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CPAP治療‐加温加湿器を使うとメリット多数!

「鼻、口、唇が乾燥する」
「鼻がつまる」
「のどが痛い」
「鼻血が出る」


特に冬場によくお聞きするCPAP治療に伴う鼻や口の悩みは、専用の加温加湿器を上手く使うことで改善される場合もあります。

しかし、ツイッターなどに投稿されたCPAP(シーパップ)装置の写真を見ると、加温加湿器を使っていない方も結構いらっしゃるようでした。

そこで、乾燥によりツラい症状が起こるメカニズムや、加温加湿器の使い方のコツなどについてまとめてみました。

CPAP治療 – 乾燥による口や鼻のトラブルはなぜ起こる?

空気が冷たくて乾燥する冬は、普通に生活していても鼻がつまりやすくなります。
これは体が本来持っている生理機能がちゃんと働いているから。
鼻の粘膜は「空気が冷たいな、乾燥しているな」と感知すると、膨張して通り抜ける空気を少なくしようとします。

そうすることで、体内に取り込む空気の温度と湿度を調整しやすくして、冷たく乾燥した空気から気管支などを保護しているのですね。

CPAP装置は、普通の呼吸よりも強い圧で空気を送り込み続けています。
その空気が乾燥していたり、冷たかったりすると、体を守ろうとして鼻の粘膜は平時よりも更に膨張しやすくなると考えられます。

また、CPAP治療中に鼻がつまると、口から空気が漏れやすくなり、CPAPの治療効果を下げる原因ともなります。この口からの空気漏れはCPAP利用者の約4割が経験するともいわれています。

こういったCPAP治療中のトラブルを解決するために開発されたのが加温加湿器。

より質の良い睡眠をとるためにも、CPAPの治療効果を維持するためにも、加温加湿器を上手に利用して、湿度と温度を調節することはとても大切です。

加温加湿器が活躍するのは冬だけじゃない

空気の乾燥が起こりやすいのは冬、というイメージですが、CPAPの加温加湿器を1年中使っている方もいます。

CPAPの加温加湿器はどんなシチュエーションで活躍するのでしょうか。

圧の設定が高い

CPAPの圧の設定が高い場合、送風の勢いが強いので、季節を問わず鼻と口が乾燥しやすくなります。

花粉の時期

花粉症の方にとって、花粉の時期はCPAPの継続が辛い時期です。
加温加湿器を使うことで、鼻づまりを軽減できる場合もあります。

冷房を長時間使う

夏でも冷房をよく使うと部屋の空気が乾燥して、口や鼻の乾燥や鼻づまりといった冬と同じような副作用がみられる場合があります。

そのほか、海外など乾燥している地域に滞在する場合は加湿が必要になることもあるでしょう。
空気が乾燥している時や、鼻づまりがある時は、加温加湿器を使うことで症状が和らぐことがあるので、お悩みの方はぜひ検討してみてください。

CPAP加温加湿器の仕組み

ほとんどのCPAP装置には、専用の加温加湿器が用意されています。
機種にもよりますが、CPAP装置に外付けするタイプ、一体型などがあります。

CPAPの加温加湿器の仕組み自体は非常にシンプル。
基本的には以下のような手順で使えます。

※以下の写真は例としてResMedのAirSense10を使用。

①チャンバーと呼ばれる給水タンクに精製水を入れる。

②チャンバーをCPAP装置にセット。

③加温加湿器のヒータープレートが水を温め、水蒸気が発生。

④加湿された空気がチューブを通って供給されます。

これに、「加温チューブ(ヒーテッドチューブ)」という加温機能が付いたチューブを併用できる機種もあります。加温チューブは、加湿器と併用することで結露を防止するとともに、適切に加温加湿した空気を供給します。

加温加湿器を使う際のコツ

精製水を使う

ほとんどのメーカーが精製水の使用を推奨しています。

とはいえ、コロナ禍など医療品ひっ迫で精製水が入手困難になったときなど、どうしても手に入らないときは、水道水の代用もOKとされているようです。

小まめにクリーニングする

加温加湿器のチャンバーは雑菌の繁殖を防ぐため、毎日水を捨てて洗い乾燥させましょう。

特に、水道水を使用した場合、毎日のクリーニングは必須。
もし、白い粉のようなもの(ミネラル分、カルキ)が付着していたら食用酢で洗浄しましょう。

CPAPのクリーニングのコツをまとめた記事もぜひ参考にしてください。

予熱機能があるマシンもある

寝る直前にCPAP装置をオンにすると、加温加湿器を使っていても、使い始めは乾燥した冷たい空気が供給されます。

その不快感を解消できる「予熱機能」があるCPAP装置もあります。
かかりつけ医に相談しつつ、機能を使いこなしましょう。

部屋の温度と湿度も調整する

これはCPAP専用の加温加湿器がない場合にも使える方法です。

エアコンなどの暖房と、一般的な加湿器を利用して寝室の湿度と温度を調整します。
冬場ですと、暖房の設定温度は18~22度、湿度は50~60%くらいがおすすめ。
湿度の調整には、濡らしたバスタオルを空調の近くに干すのでもよいでしょう。

部屋の空気を温めることで、チューブ内の結露も起きにくくなります。

飛行機内では加温加湿器は利用できない

CPAP装置は、航空会社にもよりますが、飛行機内で使用することも可能になってきました。

しかし、加温加湿器の飛行機内での利用は基本的に推奨されていません。というのも、飛行機の揺れなどでチャンバー内の水がCPAP装置やチューブ内に入ってしまう可能性があるからです。

飛行機などでCPAPを使う際は、かかりつけ医に使い方などを相談してみることをおすすめします。

また、同じ理由で飛行機以外でも、移動中など不安定な場所で加温加湿器を利用するのは控えた方がよさそうですね。

水不要の加湿器が使えるCPAP装置も

CPAP LABでは、基本的に加湿器込みでCPAP本体セットを取り扱いしています(ドリームステーションGoの本体セットのみ加湿器は付属していません)。

そんななか、最近問い合わせが多いのが、AirMini トラベル

世界最小クラスを誇るレスメドのCPAP装置なのですが、注目ポイントは水不要の加湿システム「HumidX」と「HumidX Plus」が使えること。

HumidXという特殊な加湿器をマスクと本体のコネクター部分にセットするだけで、自分が吐いた息に含まれる湿度と熱をキープし、吸い込む空気に湿度と熱を加えるという仕組みです。

精製水を用意する必要がなく、飛行機など不安定な場所でも利用可能。
出張が多い方に絶大な人気を誇る機種です。 詳しくは以下の製品解説記事でご紹介しておりますので、ぜひチェックしてみてください!

【徹底解説】レスメドAirMiniの「簡単」使い方

【マスク付き】すぐに使えるフルセット仕様

【本体のみ】旅行にも普段使いにも!さらにお求めやすい価格!

さいごに

以上、CPAPの加温加湿器を使うメリットとコツについての解説でした。

加温加湿器を利用すると、精製水を用意したり、クリーニングしたりなど、手間は多少かかりますが、その分「CPAP睡眠」の質はかなり上がるはずです。

口や鼻の乾燥などに悩んでいて加温加湿器を使っていない方は、ぜひ、かかりつけ医に相談してみてくださいね。

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