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【Chicago Booth】2年間の学び:Strategic Management

前回のリーダーシップに引き続き、Boothでの2年間でどんな学びがあったかを整理してみたいと思います。

今回は卒業時に取得予定の2つのConcentrationsのうち、Strategic Managementに焦点を当ててみます。

Boothの2年間で履修した21クラスのうち、Strategic Managementのカテゴリーに属するクラスは以下7つになります(履修順に記載)。

・Corporate Governance
・Consulting Lab
・Competitive Strategy
・Technology Strategy
・New Venture Strategy
・Strategy and Structure
・Platform Competition

入学前から戦略については広く深く学んでみたいという思いがあったため、その通りの履修が出来て大満足です。但し、個々のクラスの学びは非常に多岐に亘るため、ここですべてを整理することはできません(し、そもそも消化できているかもかなり怪しいところです)。そこでこのnoteでは、Strategic Managementに関連するクラスを複数履修して自分なりに感じた「戦略的に物事を考えること」について整理してみようと思います。

結論から始めると、自分なりに「戦略的に物事を考えること」を、以下4ステップに整理することが出来ました。

① 現状をデータと事実を元に
② 理論とフレームワークで整理し
③ ロジックを組み立て
④ 将来に対するより良い判断をすること

現状をデータと事実を元に

まずは現在地を理解することからすべてが始まります。その際、なるべくバイアスや感情的なレイヤーを排除し、客観的な事実やデータに基づいて判断することが必要です。その際に、データの質をどう判断するかについても、例えばNew Venture Strategyという授業でしっかりと学ぶことが出来ました。

また、重要な学びとして、「データや事実を100%集めきることは不可能」という、ある種当たり前のことがあります。情報の量/質と、判断のスピード/質のトレードオフをどのタイミングで見切るか、というのが非常に大切、かつ難しいところです。

ケーススタディを通じて、データや事実に基づいた現状理解、判断材料としてのトレードオフ、時間的プレッシャーがある中での情報収集、といった能力をトレーニングできたと感じています。

理論とフレームワークで整理し

Boothでは、Strategic Managementに属するクラスに限らず、常に理論、背景知識、フレームワークを元に物事を考えるように促されました。表面的な結果やノウハウだけを教えるのではなく、その背景にある理論まで遡ることで、多様な状況に対応できる思考力が身につく…という思想の元、クラスではしっかりと時間を割いて理論や背景知識、フレームワークの説明がありました。

勿論、表面的にフレームワークに頼りきりになるのは、応用力や適応力という意味で危険なのは十分承知しています。その上で、時の流れに耐えた理論、研究結果、それを一般化したフレームワークを考える上の軸として持っておくことは非常に有用だと感じています。

この様に、考えるうえでの筋道建て、整理の仕方は、戦略的に問題に取り組むうえで非常に大切です。私の場合、ケースディスカッションや、ケースライティングを通じて癖付けを図っていました。

ロジックを組み立て

Strategic Managementのクラスで取り上げたテーマには、明確な答えがないものが殆どです。

例えば、Aという事業領域に参入すべきかそうでないか。最終的に、教授の考え方が示されたり、ケーススタディでは実際に企業がどのような選択をしたのかが紹介されることはあっても、「これが正解」という形で何かが提示されることはほぼありませんでした。

逆に、その結論に至るまでにロジックや、なぜそのように考えたのか、という部分については、ケースディスカッションや試験でも厳しく評価されていたように思います。

そもそも結論に至るまでのロジックに何かしらの不備や、不足がある場合、その結論自体が誤っている可能性が高いため、ロジックを突き詰めることが妥当な結論を導き出すための必要不可欠なステップだということは言うまでもありません。

それに加えて、私がビジネススクールの2年間で痛感したのは、ロジックの無い結論は独りよがりであり、人に説明できないため、チームや組織を導くことが出来ない、という側面です。

逆説的ではありますが、例えばケースディスカッションやケースライティングをグループで行う際、私の拙い英語であっても、きちんとロジックを構成し、結論と理由付けを構造化して伝えられた時には、明らかにその意見の扱われ方が異なりました。如何ににロジックが大切か、人に物事を伝えるということはどういうことなのか、ということを考える本当に良い機会だったと思います。

将来に対するより良い判断をすること

ひとつ前のの話とも関連しますが、戦略的な判断に正解不正解はありません。加えて、意思決定の精度を100%に高めることも不可能です。如何にベターな判断ができるのか、という視点を持てたことは一つ大きな収穫でした。

また、New Venture Strategyで一つ印象的だったのが、「ファクトとジャッジメントをしっかりと分けること」の重要性です。ここまでが事実で、これが自分の意見です、という切り分けをしっかり持っておくことは、人に説明するときにも極めて大事ですし、意思決定の精度を高めるうえでも大切だと感じました。

最後に、意思決定の質や、精度を高めるためには、多様な意見と建設的な議論が必要不可欠であるということも忘れてはいけません。様々な角度から検討され、磨かれた意見こそが重要であるということは、殆どのクラスで強調されていたことでした。

まとめ

書き下してみると、当たり前のことや、よく世間一般で言われていることと似ていると感じますが、繰り返し様々なモジュールや、クラスで訓練し、深く腹落ちした、という意味で、重要な学びだったと思います。

また、自分の中に一つ、思考する上での軸が持てたことは、今後卒業してからも様々な場面で役に立つと感じています。

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