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Web小説を書きながら働くこと

僕は働きながらweb小説を書く者である。

小説投稿サイト【カクヨム】に小説を投稿している。このnoteを書いているのもその宣伝の為だ。現在カクヨムコンテスト5が開催中で、多くの人に読んでいただいて、評価を得られないと中間を突破出来ないという、サバイバルなコンテストだ。無慈悲にスパッと切られる為、僕も含めてツイッターではてんやわんやの、ヤルかヤラれるかの大騒ぎである。【文学性の女】と【空気の中に変なものを】という長編をエントリーした私、江戸川台ルーペは販売員をしながらコツコツと小説を書く、いわゆる嬉し恥ずかしのweb小説家というやつである。

昨今では小説家で飯を喰うのは難しいと聞いている。それはそうだろうな、と思う。文章を読んでもらって面白いと思われる事は一瞬であれば可能かも知れないけれども、それを死ぬまで一生続けるとなると相当難しいのではないか。一発芸で滑るのならまだしも、数ヶ月、数年掛けて書き上げたものが滑りっぱなしというのは精神的に厳しいものがあると予想する。

したがって、僕は普通に働きながら、webに小説を投稿して「これ、どうにかならねーかなぁ」と思いながら、毎朝仕事へ行って、夜帰ってくる生活をしている。良い事があって気分が浮かれる時もあれば、つまらないなぁと思いながら仕事をする時もある。小説でどうにかならねーかなぁ、と思っているけれど、もし仮に(大それた身の程も知らないような空想で恥ずかしいが)小説が書籍化しても仕事は辞められないだろう。じゃあ、一体何がどうなったら「どうにかならねねーかなー」が叶うのか。

「何故本名で小説を書かないのか」と友人に真剣に聞かれた時、僕は実生活と小説を分けたいのだ、と答えた。仕事仲間に「小説を書いている」と仮にカムアウトした場合、それは「読んでくれ」と依頼するのと等しい場合がある。「ふーん」で済んだとしても、それがどうしたで終わりである。想像するだけで冷たい汗が出てきそうな場面だ。友人に「小説書いた」とカムアウトするのも多少の勇気が必要だったのに、職場の人たちにまでそれをするとなると、死んだ方がマシなくらいの気恥ずかしさがある。「へー、ペニスとか言っちゃうんだぁ」とか感想をいただいたり、「私には文学性が見えるの!」などと食事中に音読されたら、自らゴミ収集車に走り込んでしまいたくなるだろう。自作の小説を朗読されるという嫌がらせは、物書きの人達は必ず一度は食らった事があるんじゃなかろうか。僕は中学生だった兄を絶対許さない。ファミコンの信長の野望に強力な磁石を近付けてバックアップをパーにしてやりたい。

というのはともかくとして。

僕は小説は書き続けるだろうと思う。これはもう、決まった事なのだ。四十過ぎにしてこれ程明らかに自分の道を確信した事はない。ただ、書き続ける事でどのような変化をこの生活にもたらされる事を期待しているかというと、やはり毎日、本を読んで映画を観まくって、猫か犬を撫でて小説を書いて酒を飲んで寝る事なのだ。専業作家の人がこれを読んだら、かなり長い助走を付けて僕をぶん殴るだろう。専業作家舐めんな! と。分かっている。そんな夢みたいな生活が送れる訳がないのだ。でも、と思う。

そういう生活を夢みて書かないと、つまらなくないか?

僕は意識が高くない人間だ。格調高いものを書いて魂を高みに導こうとしている訳でもないし、自分という人間がこうだという事を表明する為に書いている訳でもない。人の理想を掲げ、価値観を問うようなものを書きたい訳でもない。ただ単に、自分が観たい映画の原作を書いているようなものである。まずそれが先にあって、そいつを続けながら毎日毎朝コーヒーを作ってたくさん映画を観て本を読んで文章を書いてうまいピザを食べて酒を飲んで寝る、を繰り返す生活が送りたいのだ。

最近、特にその気持ちが強くなってきてしまって、仕事に差し障りが出てきそうなレベルである。でも仕事を辞めることはない。僕が何かの武器を持っていることをちゃんと見定めてもなお、仕事を続けながら書くだろうと思う。僕は実世界と結びついた話が書きたいから、そこが途切れたら突然何も書けなくなってしまうかも知れない。っていうか、僕はもしかしたら、経験した事しか書けないんじゃなかろうか? という気もしている。いや、書いた事が全部自分の経験っていう訳じゃないです。僕も相当ちゃらんぽらんに生きてきたけども、人に向けて銃を撃っていないし、動くピングーと話をした事もないし、病院の屋上で幽霊をみたりもしていない。綺麗な看護婦さんと仲良くなった事も勿論ない。でも、そういう事があってもおかしくないという世界で生きている。多分現実世界で生きて、人と関わって、働いているからそんな風に考えることが出来るのだと思っている。

もしかしたらそんな事はないのかも知れない。辞めたら最高にハイになって、「今までマジで時間無駄にしてたわ! 無職最高! 文章書いて人生花マル!」ってなる可能性も無くはない。もう、堂々巡りなのだ。たったひとつ明らかなのは、自分が書きたい文章を書くだけで楽しく生きていきたいなぁ、という事だけである。全く、この堂々巡りも自分の文章がどこから湧いて出ているのかが不明瞭だからだ。仕事辞めたらもっとコンコンと湧き出でる可能性もあるんじゃねーかな。と言って、仕事を辞めた瞬間、ボサボサの髪の毛のまま汚い身なりでパチンコの行列に並ぶ可能性だって無くはないのだ。

まったく、今回は恐ろしく暗いお話を書いてしまった。宣伝というにはあまりに身を切りすぎているような気がする。そうであれば、どうか美味しく食べていただきたい。少しだけコレステロール値が高めのお肉はいかがだろうか。

文学性の女

‪https://kakuyomu.jp/works/1177354054888588759‬

空気の中に変なものを

https://kakuyomu.jp/my/works/1177354054885018536


例によってリンクが貼れない病気である。こんなに生き辛い世の中であっていいのか? 

生きてていいかないいよー生きるね!😊😊😊


江戸川台ルーペ

べ、別にお金なんかいらないんだからね!