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稽留流産からの自然排出レポ

稽留流産とは、お腹の中で赤ちゃんが亡くなったまま、まだお腹の外に出ていない状態をいいます。先月、私は妊娠8週目で稽留流産となり、手術を選択せずに自然排出を待ちました。

私は、稽留流産と診断を受けた時、医師に2つの選択肢を示されました。

①2週間くらい自然に排出されるのを待つ。

②子宮口をこじ開けて中身を取り出す手術をする。(麻酔で日帰り〜1泊。中絶手術とほぼ同じ手順。)

私は①の自然排出を選びました。流産を告知されてからすぐに、どっちにするか問われ、深く考えもせずに「よくわからないけど、流産は重めの生理みたいなもんだろうな、手術はイヤだな。」と思ったからです。

しかしながら、稽留流産の自然排出に関しては、あまり情報がありませんでした。そんな中、職場で大出血して大変だったというレポを見つけ(こういう特殊な事例に限って、バズりやすいので目につきがち)、私は不安な待機時間を過ごしました。

いつ出てくるのか、どの程度の大きさの、どんなものが出てくるのか、流産がはじまる前兆はあるのか?

そういった情報が不足したままの待機は、非常に不安なものでしたが、同じ境遇にあった方のブログ記事は参考になりました。そこで、私のケースに関しても、共有したいと思います。

出血など、グロテスクな表現が苦手な方は、以下の記事を読むのをおやめください。また、リンク先にショッキングな画像を含みます。

私のケース

まず、私の大まかな状況に関してです。

●30代後半。2年前に出産経験(経膣分娩)あり、他に妊娠歴なし、不妊治療歴なし、手術歴なし。3cm程度の漿膜下子宮筋腫あり。

●お腹の中の子は、6週目で心拍を確認したが、8週目の健診で心拍停止が確認された。胎児の大きさ4mm(6週程度)で成長停止。8週の診断から3日後、自然排出に至る。

以下が、スケジュールです。

11/5 最終月経開始日

12/11 妊娠検査薬で陽性確認。

12/18 6w1dで初診。心拍確認、CRL(頭臀長):2mm。「ちょうどいい大きさですね」と言われる。悪阻は上の子の時と比べて軽く、空腹時に少し気持ち悪くなる程度。

12月末に旅行と親戚巡り。胎児の大きさ的に、おそらく旅行前に胎児は死亡していたと思われるが、悪阻は流産前日まであった。

1/4 8w4dで2回目の妊婦健診。心拍停止、CRL:4mmで発育停止。稽留流産を告げられる。

1/5 夜、茶色のオリモノを確認。他の人のブログを読むと、茶色のオリモノ確認から2日程度で排出が起きるケースが多く、覚悟をする。また、これに前後して妊娠に伴う便秘がおさまり、下痢が始まる。私は毎回生理の度に下痢をする傾向があり、いよいよくる予感がした。

1/6 おそるおそる仕事で出勤。オリモノに鮮血が混ざり始めるが、普通のナプキンで余裕の状態。腹痛はなし。夜寝る時PM10:00に重い生理痛を感じる。陣痛のように10分おきにお腹がキューっと痛くなる(下痢の痛みと区別がつかないくらい似てる)。しかし、眠いので痛みを無視して寝た。

1/7 AM6:00 朝起きて、トイレでいきむと生理程度に出血。多い日の昼用ナプキンをあて、30分おきにトイレに行く。AM7:30頃、水風船のような胎嚢(約4cm)を排出。3時間後、大きめの子宮内膜(約5cm)を排出。いずれも排出する時はヌルッという感覚で痛みはなし。以下、この日は生理2日目程度の出血。昼に病院を受診。エコーでは、まだ内膜が残っていると言われる。排出した胎嚢を病院に提出。

1/8〜9 生理3〜4日目程度の出血。痛みはなし。

1/10 少し軽い腹痛があってから、2cmほどの塊を排出し、以後はうっすらとした出血が続く。

1/18 診察。前回提出した胎嚢の診断結果として、「胞状奇胎」のようなあらためて子宮内を手術できれいにしなければならないような所見はなかったので、これで終わりですと告げられる。胎児の死亡原因などは、特に調べられなかった。

2/5 通常の生理開始。この日まで、うっすらとした出血が続いた。生理が終わってからは、出血も完全に止まり、いつも通り。

終わっての感想

全体的に、普段の生理とあまり変わらない印象で、胎嚢が出た時だけ、「なんだろ?この風船みたいのは?」という感じでした。

あまりに、普段の生理と変わらないので、もし生理周期が不順だったら、妊娠してたことすら気づかずに、ほぼ普段の生理として過ごしたと思います。

出てきたもの

胎嚢は、4cmくらいの少ししぼんだ水風船のようなものでした。水族館で見た、サメの卵の標本を思い出しました。下の写真はサメの卵の標本です。

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海外のサイトには、いくつか画像がアップされていたので、興味がある人だけ、リンクをクリックしてください。*リンク先の写真は私のものではありませんが、似たような感じでした。グロテスクな画像だと思います。ご注意ください。

(胎嚢:画像へのリンク

(子宮内膜のかたまり?:画像へのリンク

どれくらい待つのか

助産師さんの動画によると、待ち時間は、1ヶ月待つことはザラにあるが、2か月は待たないという感じらしいです。

私の場合、大きさ的に胎児は6週後半あたりに亡くなったと仮定すると、3週間お腹に留まったことになります。2回目の妊婦健診が、年末年始の休みに被って遅くなったため、たまたま診断が遅れて待機期間が3日で済みましたが、健診の日程の入れ方によっては、10日間ヒヤヒヤしながら過ごす所でした。

流産はいつ来るかわからない。この待ち時間がストレスな場合は、手術の方がいいそうです。なお、海外では、妊娠中絶の薬を飲むことで排出を促す方法が一般的ですが、残念ながら日本では薬が認可されていません。

前兆はあったか

他の方のブログを見ると、茶色のオリモノから2日前あたりに排出に至る人が多いようでした。私もこれは同じでした。なお、悪阻は流産の前日までありました。

手術を選ぶか、自然排出を選ぶか

子宮筋腫や持病のために大量出血のリスクが高かったり、胎嚢が大きいと、手術を勧められることがあるそうです。この場合、主治医の意見に従うべきでしょう。

主治医が、両方の選択を提示した場合、どちらを選んでも間違いではないと思います。

いつ流産が起きるか、待機時間が不安でしょうがない人や、結婚式などトイレに頻繁にいくのが難しい予定を直近に入れている場合は、手術で早く済ませてしまうのもありだと思います。

参考になった情報源

子育てママは、アメブロのユーザーが多く、アメブロで #稽留流産 のハッシュタグで検索したら、いろいろな体験記が出てきました。

助産師HISAKOさんの動画は参考になりました。

https://www.youtube.com/watch?v=-pqycEeNDDw

amazonでも書籍を検索しましたが、弱った心につけこむスピリチュアルな本が出てきただけなので、おすすめの本はありません。

メンタルのケア

最後になりますが、流産による精神的ショックについて一言ふれさせてください。

まず、初期の流産は、ほとんどの場合、胎児に遺伝子の異常があっために起きます。下の表の通り、30代後半では、約3割の子が初期に流産してしまうので、決して珍しくないことです。

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実は私は友人が何人か流産したのもあって、このことを知っていました。しかし、あらかじめ知っていても、「年末に旅行いったから?」「赤ちゃんがなくなった頃、私は何をしていたっけ?」と自分の行動に問題がなかったか、振り返っている自分がいました

流産の確率が、それなりに高いことを知らなかったら、あるいは、これが初めての子どもだったりしたら、もっとショックなことだったと思います。私の知り合いにも、流産のショックが元でうつ病になってしまい、仕事を辞めた人もいます。

産婦人科医向けのマニュアルにも、「患者は妊娠中の自分の行いを責めてしまいがちであるから、説明に気をつける。」というような文言があるくらい、流産した妊婦さんは自分を責めてしまいがちです。

私は、自分の行動を責める自分と、確率的に仕方がないとドライに割り切ろうとしている自分の間で揺れ動きながら、1週間くらいして気持ちをだんだんと落ち着かせていきました。この、「確率はそれなりに高い、仕方がない」と割り切るのは、精神的なショックを和らげるのに役立つ考え方でした。

この記事を読んでいる方の中には、稽留流産と診断されて、ショックを受けている方もいるかと思います。精神の落ちつけ方はそれぞれで、「確率的に割り切る」「わりとみんな経験しているから」というのが、合わない方もいらっしゃると思います。しかし、私のうつ病になった知り合いを見て思うことですが、どうか自分を責めることだけは避けてください

長い記事でしたが、お読みいただき、ありがとうございました。


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