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死ぬ時には元気がいる

先日、20代前半の女の子が吐き気で受診。
診察室入った途端、さめざめと泣き出した。

      いつも死にたい

「電車に飛び込んだり、リストカットしたり、首吊ったり、薬飲んだり色々やってきたけど死ねない。
ホントにいつも死にたい。
今日は過呼吸になって、電車内から引きずりだされるのに電車を止めてしまった…。
でも、しんどくないし、辛くもない。
だから精神科も行きたくない。行ったってお金かかるだけだし。
中学生から抗うつ薬始めて、高校生ぐらいで忙しくて通えなくて死のうとしながら生きてると。
でも、20歳超えてから「何かしてないと私死んじゃう」って思ってネイルの勉強始めた。
でも、なんか違うなぁって。
また、やっぱり死にたくなる。でも、それは私にとっては『普通』だから特に悲しみとかはないです。
今は、吐気が辛くて夜の仕事に差し支えるから薬がほしくて受診しました。
今日はホントに吐き気で辛いから、薬大量に飲んだりしません。死ぬ元気ないんです。」

彼女の言葉はとても正直で、でもそうするしかなかった、こう思って生きるしかなかった。
ご両親にも「そんな風になるのは、お前が悪いんだ」と言われてきたと。
「かわいそう」とか、「辛かったね」とか、そんな言葉もかけられないくらいの孤独の中にいる彼女が、ぽつりぽつりと話す言葉を聴くことしかできなかったんですが。

きっと、彼女はまた死のうとする。
そうすることで、自分が「生きてる」ことを感じているんだと。
そうなる前に、彼女が自己肯定感を上げられて、信頼できる人と笑顔で過ごせる日が来て欲しいと心から思います。

うっかり死んじゃダメよ。

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