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OEDO「地球防衛隊」法案

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あたらしい国防のカタチを全28章で発案しています。改憲派、軍拡派に対抗できる対案になると自負しています! 平和を望む皆さん、ご賛同ください。まずは出版化を目指したいと思います。
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#自衛隊

OEDO[0-0]地球防衛隊法案──概論

21世紀も四半世紀が過ぎようとしているが、フランシス・フクヤマが宣言したように歴史は終焉せず、文明の衝突が続いているではないかと批判される。世界の民主化は進まず、ポピュリズムは蔓延し、戦争や紛争が続いているではないかと。近視的に見れば確かにそうである。 しかし100年スパンで歴史を俯瞰すればどうだろう。当時あたりまえだった奴隷制度や植民地主義政策。ほんの50年前には世界の30%を占めていたマルキシズムを曲解した共産主義国家。今となってはどちらの復権も不可能である。歴史には

OEDO[1-6]民衆はヒーロー

東北の皆さんの復興費を、防衛費増強にあてるんじゃねぇ! 逆だろっ、逆! 防衛費(年間5兆円強)をまるまる復興費にあてるんだよっ!! ──などという暴論が「地球防衛隊」構想の精神です。大げさに言うならば。 確かにそれだけを聞いていれば、暴論にしか聞こえません。しかし、この硬直し煮詰まった、動かし難い現状を俯瞰すれば仕方ありません。日本の国防体制。こうでもしなければ打開できないシステムが組み上がっています。発想を逆転させて、新たな未来を切り開くのです。 この転換を喩えるなら、

OEDO[1-7]既得権益のスライド

一方では「軍需産業は儲からない」との声も耳にします。我が国の防衛産業は、何も大手の重化学やサイバー産業だけに限らず、多くの中小企業、町工場に支えられています。そしてそこに従事する人の多くが、儲けを度外視して──とは言わずとも、使命感を持って働いています。 戦車1台の製造に千社の企業が関わると言われます。職人の技が失われつつある昨今、安全保障の生産基盤を失う訳にはいきません。「死の商人」と言えば、庶民の生き血をすする悪の権化のようにカリカチュアライズされますが、とんでもない。

OEDO[1-8] 非武装のリスクヘッジ

「勢力均衡」が戦争の抑止力足り得ないことは、過去の戦争の例を見れば明らかですし、そもそも「領土の奪い合い」の為に戦争をする時代は終わっています。技術の発達と生産力の向上によりモノが余る今の時代、軍拡への動機は財政出動によるケインズ効果しかありません。 もう尖閣や竹島、Jアラートなどで危機感を煽られるのは終わりにしましょう。防衛費増額のために世論を味方にして、政治家自身の支持率につなげたいだけだと邪推しかできません。しかも防衛費は、一度膨れ上がってしまえば、将来に渡って収縮さ

OEDO[1-9]シン・積極的平和主義

軍拡が戦争を招いた例は数知れませんが、非武装が戦争を退けた例は、わずかながらも確実に存在しています。かと言って、軍備を増強すれば必ず戦争になる訳でも、武力を放棄すれば必ず平和になる訳でもありません。世の中に絶対はありません。あくまでも蓋然性の話です。 数少ない非武装、中立を謳った国家がかろうじて平和を保っているだけの話です。しかもコスタリカのような小国家。大国日本(GDP世界3位、人口11位)が、もし武力を放棄したらどうなるのか──少なくとも軍拡よりは安全性は高まるでしょう

OEDO[2-1] ニュータイプの戦略

問題となるのは、日本のような大国が非武装にすると何が起こるのか。その参考となる先例がないことです。すでに軍隊を放棄しているバチカンやリヒテンシュタイン、コスタリカやツバルのような都市国家や小国は参考になりません。とりあえず平和は続いてはいるようですが。 反面、武力を強化した時に何が起こるのかは歴史が証明しています。緊張が高まり、戦争になるのです。勢力均衡による平和など幻想に過ぎません。1496年のイタリア戦争以降、つまり近世以降の戦争を見渡すだけでも、同程度の武力が悲劇を招

OEDO[2-2] ENEMY MINE

自衛隊をレスキュー隊に改編しよう──という案は極たまに見受けます。一方、平時から地雷撤去や森林火災で国際貢献に取り組む案は目にしたことがありません。まして「地球防衛隊」構想ほどに、日本のブランディング戦略やロビィ活動に主眼を置いた案は寡聞にして存じ上げません。 しかも狙うのはブランディングやロビィと言うほど生易しい宣伝活動ではありません。嫌がらせです。ロシア、北朝鮮、中国、韓国といった周辺諸国が古くダサい軍拡に力を入れている一方で、日本だけがスマートに軍備を捨て、自衛隊を国

OEDO[2-3] 日の丸の矜持

ある種「北風と太陽」のような話です。自衛隊が正義活動にシフトすることで、周辺国の独裁者たちを身ぐるみ剥ぎ(支持率を奪い)、丸裸にする(軍備を無効化する)策略です。姑息な手段、卑怯な変化球のようですが、実は王道。正々堂々と世界に胸を張れる法案になります。 それは緊急時の人命救助だけではなく、平時の国際貢献との二本柱で、真の積極的平和主義を推進するからです。その主たる活動として、まずは世界中の地雷撤去を掲げましたが、国際貢献はそれだけにとどまりません。仮に全ての地雷撤去を完遂し

OEDO[2-4] 安全保障のアイデンティティー

そして有事です。災害時の人命救助です。これこそが「地球防衛隊」活動の真骨頂。世界の注目を集め、日本がヒーローとなれる晴れの舞台となります。突発的なセンセーションで、地雷撤去のような継続的な平和活動以上に全世界に日本のプレゼンスを高める平和プロパガンダになります。 つい昨年もトルコ・シリアで大震災が発生し、少なく見積もっても5万6千人の方が命を落とされました。日本からは初動として国際緊急援助隊・救助チーム75人の派遣が決定され、そのメンバーには海上保安官や消防士の方々が含まれ

OEDO[2-5] 人命救助のコスト

将来の南海トラフ大地震による死者数は20〜30万人にのぼると予想されています。一方で、この一年間のウクライナ侵攻における犠牲者は民間8,000人、軍人1万人強(詳細非公表)と報道されました。これだけ大きな戦争でも、死者数は南海トラフの数十分の一にとどまっています。 しかし問題は数だけでなく確率です。どちらの可能性が高いかです。戦争と地震と。これからの30年間で死者20〜30万人規模の戦争が日本に起こる確率と、南海トラフの 70%〜80%と言われる発生率。この規模の震災となる

OEDO[2-7] 防衛隊のハードパワー

「地球防衛隊」の攻撃も佳境に入りました。憲法9条を遵守して武力を放棄するだけではありません。地雷撤去や災害救助で世界に貢献するだけでもありません。国家防衛の観点から言えば一番の力の入れ所。それは何によりも「カッコイイ部隊」を作ることに尽きます。 9.11同時多発テロ事件が発生した2001年の12月、アメリカのクリスマス商戦から消防車が姿を消しました。子どもたちに大人気で品切れになったのです。その他ファイヤーファイターズ(消防士)のフィギュアから変形ロボまで、様々なおもちゃが

OEDO[2-8] 防衛隊のソフトパワー

前回は「地球防衛隊」のハード面、C-2輸送機を「タイガーモス号」にして、イージス艦を「バラクーダ号」にして、10式戦車を「悪役一号」にして、自衛隊を子どもが憧れるヒーローにブランディングする戦略を展開しました──すみません、チョイスがマニアックすぎますね。 オタキングこと岡田斗司夫さんにしか通じないような古いジブリ作品、いやジブリを設立する前の宮崎駿監督のアニメ作品から引用してみました。今や世界に通用するジブリアニメですが、地上30mのロボノイドを建設しても誰にも見向きされ

OEDO[2-9] 地球防衛隊

一区切りです。ここまでサヨクの皆さんを揶揄したり、ウヨクの皆さんを挑発したり、他国の指導者や自国の政治家を嘲けたりする場面も多々ありました。あらゆる人を敵にまわすように書き殴ってもきましたが、それもこれも日本の未来を憂い、危惧しているからに他なりません。 ここしばらく、日本はロクなことがありません。賃金は下がり、格差は拡大し、少子化は進み、国債は増大し、年金は減少し、若い世代も高齢者世代も不安しかありません。そしてそこに来て今回のウクライナ侵攻、Jアラートの連発、台湾有事の

OEDO[3-8] サイアクの戦争

それでも戦争になったら、日本は負けます。冒頭からすみません。しかし万が一日本が戦争に突入するようなことがあったら、負けます。非武装・非暴力の道を採れば侵攻も、占領もされません。しかし敢えて軍拡・交戦の道を辿るというなら、残念ですが負けてしまいます。ご説明しましょう。 指摘される通り、日本は周囲に不安要素を多く抱えています。同盟国の多いEU内の一国とは立場が違います。世界は東と西、北と南ではまだまだ文明の成熟度に差があります。亜細亜のこの地域は、民主度や自由度において一歩も二