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animate-命を吹き込む-


「久しぶり。。また。。会えたね。。。」


オタク高校生である安芸は、ある日桜舞い散る坂道である少女と運命的な出会いをする。その出会いにインスピレーションを受け、彼女をメインヒロインとするギャルゲーの制作を思いつくのだが、運命的な出会いをした少女は安芸と同じクラスで特に目立たない普通の高校生・加藤恵であった。安芸は加藤をゲームの中の絶対的ヒロインすると決意し、育てあげていくアニメ「冴えないヒロインの育て方」


運命的な出会いに興奮しギャルゲー制作に着手するが、自分が出会った絶対的ヒロインと冴えないクラスメイトの加藤恵とのギャップに落胆し、再び安芸は出会いを果たした坂道にかつての面影を探しに行く。

「やっぱただの坂じゃん」

とつぶやく。満開の桜も、空を舞う帽子も、坂の上に佇む白いワンピースのヒロインもいない、と運命の出会いをした坂道で安芸倫也は呆然とする。眼鏡のレンズの先には何も変わらない、いつも通りの坂道。

「終わるのかな。俺の夢。ここで始まって。。。ここで」


すると、白いベレー帽が宙を舞いその行く末を目線で追う。安芸の前を転がり、はっとする。見上げると、ブワァーーと嵐のように桜が舞い散り、その中から挿入歌とともに白いワンピースを身に纏った最強のヒロイン・加藤恵が坂の上に佇んでいた。

「久しぶり。。また。。会えたね。。。」

と、加藤は笑顔でつぶやく。最強のヒロイン加藤との再会だ。

「あなたの理想の女の子はこんな風に話して、動いて、こんな風に恋に落ちたのかな。。。?」

安芸の理想としていたギャルゲーのヒロインがそこにはいた。

「合格かな。。。?」

と加藤が安芸に問う。


挿入歌である「M♭」がこの一連のシーンを待ち望んでいたかのように、祝福と希望を与える。やはり、アニメとは音楽あってのものであり、どちらが欠けてもダメだとこのシーンで再確認した。音楽と映像が組み合わさり、第六感を刺激する。挿入歌を聴いただけでシーンやセリフが浮かんでくる。まさに”animate”つまり”命を吹き込む”である。映像と音楽がキャラクターを彩り、生命を吹き込んでいるのだ。








最後まで読んでいただきありがとうございます!! 東海道中膝栗毛の膝栗毛って「徒歩で旅する」って意味らしいですよ