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息子の友人

昨年12月に息子の友人が亡くなりました。

亡くなった息子の友人Oさんは93歳。
私の勤めるクリニックの患者さんでした。

息子とOさんの出会いは、3年前。
眼科に息子は眼鏡を作るために受診、Oさんは定期通院で来ていました。
息子が診察を終えて待合室に戻ってくると、Oさんはびっくりした顔で私に
「息子さん、あすかくんっていうのかい?うちの東京にいる孫もあすかっていうんだよ‼️」と、それは嬉しそうに話しかけてくれました。

なかなか会えない孫
うちも、茨城のおじいちゃんとは、なかなか会えない
2人は他人とは思えない距離感で仲良くなっていきました。

Oさんは、私の勤めるクリニックに定期通院にくるたびに「あすかくん、元気かい?」と気にかけてくれ、私の育児の悩みも聞いてくださいました。

旅行に行けば、2人の「あすか」に同じお土産を買ってきてくれたり。
お礼のお手紙を書くから住所を教えて欲しいと話したところから2人の文通がはじまります。

Oさんは元々、小学校の校長先生を務めた人格者です。
ですが、とても気さくな方で、戦争中の話や、先生をしていたときの話をしてくれました。
息子のダンスの発表会があれば、ご夫婦で観に来てくれました。
「あすかー‼️いいぞー‼️」と大きな声で応援してくれました。

勉強が苦手な息子に

「勉強なんてできなくてもいい。
好きなことを好きなだけ頑張りなさい」

と教えてくれました。

息子も、なんとか伝わるようにお返事を書いていました。
11月に息子が書いた手紙には、早く良くなってくださいねと書いていましたが、その返事は届きませんでした。

そして、今日。
Oさんの娘さんから、お手紙が届きました。

ご家族も、もう1人の「あすか」のことを知っていたようです。
「父の若い、若いご友人としてお付き合い頂きありがとうございました」と書いてありました。

息子は「もっと早く手紙書いたら良かった。そしたら、Oさんちゃんと読めたかもしれない。返事もくれたかもしれない」と後悔を口にしていました。
だから、あなたはどうするの?
と聞いたら
「Oさんの分まで頑張る」といいました。

きっと、空から「いいぞー‼️あすかー‼️」って笑顔で声かけてくれてる。
よし!今日もテンション上げていこう‼️


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