【中小企業の採用マニュアル】⑦採用フローの全体設計(前半)
今回から2回にわたってお届けするのは、「採用フローの全体設計」について。「求職者に出会う~内定あるいは入社まで」の採用の全体を設計をしていくというお話です。
1.採用3大お困りごと
採用は全体設計で考えなければ失敗するというお話です。現場の採用担当者の声を聴くと、採用にまつわる悩み事は大きく3つに集約されます。
採用活動における「3大困り事」は、確かに多くの企業が直面する問題です。しかし、これらの問題に個別対応するだけでは、採用全体としてうまくいかないことが多いのが現実です。
スタートからゴールまで、どこか一ケ所でも ✖がつくと全体が0点になってしまうという非常に難しい性質を持っているのが、採用という企業と学生の恋愛なのです。採用はまず「全体最適で考えること」が大切なのです。
2.母集団形成は大量行動
母集団形成は大量行動というのがひとつのキーワードです。かつては、大手ナビサイトに投資をすれば、数百人規模の学生が集まるという古き良き時代もありました。
そういう時代はもう終わり、多様化しています。その代表格がインターンシップ。では、インターンシップだけやっていればうまくいくのかというと、そういうわけにはいきません。
インターンシップは重要なチャネルの一つですが、これだけでは十分ではありません。加えて、以下のような複数のチャネルを組み合わせることが効果的です:
学生の多様性に合わせてマルチチャネルで大量行動をとることが、効果的な募集団形成の鍵となるのです。
3.複数のPDCAを回す
採用担当者から「今年は大学のキャリアセンターを強化します。」「来年は教授との接点を強化します!」という話を耳にします。1年に1つのチャネルに絞って強化するというのは、一見よく聞こえますが、1つのPDCAサイクルしか回っていない状況で、改善のスピードが限られています。
採用活動におけるチャネルを強化する際には、企業の規模や体力に合わせて、マルチチャネルで複数のPDCAサイクルを回す方がいいというのが私たちの見解です。
4.採用は恋愛:母集団形成は出会い
私たちは、採用というのは恋愛とそっくりだと考えています。
▲「採用恋愛論」というコンテンツでもお届けしています。
採用活動を恋愛に例えると、いくつかのプロセスが非常に似ていることが分かります。
例えば、母集団形成は、恋愛における「出会い」に相当します。企業と学生の出会いは、合コンや紹介などさまざまな形で行われますが、どちらも「出会う」ことが重要です。企業が学生にどのように出会いを提供するかが、採用活動の第一歩です。
選考プロセスは、恋愛における「デート」の段階と似ています。企業と学生が実際に面接やイベントを通じてお互いを知り、関係を築いていく過程です。食事やドライブに出かけて、相手の価値観や性格を深く理解するのと同じように、企業側も学生に魅力を伝える機会です。
このように、採用活動を恋愛のプロセスに重ねることで、学生との関係をより良く築き、双方にとって納得のいく結果が得られることを目指します。
5.採用は恋愛:内定出しはプロポーズ
内定通知を出すことは、まさに恋愛におけるプロポーズの瞬間です。この時点で企業が学生に「あなたを採用します」と告げ、学生も「この企業で働こう」と心に決める瞬間です。
その後の内定者フォロー期間は、マリッジブルーにあたります。婚約が決まり結婚までの間に、新しい決断に不安を抱くことがあります。学生が内定を受け入れた後も「この選択は正しいのか?」と不安を感じることがあり、マリッジブルーは、ある意味自然なこととも言えます。
企業としては、この不安を払拭し、「私の選択は間違っていなかった」と学生が自信を持って入社できるよう、しっかりとフォローアップすることが重要です。
6.採用は恋愛:個別対応が大切
入社というのは結婚に相当し、企業と学生が共に新しいスタートを切る瞬間。採用と恋愛を対比させるとそっくりで、これが何に生かせるかというと、「恋愛においてNGなことは採用においてもNGである」ということです。(みなさんの豊富なご経験を活かしましょう)
例えば、恋愛において複数の人に同時に告白することはあまりしませんよね。採用だと、それが当たり前のようにされています。
AさんにはAさんにふさわしい言葉、BさんにはBさんに刺さる言葉があるように、個別に対応していく方が求職者も「自分への関心」と感じて採用活動の成功率が高まります。
採用と恋愛を対比しながら考えると採用全体が上手くいくと念頭に置いて取り組んでみてはいかがでしょうか。
What's next?
第8回は、「採用フローの全体設計」後半ということで、いよいよ選考プロセス・内定者フォロー・内定辞退防止、そういったところに入っていきます。どうぞお楽しみに!
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「中小企業の採用マニュアル」を最後までご覧いただきありがとうございます!株式会社カウテレビジョン髙橋の助手・牛島が執筆しています。
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