「9軸占術姫」紹介その4

こんにちは。お久しぶりです。サボってる間に「占術姫」に新規カードが3枚も増えなんやかんやで前回から1年余り。
ということで今回は「占術姫」モンスターおよび「聖占術の儀式」「冥占術の儀式」の紹介をしていきます。
DARKWING BLASTの新規が来るまで遊戯王で採用される占術姫モンスターはほとんどの場合2種類しかいませんでした。占術姫はテーマとしてそれほどに厳しいです。新規カード3種のマスターデュエル実装はもうしばらくかかるでしょう。9期当時はまだ「占術姫ペタルエルフ」「占術姫ウィジャモリガン」も活躍の機会がありましたがリンク召喚の実装によってほとんどの場合1000以上のバーンが見込めない状態になりました。今回紹介しない残りの占術姫は別の機会に解説させていただきます。
という訳で今回紹介するのは次の6枚です。

「占術姫コインノーマ」

占術姫のエンジンにして後述する「冥占術姫タロットレイス」登場以前はある意味タロットレイよりも重要だったリバースモンスターです。
効果は単純、リバースした場合に手札かデッキからレベル3以上のモンスターをセット状態でリクルート。ただし発動したターンは占術姫以外のモンスター効果が発動できなくなるデメリット付き。
このデメリットが意外と厳しく、10期半ばまでは「聖占術姫タロットレイ」とこのカードの効果を駆使し如何に次のターン「禁忌の壺」の効果を発動できるよう戦線を維持するかが腕の見せ所でした。
そして「機怪神エクスクローラー」という第2の選択肢が登場したことにより戦術の幅が広がりました。このカードについては第1回の時に説明しましたので割愛します。
そして現在は特殊召喚したいモンスターに「占術姫ビブリオムーサ」という新たな選択肢も加わりました。

「占術姫ビブリオムーサ」

待望の「占術姫」新規その1です。リリースされれば自己蘇生、リバース時には「占術姫」モンスターと儀式魔法の合計二枚サーチ、表側表示でいる限り儀式モンスターに対象および効果破壊への耐性付与、とにかく効果が盛られています。
リバース時の効果は「冥占術の儀式」と「聖占術姫タロットレイ」をサーチあるいはタロットレイの儀式召喚ができていれば「冥占術姫タロットレイス」を手札に加えるのも良し、と展開巻き返しで使いどころに困るところがない優秀な効果です。
手札に加えたタロットレイの素材としてリリースされれば裏側守備ですが自己蘇生されるのでタロットレイや「星遺物の傀儡」でリバースさせてリンク素材やランク9のエクシーズ素材にできる他、場に維持するのも選択肢として十分にアリです。
儀式モンスターに対象および効果破壊への耐性を付与する効果はタロットレイを核とする占術姫では革命と呼べるほど嬉しい効果です。「サンダー・ボルト」「ライトニング・ストーム」が後攻1ターン目でよく降ってくる時代には何度泣かされたことか。

「聖占術の儀式」

手札から「聖占術姫タロットレイ」を儀式召喚する儀式魔法カードです。「儀式の下準備」に対応し、さらに墓地から除外することで「占術姫」モンスターをサーチする効果も持っています。単純な使い勝手では「冥占術の儀式」に若干劣るものの2枚採用は手堅い一枚。

「冥占術の儀式」

新規の「占術姫」専用儀式魔法カード。「影霊衣」「ヴェンデット」「ドライトロン」に続き念願の墓地からの儀式召喚が可能な儀式魔法が「占術姫」にも誕生しました。相手に妨害を突破され「聖占術姫タロットレイ」が倒された場合でも「聖占術の儀式」を墓地から除外してサーチしたレベル9占術姫を素材にもう一度墓地から儀式召喚を行ったり、「九字切りの呪符」で「聖占術姫タロットレイ」「冥占術姫タロットレイス」を2枚ドローに変換しつつドローしたカードを素材に墓地から儀式召喚するといったテクニカルなことも可能になりました。
スタンバイフェイズに墓地から除外して発動する効果も優秀です。タロットレイと「冥占術姫タロットレイス」が揃っていれば「占術姫ビブリオムーサ」をリクルート、そしてタロットレイスの効果でリバースすることで後続を用意しつつ耐性付与が行えます。

「聖占術姫タロットレイ」

儀式とリバースを司るこのデッキの鍵であり「太陽の書」「月の書」を内蔵したモンスターであり、占術姫の構築難易度を極端に上げる原因ともなっている儀式モンスターです。
主な効果は三つ。セット状態のモンスターを攻撃表示にする誘発即時効果、表側表示のモンスターをセット状態にする誘発即時効果、自分エンドフェイズにリバースモンスターを手札墓地から特殊召喚する誘発効果。ただし場のモンスターを対象に発動する効果を使えるのは1ターンに1度どちらか一方のみという制約が付きます。
儀式召喚に成功してしまえば毎ターン効果を発動できるので相手のモンスターを適切なタイミングで裏側守備表示にすることでシンクロ、エクシーズ、リンク召喚を封じ、墓地に送らないので蘇生、サルベージからのケアも同時に封じてしまえることが利点です。ただし、今どきは1回や2回の妨害は踏み抜くのが主流、所詮は見えてる妨害なので相手はこのカードの存在を念頭に置いて、または無視して展開してきます。
しかしこのカードの真価は相手のモンスターだけでなく自分のモンスターにもタッチできること、リバースモンスターの効果を能動的に利用できることです。
「禁忌の壺」はその筆頭で先攻1ターン目で特殊召喚できていれば相手ターンのスタンバイフェイズにピーピングハンデス、展開中に全体除去等々、実質フリーチェーンで禁止級魔法カードの効果が使えると聞けばその強さは理解いただけるでしょう。
自分のエンドフェイズに発動できる最後の効果も中々に強力。儀式召喚のためにリリースしたリバースモンスターを蘇生すれば儀式召喚という重いリソースの消費に対するリカバリーが行えるという訳です。
9期以降、様々な形で儀式召喚、儀式モンスターのサポートカードは増え続け、その甲斐あってこのモンスターを儀式召喚すること自体は容易になりました。しかし2015年という時代の逆風の中生まれてしまったこのカードの持つ効果は先述した通り単体では除去能力のないかなり慎ましいもの。
しかし、DARKWING BLASTで追加されたカードたちのお陰で「冥占術姫タロットレイス」の効果で強力なリバースモンスターを活用しつつ、このモンスターは相手のモンスターをセットさせて妨害することに専念できるようになりました。

「冥占術姫タロットレイス」

方中ミエルちゃんファン待望のモンスター。原作再現、実際の使い勝手共に占術姫デッキにおいて最高の効果を持っています。実は「遊☆戯☆王ARC-V」作中において「聖占術姫タロットレイ」の効果はむしろこのカードに近いものでした。
このカードの持つ効果も「聖占術姫タロットレイ」同様三つ。一つは儀式召喚及び「聖占術姫タロットレイ」の効果でのみ特召喚できるというかなり特異な召喚条件。もう一つはリバースした場合にリバースモンスターをセット状態でリクルートする誘発効果。もう一つは自分の場の表側表示モンスターを任意の枚数選んでセット状態にする、あるいは自分の場のセット状態のモンスターを任意の枚数選んで表側守備表示にする、という「聖占術姫タロットレイ」の①②の効果に対応したような誘発即時効果。
召喚条件のテキストが意外に難解で、儀式召喚とは別に「聖占術姫タロットレイ」の効果が正規の召喚条件として指定されているため、このカードが一度も儀式召喚に成功してい場合でも手札墓地から特召喚できます。しかし「聖占術姫タロットレイ」の効果で墓地から特殊召喚しようとした際「蘇生制限が満たされてないから無理では」と言われ、「ウォーター・ドラゴン」といったマイナーカードの知識がないプレイヤーには説明しても納得してもらえないことすらあります。
このカードの発表後直ぐに発見されたのは先攻1ターン目に儀式モンスターの占術姫の展開し、後攻1ターン目で「ガード・ドッグ」「真空イタチ」を一度にリバースさせ相手の特殊召喚と魔法罠の発動を封じる、というもの。
このコンボ自体は強力ですが「ふわんだりいず」といったあまり効き目のないテーマの存在や、そもそもこのコンボの成立後自分の場には「冥占術姫タロットレイス」が攻撃力1200という低ステータスを晒したまま棒立ちしてしまうことなど、その脆弱さが問題視され現在はこのコンボから派生した別パターンの動きを目指す構築が殆どです。
参考として上記のコンボを掲載しておきます。

※必要なカード:「聖占術姫タロットレイ」、「冥占術姫タロットレイス」、「聖占術の儀式」or「冥占術の儀式」

  1. 「冥占術姫タロットレイス」をリリースし「聖占術姫タロットレイ」を儀式召喚

  2. エンドフェイズに「冥占術姫タロットレイス」を「聖占術姫タロットレイ」の効果で特殊召喚

  3. 「聖占術姫タロットレイ」の効果で「冥占術姫タロットレイス」をリバース、「冥占術姫タロットレイス」の効果で「ガード・ドッグ」「真空イタチ」のどちらかをリクルート

  4. 「冥占術姫タロットレイス」の効果を発動し自身をセット状態にしてターン終了

  5. 相手のドロー後「聖占術姫タロットレイ」の効果で「冥占術姫タロットレイス」をリバース、前のターンに「冥占術姫タロットレイス」の効果でリクルートしなかったもう片方をリクルート

  6. 「冥占術姫タロットレイス」の効果を発動し「ガード・ドッグ」「真空イタチ」をリバース、特殊召喚と魔法罠の発動を封じた状態で相手はスタンバイフェイズをむかえる。

三枚初動ですがこのコンボに特化した構築であれば比較的高い確率で揃えることができます。しかし先にも述べた通り「冥占術姫タロットレイス」が棒立ちなので、運よく先行を取れ後攻1ターン目にこのコンボが成立しても、他に妨害する手段がない場合、通常召喚された下級アタッカーに戦闘破壊され次のターンにセットされた「墓穴の指名者」で除外されるだけでこのコンボは簡単に崩壊します。

終わりに

相手ターンにも動くことが可能な「ティアラメンツ」、除外を多用しじわじわと相手のフィールドを文字通り使えなくしていく「クシャトリラ」、「冥占術姫タロットレイス」を除外して展開ができる「ビーステッド」が暴れまわっていた2022年に占術姫が台頭できる隙はありませんでした。というか僕自身心が折れてこの1年(生活環境の変化など他の理由もありましたが)新たにデッキを作ることができませんでした。
今使っている9軸占術姫のレシピを張っておきます。来月に占術姫新規がマスターデュエルに実装されることを祈りながら、一緒に実装されるであろうクシャトリラに怯えながら、できる限り早く次の記事を投稿したいと思っています。それではまた次回。


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