ふるさと未来会議まとめ(まんなか)
田舎の価値観と都市部の価値観
昔々、洛中洛外の外側はすべて田舎という定義があります。それでいけばほぼほぼ田舎、東京も田舎ってことになりますが、ここでは人口密集地域を都会として、人の少ないところを田舎とします。
コロナの影響で田舎の価値が上がるということを放送で言いましたが、相対的にあがるということで、実は都会が都会の価値を自らさげていくことになるのであろうと予測しています。実は田舎の価値変わらずそのままです。
3密の環境を避けるためにはやっぱり田舎がいいよねー。ってなることが果たして地域のためになるのでしょうか??
例えば、決めつけますが・・・田舎のキャンプ場でゴミをそのままにして帰るDQNって都会の人じゃないですかー。都会は心優しい人が多い分、心ない人も多い。そんな中で、田舎に多数決の原理を持ち込んで荒らさないでほしいという願いがあります。(おもいっきり決めつけですね。)
先日、とあるクレームの話を耳にしました。地域で大切にされている巨木があり、その巨木がよく見えるようにと周りの環境を整えられました。すると都会の人からは「景観が台無しだ!」「見に行く価値がなくなった!」と抗議があったそうです。地域は景観を良くしたつもり、でも都会の評価は最悪。水掛け論だと思います。
しかし、地域の人はその地において、生活があります。毎日、同じ風景を見られています。都会の人は1年に1回来るか来ないかの人です。地域の人のことをないがしろにして「あそこはダメだ!」と言いふらされたら、地域の人の気持ちはどこに置けばいいのでしょうか。歩きやすいように、橋をつくり、見えやすいように周りの木を切って巨木を目立たせる工夫をされただけなのに、「自然を愛していない地域の人」というレッテルが都会の価値観で貼り付けられる。こんなことが全国各地であるのでしょう。北陸新幹線を京都府の山間部に通すという計画があります。当事者の気持ちは都会の人にどれほど伝わるでしょうか。地域の人の声を借りれば「文句があるなら、草刈りに来てから言えや。」とのことです。
「ありがた迷惑」「小さな親切大きなお世話」といった言葉は主語や行為の捉え方によって、感情は変わります。
コロナにより、都会と地方のパワーバランスは崩れていくと思われます。都会でないと仕事がなかった。出来なかったということはオンライン、リモートワークにより必ずしも都会である必要はなくなります。QOL(quality of life)向上のためには都会ではなく地方で、田舎で暮らすといった人口の移動ベクトルが田舎に向くことになるでしょう。世の中の急激な変化によって価値観の見直しが行われて、田舎なのかor都会なのか といった天秤が左右に揺らめくタイミングなのだと思われてる人が多いのでしょうね。
しかし、この天秤的な考え方は間違っています。
そもそもどっちが重くて、軽くてという比較の問題ではないです。これだと今までと変わらない発想です。
田舎には田舎の軸。都会には都会の軸。がそれぞれ存在していて、独立して考える必要があります。「田舎はいいなー」という発想は都会が自ら都会の価値を下げているという自己完結型の比較で考えてもらいたいものです。「都会にいてる意味がなくなってきた。」と言い換えて比較してみてはどうでしょうか。
都会の価値観で田舎を値踏みする感覚は捨て去りましょう!
ヒエラルキー構造において、都会と田舎は順序や優劣はありません。「巨木に行く価値がなくなったわー」発言は、あなたの価値観においてであって田舎に責任はないのです。(ま、ないことはないですけど) キッパリと2軸があることを理解してお互いに尊重しないと私は考えます。
経済活動においての依存関係では都会に分があると思いますが、それが全てではなく田舎が田舎らしいアイデンティティを守ってきたからこそ、都会と違うから楽しめる環境があり、訪れたくなる魅力なのでしょう。そして都会があるから田舎は華やかさを楽しめるのだと思うのです。
都会のことを否定しているように書いていますが、都会の人の発想に「仕事場を田舎に持ち込むと田舎がアレルギーを起こすこともある」ということを知らない人が多いというか、尊重してない人が多いのだと感じるからです。そのへんのズレを理解し「覚悟」をもって、パスポートを準備してきてほしいですね。これは排他的とかそういうのではないです。「これだから田舎もんわー」となるかもしれませんが、都会と田舎のそもそもの軸が違うということを田舎もんも都会もんも認識して動くとアレルギーは軽減されるはずです。大げさかもしれませんが、田舎も大変なんですよ。
都会と田舎のちがいを楽しむ。そしたら地方創生ってのがうまくいくのではないでしょうか。そもそも金太郎あめ状態にしようというのが間違ってるんであって、どちらかを選べ!みたいなのは無理です。どうやって解決していくのか答えはないですが、いなかもんの主張は一旦ここで蓋します。
次回
異日常に出会う旅。
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