手作業で行われています。

蚕の繭。繭が絡まないように、お蚕様を箱の中に入れます。
この糸を、紡いでいくわけです。
特に、こちらの工房では、日本の絹の原種「小石丸」を育てています。
小石のように、コロコロと可愛らしい蚕さまたちです。

育てるには一定の温度も必要。
大事に大事に育てて、綺麗な糸を作ってもらうのです。

紡いだ糸は染められます。
特に、「天然灰汁発酵建て技法による藍染め」、古代の紫「大和貝紫染め」、糸を浮かせて模様を織り成す「花織」などの伝統的な技法がふんだんに用いられます。写真の糸は 「大和貝紫染め」。
メキシコや海外で染物の研究をした結果生まれた美しい色合い。

紫でもない、藤色でもない、なんともいえない美しさは
心に響きます。

藍染は微生物の力で色合いが変化します。
なので元気がない時には、焼酎をあげて元気を出してもらうんだとか・・
なんだか可愛く思えてきますね。

藍染め

機織り
紡いだ糸を織ります。
一枚の織物が出来上がります。
中島みゆきの 「糸」が頭に流れ始めます。

それと同時に 
縦の糸はあなた〜横の糸は私ーーの意味がここへきて理解できました。


今、モノは安ければいいとされる大量消費時代から、モノの背景を知り、未来に繋いでいく時代への移り変わり時期かと思います。

今のように便利な機械がない時代は、
気の遠くなるような作業を誰かが手作業で行い、
家族を養ってきた歴史があります。
冬の寒い日。
夏の暑い日。

生きていくために一生懸命、蚕を育てて、糸を紡ぎ
織物を作っていく。

今、私たちがこの世にいること・・そのありがたみを感じました。
綾の手紬染織工房さんでは
体験も行っておりますのでぜひ!!
ご興味がある方はお出かけしてみてください。



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