13. 弱視治療後に網膜血管系の発達がある可能性がある

OCT-Angiography Findings in Patients with Amblyopia: Comparison between Healthy Controls, Treatment-Responsive, and Treatment-Unresponsive Amblyopic Patients

Salerni A, Gambini G, Fedeli C, Paris L, Crincoli E, Savino G, Savastano MC, Bacherini D, De Vico U, Rizzo C, Killian R, Rizzo S. 2021 Sep 24;11(10):1751. doi: 10.3390/diagnostics11101751. PMID: 34679448; PMCID: PMC8534794.

弱視が網膜血管叢や形態に影響を及ぼすかどうかについてはいまだコンセンサスが得られていない。これまでの研究では,弱視患者と正常対照者の違いに焦点が当てられており,遮閉訓練後の弱視眼を評価することはなかった。弱視眼,正常眼,パッチ療法後に正常BCVAに達した弱視眼の表在血管密度の違いを評価するために,OCTAを使用した。すべての患者は,視力,屈折,眼球運動,前・後眼部検査などの総合的な眼科検査を受けた。OCTAは,Zeiss Cirrus 5000-HD-OCT Angioplex(Carl Zeiss, Meditec, Inc.,オハイオ州ダブリン,米国)を用いて専門医が実施した。OCTAスキャンは3×3mm2および6×6mm2の中心窩の画像設定を用いて行った。Pre弱視群における黄斑部外側血管密度の平均値は19.15±0.51%であった。これは,弱視群(18.70±1.14%)および正常対照群(18.18±1.40%)のいずれよりも統計的に有意に高かった(p = 0.014)。また,内黄斑灌流(p = 0.011),外黄斑灌流(p = 0.006),全黄斑灌流(p = 0.003)に関しても弱視前群が正常対照群と弱視眼の両方から有意な差を示した。最後に,線形回帰分析により,BCVAは弱視眼(p = 0.003)およびPre弱視眼(p < 0.001)において外側灌流と線形相関があることが判明した。本研究の横断的性質を考慮すると,今回の結果から,光刺激と網膜血管系の発達の間に相関がある可能性を仮定することができるだけである。しかし,この仮説を支持するためには、さらなる縦断的研究が必要である。

※コメント
弱視の構造的変化については未だコンセンサスが得られていませんが,弱視治療を完了すると何かしら解剖学的にも変化を及ぼす可能性があるとのことです。まだまだ謎が多いです。

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