夜道に踊る

昔の友人に会った帰り道。みんな少しずつ大人になっていって、価値観が変わっていく。そういう流れに上手く乗れない自分がいるなと気付く。

電車の中で、歌ったり、踊り出すとおかしいのと同じだ。電車の中では騒いではいけない暗黙の前提があって、ぼくはその前提を知らない。

そんな自分にがっかりすること、悲しくなることもあった。社会とは上手くやっていけないかもなって。

野球やってたらみんなプロ野球と甲子園が好き。きっとあんな風になりたいと思うから。活躍してる姿をかっこいいと思うから。

大学に入ったときは、でかい会社有名な会社に入った先輩の話とか。

会社に入ったら、ゴルフ、結婚。。等々

どれもついていけないからどういう顔をしていいかわからない。それってなに?って聞けるようになったのは二十歳を超えた頃だ。

ぼくにはその場にいるなら当然あるだろう前提を持ち合わせていない。憧れとかなりたい姿とか。そういうものがなかった。

したいことってなんだろうなぁってずっと考えながら考えないようにしながら生きてきたかもしれない。

父親が毎日必死に録画してるテレビを人生の無駄だと思ってるのに、昔やり込んだスマホゲームをいまだに毎日ログインしてる。

あるんだろうか、そんな高尚な憧れやなりたいことが。たぶん、ない。おれにはない。

家に向かいながら、音楽に合わせて踊る。ただ楽しくて踊ってしまう。車が横を通るけど、ヘンテコリンな踊りだけど、気にしない。ぼくは今日も踊るんだろう。

たぶん、そういうことだと思う。たぶんね。





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