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蓄光区内 備忘録

数ヶ月前に投稿した曲↑
この曲の設定やストーリーを自分では珍しくしっかりめに考えていたのでその辺を備忘録として残します。完全に裏設定+自分が忘れないための物なので事細かに書きます。適当に読み飛ばしてください。

蓄光区内の設定・ストーリー

かつて、人の生活で発生する光を溜め込み、夜になると青白い光を放出する性質を持った町があった。その町は不思議な観光地として栄えていたが、立地の悪さ等が影響し次第に誰も住まなくなってしまった。町が光る仕組みを知っていた数少ない老人達も知識を継承しないまま亡くなってしまい、町が光る事も、町の存在自体もいつしか忘れられてしまった。

主人公である元旅人(名前不明)は、幼い頃に見た町の美しさが朽ちる事が耐えきれず、町が光る仕組みを自分で見つけ出し、旅をやめてまで懐中電灯で町を照らし続け、誰が見にくる訳でもない夜の景色を守る生活を続ける事を決意している。

発光状態の町と元旅人

大まかな設定ができるまで

この曲の1番大きなテーマは隔週お題作曲のお題として設定されていた「光」です。

自分の性格は光とは程遠いので全然歌詞が思い浮かばず、とりあえずただ趣味で描いていた街の絵を発光させて人物も書き足し、イメージイラストは完成。ここから後付けで設定を考えていく時に

人のいない町で1人が探索している状況とは?

ゾンビ物

ダ○サバイバー

というわけです。

あのゲームの設定を読もう

広告に出てくるあのゲーム。キャラクター設定を読んでみると冬眠プログラム、E細胞、謎の覆面情報屋…等(本編で深堀りされる事は無いに等しいが)結構ワクワクする単語が沢山散りばめられている!

ストーリーは普遍的なゾンビ物。

(ステージ選択画面)

"元旅人"の元ネタとなったのは1番メインキャラであるコモン。

ここ読むの面白いよ 夢の試練って何?

このゲームを腐るほどやっていた時、偶然このテキストを読んで良いキャラしてるなあと思っていたので元ネタとして採用。"自分で選択する"事自体に重きを置こうとするのってなんか分かるな…と親近感もあった。主人公の名前がコモンなのも良い。

曲の元ネタにされるゲームって当たり前かもしれないけど作り込まれたストーリーのものが多いので、それがメインではない、ましてや気にもされない前提のゲームの1キャラクターがモチーフになった曲を作ってみたい、という気持ちもありつつ…

そんなこんなで、ダダサバイバーの舞台やコモンの性格など色々な要素をベースにして

衰退した町
で、
自分で選択したい人間
使命感と自由意志の折り合いをつける

という裏設定が決定。
ついでに、自分の暗い思考を垂れ流しつつも最終的にはちょっと元気になれるような曲になればいいな…という目標も生まれた。

完成した歌詞

歌詞の解説ってどうやってnoteにまとめればいいのか全然分からないのでとりあえず全部貼ります

照らされすぎた身体の先
ヴィーナスが微熱と共に与えた何か
誰もいるのに見えぬらしい
日の光に怯え潜んでる

報せは既に街の底へ
立って後前で マンモスがおちる
ふらり 起きて目が慣れても
知らないフリして駆け出した

照らされすぎた身体の先
めまいに割って入る球はストレイ
私は常に5分前で
物の影に怯え潜んでる

きっとね 此処は海の底で
震えた 方便じゃ息が続かない
砂の 上で 立ち止まって
目の前まで白くなるばかり 

ああ いくつも掻っ攫って 深く 
息を吸っては いつかのことを思い出す

蛍に嫉妬した月をみて
空海、空いた水晶瓶で
大博打で詰め込んで!
今日を掬い上げれば昨日だけ

鼓膜に、一時 軽い音で
そばにいるから 視覚と匂いで
触れてみるなら消えるでしょう 
ああ 後に残るは疲労だけ

トゥルーエンドの少しだけ先
背伸びしてみたのはお祭りの花火
誰も前を見ているから
最後尾がひどく心地よい

貶され飽きた残暑が言う
サンクションをくしゃみで吹き飛ばした
故に道もわからないな
そう言い残しても見失う

蛍に嫉妬した月をみて
空海、空いた水晶瓶で
大博打で詰め込んで!
今日を掬い上げれば昨日だけ

鼓膜に 一時軽い音で
そばにいるから 視覚と匂いで
触れてみるなら消えるでしょう 
ああ 後に残るは疲労だけ

さあ 今終わりたがる都市鉱山と、水辺
ショートカットした道中を撫でて 眠りについた

泣いた荒野の中でぬるい朝を迎えて
無益なことも 自分の意識も
全部見つけ出し 笑っている 

蛍に嫉妬した月をみて
空海、空いた水晶瓶で
大博打で詰め込んで!
今日を掬い上げれば昨日だけ

鼓膜に、一時軽い音で
そばにいるから 視覚と 匂いで
触れてみるなら消えるでしょう 
ああ 後に残るは疲労だけ

晴れてまた 緑が増えていく
粉雪舞った1人の世界で
そこかしこに触れてみて
日々を掬い上げたら拾うまで

鼓膜に 届く事を願う
数えてるから鼓動と歩行で
憶えてるから消えないでいてね
全部全部が朽ちるまで


決めた設定を歌詞で伝えようとする意思が浅いのでメロに合わせて婉曲させまくっているけど個人的には好きな雰囲気を出せたので満足。最初の方にゾンビ要素が少し残ったままな事に読みながら気付いた。

最初に載せたストーリーの結末としては、

緑が増えて少しずつ朽ちる町の様子を見た元旅人は「自分が覚えている限り町は忘れられない」という着地点に向かおうと頑張っているけど結局まだ踏ん切りがつかないので他の守り方も考えつつもまだしばらくは町を守り続ける。

みたいなのをイメージしている…

曲名について

最終的に歌詞にはあまり元ネタの直接的な表現を残せなかったけど、どうしてもこの曲はあのゲームがモチーフになっているという痕跡を少しでも残しておきたい!と思った結果が「蓄光区内」というタイトル(コモンが最初に持っている武器であるクナイと区内とが掛かっている!)。

初期案「ひかるくない」
(蓄光する町って設定が分かりにくいので没)

おまけ:歌詞の小ネタ

名義にタウンって入れる位には「町」「旅」という概念やそれをテーマにした曲が大好きなので今回の歌詞にもそういう曲のオマージュが入っていたりします!その他色々小ネタなど、メモ

・「照らされすぎた身体の先 ヴィーナスが微熱と共に与えた何か」

元ネタはキリンジ「太陽とヴィーナス」
曲の解説読まなくていいからこれ聞いてほしい。最高の旅曲

・「報せは既に街の底へ 立って後ろ前でマンモスが落ちる」

元ネタはcero「街の報せ」
マンモスという語彙は確実に浅倉透(ノクチル)の影響。

・トゥルーエンドの少しだけ先

Ruinaの事です
廃れた町、という発想自体が多分Ruinaから来ている 当時めちゃくちゃやっていたから…

・今、終わりたがる都市鉱山

これもキリンジの「都市鉱山」から。この曲の皮肉めいていてかつやるせない雰囲気が好きで(堀込高樹の歌詞って大体そうかも)この曲の主人公っぽいと思ったから入れたような記憶がある
キリンジってかなり町曲、旅曲の宝庫なんだけど、この曲が収録されているBUOYANCYは他のアルバムと比べてもなんとなく独特な空気感があるような気がしてクセになるから好きだ…

その他、たまの滝本晃司さん作詞の歌詞に全体的に多分割と影響されてる。

以上!

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