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コロナに負けるな/いわれなき中傷被害が広がらないように

連日のようにコロナウイルスの感染者数の更新が続きます。

国の行動よりも、東京都知事をはじめとする各都道府県の首長の行動の方が、迅速であり、現場の想いに近いと感じるのは私だけでしょうか?

愛知県や京都府は、国に対して「緊急事態宣言」の対象に加えるように要請するものの、国の方が対応を渋っている状態も目にします。

熊本市の大西市長は、いわれなき中傷被害に対して、熊本県の支援策に市として上乗せをするという、現場の人たちに想いを寄せた積極的な活動をリードしています。

いわれなき中傷被害の発生


熊本

熊本インターから3分の場所に温浴施設「ピースフル優祐悠(ゆうゆうゆう)」があります。

施設名を明らかにた上で、「3月25日(水) 新型コロナウイルスに感染されたお客様が当施設を利用されたことが確認されました。」と公表したところ、「ちゃんと消毒したのか!」といった苦情を含む電話が何時間も鳴り響いたそうです。

その後も、従業員の子どもが保育園通園を拒否されたり、家族が出勤停止を命じられたりするという事態も起きたということです。

施設名公表による風評被害よりも、感染拡大に貢献するという社会的使命を優先した英断に対して、なんとも心無い反応でしょう。

実際、施設名公表によって、利用者3名の感染が確認されるなど、早期発見や拡大予防につながりました。

「ピースフル優祐悠」は、施設内の消毒も完了し、PCR検査を受けた従業員全員の陰性も確認されました。

その上で、九州自動車道などでつながる近隣の福岡県で出された緊急事態宣言による利用者の心情にも配慮して、5月再開に向けて準備を勧めています。

施設名公表後の心無い反応に苦しめられた一方で、施設に届いた応援のメールなどが励みになっているとのことです。

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行政が支援に動き出す

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熊本市の大西市長は、深刻な風評被害の発生を受けて、実名を公表した施設への支援策を発表しました。

経営面や人権擁護など最大限の支援を行うとして、市の支援策として、実名を公表した事業者が県の融資制度を利用する場合に利子の一部を肩代わりするほか、国による休業補償の助成金に市が独自に上乗せすることを発表しました。

社会的な使命を果たそうとした「ピースフル優祐悠」のような方々に対して、行政も特段の対応をもって支援する。…それでこそ首長です。

ちなみに、大西市長は、「必要な会議や記者会見などがあれば登庁する(10~15分で登庁可能)」として、市長自らが当面の間、在宅勤務をしています。

「在宅勤務は感染拡大予防に極めて有効な手段。市長が率先し、市民に不要不急の外出自粛の必要性を改めてご理解いただきたい。テレワーク推進のきっかけになればと思う。(4月2日記者会見)」と、Stay Homeをリードしています。

心の弱さにはびこるウイルス

コロナウイルスという見えない敵に対して、疑心暗鬼になったり、エゴが出てしまうということは人間の心の弱さとしてあり得ることだとは思います。

しかし、医療従事者家族に対する「コロナいじめ」という耳を塞ぎたくなるよな風評被害や差別すら発生しています。

もちろん氷山の一角なのだとは思いますが、「いわれなき中傷というウイルス」が蔓延しないように、他の人に起きたことを自らのこととして受け止めて「優しい気持ちで支え合う思いやりのマスク」と、万が一、中傷被害が発生した時には、「発生した被害を迅速に手厚いサポートでケアするという医療」が必要だと思います。

コロナウイルスも怖いですが、それよりも怖いのは人々の心の弱さにはびこるウイルスかもしれません。

<写真>
・温浴施設「ピースフル優祐悠」(出展:ホームページ)
・ピースフル優祐悠の村上支配人(出展:西日本新聞)
・熊本市の大西市長(出展:FNNプライムオンライン)


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