初学者のための行政書士試験民法学習方法

■はじめに

民法とは、数学である。

が、私の持論でございます。

行政書士試験の受験生は文系のほうが割合多いと聞きますので・・・。

えっ!!数学!?

と、拒否反応が見えるのですが・・・。

大丈夫!私も計算は実は得意じゃない!

えっ!あなたホントに理系ですか!?

・・・うん、一応・・・

どっちかっていうと数学より化学寄りなのだけどさ。

あんまり計算そのものは得意じゃないんだけどさ・・・。

「計算」は絡まないから!!思考の仕方だから!!

それでは始めてまいりましょう!!

■民法苦手!!

私もそうでした。うん。

Twitter見てた中でも、民法得意です!!って初学者なんて特に見かけないです。得意な方は、上位試験の経験者、法学部に在籍経験あり・・・とか。

民法にすでに触れたことある場合だと思います・・・。

さて。先に述べましたが、民法は数学なのです。

そもそも数学ってさ・・・。

「公式」が大概あるでしょう?

して、公式を使って例題を解くでしょう?

「公式」を教えられずに、そのすぐ下の例題を読むと、意味不明で解き方わからないはずです。

はい、つまりですね。

公式=条文

なのですが、さらに。

公式を覚えても、その公式を問題文にどう当てはめるかがわからないと問題解けないのですよ。

対して、憲法や行政法って。

条文=回答です。

公式(条文)をそのまま聞かれることが多い。

数学って公式をそのまま書いて点数もらえないですよね?

公式を使って計算して、出た結果が正しいと点数になるでしょう?

だから、実は民法って2STEPなの。

■民法の学習方法

STEP1 公式(条文)を理解する

ここからスタートするのです。

そもそも、用語の意味を説明できなければいけません。

例を挙げますと。

無効ってなに?

取消ってなに?

追認ってなに?

これがわからないと、条文の意味が理解できないのが民法の辛さです。

憲法と行政法って違ってね。

例えば憲法だと。

「内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は国会議員から選ばれなければならない。」

この内容がそのまま知識として聞かれるわけですよ。

だから純粋に、覚えているのか、そうでないかだよね。

思考は必要ないの、知識だから。

対して、民法ってさ。

保証人と物上保証人ってどう違うんだ?

が説明可能なレベルでわかってないと、この選択肢、物上保証人だったら〇だけど、保証人だから×だよね。すら見えてこないのです。

94条2項とかも。

前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない

この文言丸暗記しても、問題はまったく解けません。

条文知識を問われることがないためです。

で。

「じゃあ、具体的にどんな事例なの?」を説明できるレベルが必要ですよ。

不動産の物件変動についてやってみよう!

第三者ってなんだっけ?がSTEP1ね。

「当事者若しくはその包括継承人以外の者で、不動産に関する物件の変動の登記の欠缺を主張する正当な利益を有するもの」ですね。

はい、これ即答できてもまったく点数にならないよ!!

あ、記述で書けって出てきたらなりますけど。

大事なのはSTEP2ですよ~

■民法の学習方法(STEP2 具体事例で説明しよう)

実際の問題は、いわゆる事例問題なわけ。

問題文に登場する各人物が、複数名だったりとかさ。

誰が、どの立場に当たるのかを判別するの。

でもそれをしようと思ったら、前段で書いた「言葉の定義と理解」をしていないと、誰がどの立場に当たるのかわからない。

登場人物の分類ができたら!

ここで、条文(公式)の出番です!

実際の問題で見てみましょう。


■民法の学習方法(問題から逆に見よう)

被相続人A、相続人BCのケースで、Bは相続放棄した。

ところがBは、Cが相続財産である土地を単独名義で登記しないうちに相続放棄をしなければ得たであろう自己の持分を第三者Dに譲渡してしまった。

この場合、Cは当該土地の単独所有を登記なくしてDに対抗することができない。

解法のプロセス

1.「相続放棄」という文言を探し出す。

2.相続放棄ってどんな効果があるかを思い出す(民法939条、これが公式ね)

3.相続放棄の場合、「初めから相続人ではない」ので、Bがそこらへんの人になってることを思い描く

4.ってことは、DはBから土地の所有権をそもそも、もらえないわけだ!

Bは相続人じゃないんだから。

だって、ある土地が欲しくて、その辺散歩してたそこら辺の人に欲しいっていっても無理でしょ?

5.つまり、これってさ。

問題文通り、被相続人Aが、相続人Cに土地を単独相続した事例と考えていいの。

そして、問われているのが。

「登記なくして」Dに所有権を対抗(主張)できないのか、ですよね??

じゃあ、またまた公式(177条)に戻ろう。

そもそも、登記ってどんなときにいるんだっけ??

第177条

不動産に関する物件変動(物権変動とは、物件が移転、若しくは発生・消滅をすること)の対抗要件

不動産に関する物件の得喪及び変更は・・・中略

その登記をしなければ、第三者に対抗することができない。


はい、そもそも!!

Dに土地の所有権が行かないじゃん。移転しないのよ、そもそも。

だから、所有権が動かない(Dは第三者じゃない)から、登記なんて必要ないわ!!

よって、登記なくして対抗できるから、×!


みたいに、公式の使いこなしをします。

かなりハイレベルですよ~。そりゃあSTEP多いですもん、すぐできたら神さまレベルだよね!が実感いただけるかと・・・。

このように、条文(公式)自体がそのまま答えにならない事例問題が多く、どうしても問題文自体が長い、相関関係が整理できないと正しい答えを出せない。

だから、すぐできなくて普通だし、すぐに点数になんかなりませんよ。

「一夜漬け」が憲法や行政法とかと違って通用しないってこういうこと。

しかも、条文の意味が分かってないと、解説自体意味不明になるので・・・。

総じて。「民法嫌い!!わかんない!!できない!!」と泣き出すわけです。私のように過去問を壁に投げつける暴挙に出るのです、はい。

■民法の学習方法(日々の勉強)

先ほどの解法のプロセスを、説明してください。

これは回答が×、なぜかというと・・・。

が言えなければ、正しくつながってない。

プロセスのどこで詰まったのかによって、見直す箇所が違うのですよ。

ただ、公式と当てはめだから、応用が利くのね。

よって、暗記で答えを覚えるわけじゃないから、使いこなしを体得していれば、マニアックな分野が出ない限り、民法は点数が高止まりします。

そして、たった一つの選択肢からここまで深堀できるわけ。

横断的にね。だから、フォーサイトならフォーサイトの過去問で十分すぎるんですよ。他の教材やっている余裕なんかないはずです。

徹底的に上記を意識して、繰り返し繰り返しです。

つながったら、安定的な点数が取れます、きっと!

初学者じゃなかったりしたら話は変わると思いますけど・・・。

以上、民法の学習方法でした!!

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あ、すごく間違っている部分とかあったらそれもご指摘ください、はい。

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