初学者のための行政書士試験勉強法

■はじめに

高卒で、法律の学習は当然したことがなかったですが。

令和元年度行政書士試験に、一発合格できました!

学歴なんて関係ないし、こんな勉強法があるのだ、と参考にしていただければ幸いです。

■使用した教材

フォーサイトのバリューパック2

LEC模試パック(全6回分)

LEC出る順行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集

LEC合格六法(公法系・私法系の両方)

これだけです、他はなにひとつ使っていません。

よって、費用は11万円程度かと思います。

■学習の進め方
まず、高卒なこともあり、本当の初学者で、法律のことはなにもわかりませんでした。善意と悪意の法律的な意味も初めて聞くような人。


だからこそ、徹底したことがあります!

「素直に、言われたことを言われたままに実践する」です。

学習も、基礎法学、憲法、民法、行政法のまさに順番通りに講義を視聴
テキストにある確認テストは、講義終了後に即やっていました。
毎日1枚のDVDを視聴することを目標に、受講開始から2か月で行政法までは講義視聴を終えました。
講義自体は、ほぼ一度しか聞いていません。

■講義視聴後の過去問演習と夏からの記述対策

上記の講義視聴がすべて終わった後に、講義を受けていった順に過去問を解き始めました。
過去問解説講義は視聴せず、過去問に付属している解説のみで進めました。
また、3週目までは、演習ノートを活用して、過去問を解きました。
民法過去問の1周目は1か月半もかかっているし、
正解率2割程度で、挫折しそうになりましたが、なんとか1周終えることができました。ここが受験生活最初の山場ですし、初学者大半の挫折地点だと思います。民法は、テキスト読んだだけではなにも正解できません!!
安心してください、それで普通です!!

と、今だから言えるところがありますが。間違った問題は、必ずテキストに戻って確認しました。

そこから、行政法の過去問に進み、終わり次第また、基礎法学、憲法、民法、行政法と繰り返しました。
商法・会社法と一般知識は、過去問演習はまったく行いませんでした。
この2つについては、最後までテキスト精読と、道場破りの中の確認テストのみです。
それでも本試験では、商法・会社法2問、一般知識は12問正解できました!
基礎法学4週、憲法6週、民法と行政法は8週しました。

記述式対策は、8月くらいからLECの模試と記述対策本が中心でした。
また、同じく夏からLECの合格六法を使いつつ、本試験前までに、
憲法のすべての条文と、行政手続法と行政不服審査法すべての条文暗記を行いました。

■直前期(試験10日前)学習

送られてきた択一式の直前対策問題集を3回しました。
あとは、道場破りの確認テストを試験2日前にすべて解きました。
その他、民法と行政法のテキストをすべて精読しました。総復習に最適でした。ちなみに前日は、あまりの緊張のため、何をやっても頭に入ってこず、ほぼなにもしていなかったです。横溝先生の応援動画を見て気を落ち着けたり、フォーサイトの記述予想問題動画見たりと、動画の世界に逃げ込んでいました・・・。それほど胸中穏やかではなかったのです。

■テキスト精読について

必ず「音読」が必要です。声に出すことで、内容をスムーズに頭から引き出す助けになります。音量は小さくてよいと思います。また、私はラインは一切に近いほど引いていません。特にフォーサイトのテキストは、「重要ではない部分が存在しないから」です。特に最重要なところは初めから赤文字になっていますし、そもそも線を引くと人間油断して、それ以外のところが抜けます。よって、講義の中で福澤先生が「ここは目を通すだけでいいです」と断言してるところはその言葉のみテキストに書き込み、他はすべて重要という位置づけにしました。「覚えなくていいところ」など、本来ないのです。

■条文暗記について

LECの合格六法は本当に最強ツール!!これがなければ絶対に合格できませんでした!!必要な条文が、すべて記載されており、暗記のために最適な文字数です。フォーサイトの過去問で条文番号が出てきて、条文内容が思い出せなかった場合(憲法・行政法に限る)この合格六法で確認するのです。

余計なことは一切なく、ただひたすら試験に必要なすべての条文が「適切な」大きさの文字で印字されている。内閣法も、代執行法も、国会法も、見たければすべてあります!巷では「判例六法」が人気なようですが、あれは、本当に!!!

「文字が小さすぎて読めない!!!」

私はハズキルーペがなければ見えません!!の世界でした。

LEC合格六法は最強ツールです。

持ち運びたい方は必要な条文をコピーしてファイリングなさることをお勧めします。

ちなみに、合格六法にも一切の書き込みをしていません。

そのまますべて覚えたからです。どこが特に大事という概念はないです。

すべて大切です。憲法のすべての条文と、行政手続法は、本当にすべて正確に覚えてください。そうしたら確実な得点源なのです。福澤先生も、憲法の条文はすべて覚えてくださいと講義の中で繰り返しています。

「素直に」従い、覚えてください。なぜ、そう言われたかは、すべてが覚えられた後、すぐにわかります。

行政手続法までは必須です。不服審査法もできれば完全にすべてを覚えたほうがよいですが。訴訟法は、よく問われる条文に絞って覚えていいと思います。

■条文を覚えるとは

では、何をもって条文を「覚えた」というのか。

「白紙にすべて書き出せた場合」です。

ちなみに、ひらがなでいいです。漢字で再現する必要性はありません。

ひらがなで書けるということは、選択肢に出てきたときに、少なくとも「音」として脳内再生が可能なレベルに達しています。

そうすると、ほんのひとつの語句が抜けているときに「違和感」を必ず覚えます。なにかが違うな、と。

その違和感を体得できれば、条文問題で引っかかることはありません。


■判例を覚えるとは

これもよくよく言われますよね。判例を覚えなさいと。

これ、条文を覚えるのとまったく手法が異なります。

まず、判例は。

「自分が判決を言い渡される立場」になって、全文を読むことです。

このやり方だと、「感情が伴い、記憶の中に定着しやすい」とともに。

「どの言葉が、自分にとってしっくりこないのか」をあぶりだせます。

すると人間不思議なもので調べます。調べると余計記憶に残ります。

そうして、自分なりの「言い換え」ができるようになります。

ここまでくると、判例問題を落とす確率は低くなります。

ある選択肢を見たときに、「これは、○○事件だな、○○という言葉で判例文には書いてあって、こういう結論だった。」という風に思いだせるようになります。

結論は知っていて当たり前です。

そもそもの話の始まりがなんだったのか、なぜ裁判になったかのストーリー。そして、なぜ、どういった表現を用いて「最終的に」判決がどのような結論に至ったのか。

憲法は上記ができて、判例を学んだといえると思います。

結論を導く過程での重要なキーワードは、必ずどこの先生でも、講義の中で述べているはずです。最初と最後はすべての受験生がたいてい覚えていますから、ここで差はつきません。途中の結論に持っていくまでの語句の流れを覚えているか、が分かれ道。

それを覚えやすくする方法が、「自分が判決を言い渡される立場」になって、全文を読むことです。

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