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CPAP(シーパップ)の音がうるさい‐その対処法とは?

CPAP(シーパップ)がうるさくて眠れない…。

よくお聞きする悩みです。そこで今回は、CPAPのノイズの原因と対処法について調べてみました。では、詳しく見ていきましょう!

そのノイズ、どこから出ている?

まず、予備知識として知っておきたいのが、CPAPのノイズは装置本体が出す音だけではない、という点です。

標準的なCPAP装置は、30dB(デシベル)程度のささやき声と同じくらいのノイズを出すと言われています。

そして、静音設計のマスクでも20dB程度のノイズを出します。さらに、チューブから音が出る場合もあります。

また、お手入れによって音の大きさが変わる可能性もあります。特に、ずっと同じCPAP装置やマスクを使っていて、突然ノイズが発生した、という場合はクリーニングやパーツの交換で音が小さくなるかもしれません。

では、CPAPの音がどこから出ているのか、どうすれば音が小さくなるのかについて、詳しく見ていきましょう。

CPAP装置本体がうるさい場合

フィルターは目詰まりしてないか

まずはCPAP装置本体のフィルターをチェック。

フィルターが目詰まりしていると、CPAP装置が頑張って送気しようとするため、通常より音が大きくなることがあります。吸い取り口にゴミが詰まった掃除機と同じイメージですね。

フィルターは定期的にチェックして、交換、または洗浄するようにしましょう。

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CPAPのお手入れ、さぼり気味の方は要チェック!

加湿器の水の量やチャンバーの状態

加湿器の水の量が少ないと、水がガボガボという音を立てることがあります。

部屋の湿度によって一晩で消費する水の量は変わってきますが、音が気になる場合は浄水器のMAXのメモリまで水を入れた方が良いでしょう。

なお、水を入れずに加湿器をオンにするのはNGです。

また、加湿器のチャンバー(水槽)も劣化して、ひびが入ったり欠けたりすることがあります。
劣化が進むとノイズの原因になることもあるので、定期的にチェックして交換するのがおすすめです。

吸気口をふさいでないか

CPAP装置本体が空気を吸い込む「吸気口」がふさがれていないかチェックしてみましょう。布団や家具などでふさがれていると、ノイズが発生することがあります。

設置場所を工夫してみる

CPAP装置本体には問題がないのに、やはり音が気になる場合は、ホースに多少余裕を持たせつつ、なるべく遠くに設置してみるのも良いでしょう。

固い台の上に置くと振動で生じる音が気になることもあるので、そういう場合はジェルクッションのようなものを下に敷いてみても良いかもしれません。

CPAPの設定を調整してみる

CPAPの機種にもよりますが、呼吸しやすいように息を吐くときだけ圧を弱める機能を搭載したCPAP装置が増えてきています。音に敏感な方のなかには、この「圧を弱める際の機械音が気になる」という方もいらっしゃるようです。

医師に相談しつつ、治療に支障がないレベルで、CPAP の設定を調整してみると良いかもしれません。

静音設計のCPAPにする

上記を全部試してもうるさい場合は、CPAP装置のなかでも音が小さいことで定評がある機種を使用することをオススメします。

2022年11月時点で、静音設計のCPAPといえば、ResMed(レスメド)のAirSense10。

メーカーによると、騒音レベルは26.6dBと、ささやき声よりも静かです。

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マスクやチューブがうるさい場合

では次に、CPAP装置からではなく、マスクやチューブからノイズが発生しているケースを見てみましょう。

マスクの空気漏れをチェック

顔の近くから音がするなぁ…。

という場合は、まずマスクの空気漏れ(リーク)をチェックしましょう。

マスクからの空気漏れは、マスクを正しく装着することで改善することもあります。

空気漏れはノイズの原因となるだけでなく、効果的なCPAPの治療を妨げる大きな要因のひとつでもありますので、今一度、マスクのマニュアルをしっかり読んで、マスクの装着手順を確認してみても良いかもしれません。

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次にチェックしたいのが、マスクのクッションの汚れや劣化

皮脂が付いていたり、クッションのシリコンが劣化していたりすると、どうしても空気漏れしやすくなります。また、クッションを取り付けるマスクフレームにヒビが入り、ノイズの元となることもあるようです。

定期的なクリーニングとパーツ交換で、空気漏れもノイズもおさまるかもしれません。

静音設計のマスクに変えてみる

マスクにも、ノイズが少ないことで定評がある商品があります。

静音設計のマスクには、空気が排出されるエアベントに工夫をこらすなど、さまざまな技術が搭載されています。

以下は音が静かなことで定評があるマスクです。

マスクのタイプを変えてみる

設定圧が高い場合、鼻ピローマスクや小さめの鼻マスクだと空気が漏れやすく、音が気になる場合があります。

医師に相談が必要ですが、フルフェイスマスクの方が、圧が分散される分、空気漏れしにくく、音が小さくなることもあるようです。

チューブの空気漏れをチェック

ノイズの原因がCPAP装置本体でもマスクでもない場合は、チューブを疑ってみましょう。

CPAP装置をオンにして、チューブとマスクやCPAP装置との接続部分に手をかざして風が出てないかチェック。

また、長年同じチューブを使っていると、劣化してヒビが入り、そこから空気が漏れてノイズが発生することもあります。一般的には6~12ヵ月毎の定期的な交換が推奨されています。

ホワイトノイズマシンを併用してみる

前述の通り、流通しているCPAP装置のノイズレベルは30~40dBと、ささやき声と同じくらいなのですが、それでも、音に敏感な方にとっては寝つけない原因となるでしょう。

そんな方におすすめなのが、ホワイトノイズマシン。

ホワイトノイズとは「すべての周波数帯域の音が均一に含まれる音」のことだそう。

例としてよく挙げられるのが、放送終了時のテレビのザ~っという砂嵐の音です。赤ちゃんを寝かしつけるのに良いという説もあるようですね。

そんな安眠効果を狙ったホワイトノイズマシンがさまざまなメーカーから発売されています。ホワイトノイズがCPAPの音をかき消してくれて安眠できる効果も期待できるようです。

さいごに

以上、CPAPがうるさい原因とその対処法について見てきました。

CPAPは質の良い睡眠のための機械ですから、CPAP装置の音のせいで眠れないなんて本末転倒ですよね。

また、CPAPの治療効果を得るためには、一晩で4時間以上の装着が必要という研究データもあり、ノイズ対策はかなり大切かと思われます。このコラムが、皆さまのCPAPのノイズ対策の一助となれば幸いです。

ちなみに、CPAP LABの公式ツイッターで「CPAPのノイズ」についてアンケートを取ったところ、半数以上の回答が「ノイズは気にならずよく眠れる」という結果になりました。

これからCPAPを始める方は「CPAPうるさくないの?」と不安かもしれませんが、必ずしもうるさいわけではなく、お手入れや設定、ピッタリのマスクが見つかるかどうか次第と言えるかもしれません。

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