335. 健康な近視成人における持続的眼球回旋が眼球の長さに及ぼす影響

The effect of sustained eye rotation upon eye length in healthy myopic adults

Alkhaldi SA, Gray LS. Oman J Ophthalmol. 2023 Oct 18;16(3):461-466. doi: 10.4103/ojo.ojo_171_22. PMID: 38059101; PMCID: PMC10697239.


目的:本研究の目的は、眼球運動が眼球の形状に影響を与え、眼軸長および眼球周辺長に測定可能な変化をもたらすかどうかを明らかにすること。

方法:18~30歳の被験者10名(男性6名/女性4名)がインフォームド・コンセントのもと参加した。平均等価球面屈折異常は-1.00D以下で、円柱屈折は-1.25D未満であった。測定の20分前にトロピカミド塩酸塩1%を1滴点眼し、散瞳と軽度の調節麻痺を誘発した。IOLMasterを使用し、眼球の長さを4つの異なる位置で中心方向と耳側方向(軸から25°ずれた位置)で測定した。その後、被験者は眼球を耳側方向に25°回転させ、目標を10分間固視した。その後、同じ測定を繰り返した。

結果:回転前、群平均の周辺眼球長は中心眼球長より有意に短かった(P < 0.05)。最初の眼球回転後も、軸外点での10分間の固視後も、軸外固視による中心眼長および周辺眼長の有意な変動は見られなかった。中心眼長と周辺眼長との差は、10分間の時間的固視後も維持された(P < 0.05)。

結論:周辺眼球長は中心眼球長より短く、近視に伴う長円形を示した。眼球に対する眼外筋の作用は、近視者の軸外眼長測定によって評価される網膜形状に有意な影響を及ぼさない。

※コメント
一過性の眼球運動が網膜の形状に影響を及ぼすか否か?→影響はないです、という報告。
ですが、対象が18〜30歳の成人であるため、成長に伴う近視進行が発生する若年者で同様な結果になるかは解釈に注意が必要であると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?