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冷凍庫のような身体の鉛を宙に浮かして穴へ沈んでゆく感覚に浸ってこわれた布のヌード雑誌でモザイクが解禁したのをわたしは昨日の夢で知ったばかりなのでそれを求めて布の一番底の怠惰まで彷徨う石の重みで目が覚めてしかし這い蹲る液体の少し前の夢に這う


ことばと向き合ってみたいかもしれん
そう思って俺は落書きしかしてこなかった現代文のノートに初めて文字を書いてみる

α.帯化する蘂
喉に付着した こもる 吃る 剥かれる また溶る 夢に這う
布団の中の帯 脈打つくだ だえき 精液 腑 の 脳髄 の 、胃液の蠕動 の 感覚が内側に噛み砕けないまま嚥下してもがく悶え苦しむので俺は突き破るようにドアを蹴りやがって草道の干からびた草の死骸のクマリンの匂いの薄れた記憶の汁のないかわいた草が夕方の萎びた日光を浴びて吐き出して浴びて吐き出して寂れて浴びて吐き出して呑み込もうとするが俺の身体で破損して劣化して噴射したのを反射的に閉じた手で樹形状の帯の律動の先端に触れようとしてわたしの肉を感じるあなたの細胞の、汁。

言葉を拾う
•呼吸する肌
•ぬめり
•ヒドロ虫類の刺胞
•かわいた唇にしみこむあなたたち
•汁 
•塩漬けの体液

お前の態度ムカつくんだよ。なんかわかんないけどムカつく。そう言って栗林はその丸い眼鏡でこちらを蔑視し、洒脱な襟元の頚飾を俺に威嚇するような仕草で小指の先端の淵の端でピン!ってやって、そんで俺のやってることがなんか急に恥ずかしくなってきて、でも俺の存在というか態度はムカつくみたいなのは自覚があったので実は一番深いところで傷ついていたのに試験に遅れそうだ。中学の頃の友達と大学のアイツと高校のアリを潰した貴様が並んで突っ立っていて、しかも紙喰った時みたい不定形で

魑魅魍魎という文字


β.熱を帯びた不完全菌類
テレビで亀のニュースがやっていた
ハイドロフォービンの糸状の組織が今にもしなやかな吸水を伴い、笄蛭が脊髄に這う。えぐみがとれないナマコの内容物を咀嚼しても何故か形が不完全なので貴様がぐねぐねと胃袋を掴む、手の中にはひるねしたあとの匂い、古い虹の歌がしつこく部屋に染み込んできて、俺は手を擦り合わせるんだけど、なんだよこれ、ホコリみたいに離れないし発泡スチロールの鱗が、もうこれ一生離れなくなるんじゃんかと思って剥がすためにコロコロを取り出すも電子を帯びたように離れなくて、てかたぶん帯びてて、ポリスチレンのピキ〜っておとが耳に付着してそんで空間も回転するんで、絡まっちゃった思惑を片結びして、雁字搦めの床に墜落飛行した。声の隙間にいるいきものちゃんの断片を拾いながらかき集めるけど砕けて形にするには時間がかかってもうどうしようもなく突っ立ってた。

「お前を友達だと思ったことはなかった」
がいつも頭に響いて離れなくてループしてディレイしてそれでキャパくなっちゃって俺は教室へ向かう前に全てを諦めた。俺は泣いて暴れたかった。モルタルの中に閉じ込められているような感覚になり、ぬいぐるみを求めて布団の中をまさぐってやっぱりここは教室だった気もしてきて薄暗い電子黴の筒状の仏炎苞に塩漬け管状組織

全部記号問題だしいけるっしょという声

俺は何故かマークシートを塗りつぶしていて、しかもそれがよろよろと蠢くんで、俺はおかしいと思って一番嫌いな教師の首元にえんぴつを投げた。また泣けなかったし

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