【コニカ事件簿】私がコニカミノルタを辞めた理由と経営者・社員さんへのメッセージ

コニカミノルタの販売会社であるコニカミノルタジャパン(以下単にコニカミノルタと記載)を退職したSさんに、退社を決めた理由を書いて頂きました。

当初は無料記事として公開したいと考えていましたが、Sさんの身バレのリスクがあることと、Sさんの元同僚の過労死と疑われる事件に話が及ぶなどナイーブな問題も含んでいるため、一部を有料記事で公開させていただきました。

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私(元コニカSさん)の職歴

■職歴
・東北の国立大学を卒業
・大手システム会社にてエンジニアとして4年従事
・コニカミノルタジャパンに転職し、関西の複合機直販営業として中小企業担当を5年従事
・現在はITコンサル系企業に転職


私のコニカでの営業としての業務

中小企業の既存顧客に対して複合機を軸に営業活動を行っていました。詳細は以下のとおりです。

①複合機の提案
既存顧客に対して、複合機の入れ替えや増設の提案。さらにリコーやキャノんなど他の複合機メーカーを利用しているユーザに対するコニカミノルタ複合機の提案

②自社ツールの販売
セキュリティ、回線リセール、無線、クラウド製品など、コニカミノルタの製品を提案

③社外商品の販売
パソコン類、各種ソフトウェア、オフィスサプライなど、コニカミノルタ以外の製品の仕入れ販売


ここからは私がコニカを退職した理由を書いていきます。ちなみにこの記事をゼロックスやキャノンの人にも見てもらいましたが、声を揃えて「うちの会社も状況と同じ」と言っていました。

複写機メーカーはどこも、似たような事態になっているようです。



【退職理由①】コピー機市場崩壊

一番の退職理由は複写機市場飽和によるカウンター料金売上の下落で会社業績の先行きを悲観したことです。

複写機は既に差別化が難しくなっているため、継続的な収益であるカウンター料金だけでなく、コピー機のリース料金相場もどんどん下落しています。

そんな複写機に代わる次のビジネスを会社でも色々と模索していますが、今の市場にマッチした商品とはまるで思えない物ばかりが出てくることも、退社を決めた大きな理由です。

さらに、2~3年おきに方針がころころが変わる点も、継続的に働きたいというモチベーションを奪っていました。


【退職理由②】コピー機に変わるサービスを作る力が経営陣に乏しい

コニカミノルタには、そもそもイノベーションが起こる風土が決定的に欠けていると感じました。

新規事業を立ち上げる場合、1年~3年ほどは収益が出ない「我慢の時期」が必要になると思いますが、コニカミノルタでは「半期で黒字化出来ない事業はやるべきではない」という考え方があります。

そのため、複写機に変わる大きな収益を生む土壌がそもそも無いと感じます。


新規事業を提案するも、上司から猛反対

ここからは、コニカミノルタがコピー機に変わる商品・サービスを作れないと確信してしまった、ある事件をご紹介します。

コニカミノルタの会社風土として、挑戦的な仕事よりも安全で確実な仕事が評価される風土があります。

従って複写機に変わる新規事業を作らないといけないコニカミノルタですが、現場ではその真逆のことが起きています。

コニカミノルタのグループ会社の先輩から聞いた話です。彼がある新規プロジェクトを企画して彼の上司に上申したところ、

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