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ベーシックインカムの歩く道
言葉というのはひとり歩きする。
「ベーシックインカム」という言葉もしかり。
あちらこちらで中身のない言葉が漂流し
無責任に意味付けされる。
極端だったり、あまりにも狭義な「意味」を
あてがわれているのが「ベーシックインカム(BI)」という言葉のようだ。
そんな状況で役立つ本を紹介したい。
「ベーシックインカムへの道~正義・自由・安全の社会インフラを実現させるには~」
経済学者でありBIENの共同創設者ガイ・スタンディングの著作。
アマゾン:
https://www.amazon.co.jp/ベーシックインカムへの道-―正義・自由・安全の社会インフラを実現させるには-ガイ・スタンディング/dp/4833422646/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1519903045&sr=8-1&keywords=%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%A0%E3%81%B8%E3%81%AE%E9%81%93
経済面での基礎的な安全を保障する
システムとしてのBI=
ベーシックインカムの基礎から政治、
経済的論点など
包括的、多面的、縦横に長い視座から論じられる
ベーシックインカム講から学ぶことは多い。
なかでも、とくに。
以下の引用文が示すBIの意義について
考えることは無駄じゃないと思う。
忙しいことを言い訳にせず、むしろ、時間がない人にこそ読んで欲しい。
ベーシックインカムへの道
『リスク、レジリエンス、精神の「帯域幅」』(P112-113の抜粋転載)
国が基礎的な安全を保障すること…… それは人間にとって欠かせないものだ。
最近の研究によれば、基礎的な安全が確保されていないとき、肉体のみならず
精神の健康も蝕まれる。
さまざまな心理的問題の引き金が引かれたり、知的判断力が弱まって、いわば
「精神の周波数帯域」が狭まってしまう。
日々を生き抜くための奮闘に精神的エネルギーの多くが消費される。
その結果、問題解決能力が低下し、意志決定の質が落ちる。
また、安全を欠いている人は自尊心が弱まり、本人や周囲の人たちが
その人に対していだく期待も少なくなる。
人は、慢性的に安全を欠いている場合、賢明な行動を取ったり、合理的で
適切な選択をしたりできない可能性がある。
その傾向は、戦略や長期計画に関してとりわけ強くあらわれる。
この点を考えると、責任ある行動や「適切な」行動を取れる人だけが
福祉給付や支援を受ける資格があるという主張は、本末転倒と言わざるをえない。
(引用、転載おわり)
私たちはせかせかと時間を過ごし
日々の「やらなければならない」作業に追われることで、じつは逆説的に
絶対に失ってはいけないナニかを
失っているのかもしれない。
以下の表は「ベーシックインカムへの道」
p250を転載