この5つを知らずに商品リサーチしては絶対ダメ。
商品リサーチってなんで大事なの?
コピーライターの方であればリサーチの重要性はある程度知っているのではないでしょうか。実は「リサーチ」とそれに基づいた「アイディア・企画」の2つで成功の8割が決まる、と言われているほどです。
広告の父と言われるデイヴィット・オグリビィも
「どう書くか(How)よりも、何(What)を書くか」が重要
と言っているように、ライティングテクニックよりも、その前の「準備(リサーチ)・設計・アイディア」をしっかりと作ることの方がはるかに重要でインパクトがあります。
リサーチすべき項目は3つ【1:見込み客 2:商品 3:競合・市場】があります。(3C分析と言われているものです)
その中で【1】見込み客(Customer)のリサーチが最も重要ですが、その次に重要なのが【2】商品(Company)のリサーチです。
なぜなら・・・
見込み客がその商品を選ぶか・選ばないかの重要な基準になるからです。
商品を販売することはよく「釣り」に例えられます。
この図にある「餌」が商品です。釣りの時に魚が好きなエビや虫などの餌をつけずに、納豆とかつけてももちろん釣れないですよね?(釣りはよく知らないけどおそらく釣れないはず)
だから、もしあなたが誰かの商品のコピーを書くのであれば、まず商品(餌)について誰よりも知っておくことが重要。
ちなみに、これは物を販売する時だけに限りませんよね?就活でも、まずは自己分析をして自分という商品を徹底的に知ることを求められます。自分のことをよく知らないのに企業に売り込むことなんてできないからです。
さらに・・・商品をしっかりとリサーチすることには、良いことががまだあります。
それは、見込み客に「この人めちゃくちゃ知識ある!」と信頼されることです。もしあなたが何か家電を買おうとして家電量販店に行ったとしたら、誰から買いたいと思いますか?
もちろん、ものすごく商品に詳しい店員さんから買いたいと思いますよね?それと同じで人は商品について誰よりも詳しい人から買いたいものです。(失敗したくない、恥をかきたくないという心理があります)
そしてそれは見込み客に限りません。クライアントにも「よく調べてますね」と驚かれ信頼されるでしょう。
これで商品リサーチの重要性が少しはわかっていただけたのではないでしょうか?
それでは少し長くなりましたが、ここからいよいよ本題の「商品リサーチの5つのポイント」に移っていきます!
商品リサーチの5つのポイント
【1】特徴(事実)をリストアップ
まずは売りたい商品の特徴(事実)をリストアップしましょう。ここは事実であればどんなことでも良いです。文章に具体性を出す上でも重要なフェーズですので、特に期間や金額などの「数字」に注目して詳しくリスト化していくと良いです。
例えば、ウォーターサーバーを売りたいとなった時、特徴は、水を毎月届けてくれる・〜産の良い天然水が届く・購入する必要なく月○円でレンタルできる・冷水だけではなく温水も出せる、デザインがカッコ良いなどがリスト化できるでしょう。
【2】ベネフィットをリストアップ
ベネフィットとは、簡単に言うと「相手にとってどんなメリットがあるか」ということですが、このベネフィットで重要な考え方は
お客さんに「変化」をもたらすものであるかどうか、です。
お客さんが買っているのは「変化」「結果」です。お客さんは商品自体には興味がなく、「この商品を買うことによって私はどう変化するのか、結果どうなるのか」に興味があります。
ですから、ベネフィットも「これをやって(知って)どう変化するのか?」と常に呟きながらリスト化することをオススメします。
先ほどのウォーターサーバーの例で「このウォーターサーバーを買うことで相手はどう変化するのか」を考えます。特徴からベネフィットへの転換を考えてみると・・・
・水を毎月届けてくれる→「水を毎回買いにいく手間がない」
・良い天然水が届く→「水を積極的に摂るようになるので健康に良い」
・購入する必要なくレンタルできる→「コンビニで水を買うより安く水が手に入る」
・冷水だけではなく温水も出せる→「手軽にお湯を使える。白湯も飲めて健康に良い」
・デザインがカッコ良い→「おしゃれなインテリアの1つとして部屋に置ける」
このように「これをやってどう変化する?」「これをやってどう変化する?」「これをやってどう変化する?」・・・と呪文のように頭の中で唱えながら1でリサーチした特徴を1つ1つ見てベネフィットをリスト化していきましょう。
【3】ビッグプロミス(約束)を考える
ビッグプロミスとは「この商品を買ったら、あなたはこう変わります」と一言で言える大きな約束のことです。
つまり・・・「要するに、何をしてくれるの?」ということです。
「大きな約束こそが、広告の魂である」サミュエル・ジョンソン
「あらゆる優れた広告の基本は、信頼できる約束である」カート・ヴェネガット
偉大なマーケッターがこのように言っているように、ビッグプロミスは非常に重要です。
【2】でたくさんのベネフィットが出てきたと思いますが、それを全て伝えても相手は覚えてられず、結果、印象が薄くなり記憶に残りません。ですから、リスト化したいくつものベネフィットを統合して1つのベネフィットを見つけ出しましょう。
先ほどのウォーターサーバーの例ですと、「要するに、手軽に水が取れて健康的に暮らせるインテリア」と言えるでしょう。(もちろんもっと特徴を深掘りすればもっと良いビッグプロミスが出てきますので、できる限り細かく特徴とベネフィットをリストアップしていきましょう)
【4】独自のメソッド(USP)
USPとは、1940年代アメリカテレビ広告のパイオニアであるRosser Reeves(ロッサー・リーブス)によって生みだされたマーケティング用語。
Unique=ユニーク・独特・唯一の
Selling=販売
Proposition=主張・提案
の略称で、要するに「他にはないユニークな主張で商品を売る」という意味です。他の会社の商品と何も違いがなく優位性がなければ、あなたの商品を選ぶ理由がないですよね?ですから効果的に宣伝するためには、独自のセールポイントがなけれなならないのです。
このUSPの重要性について、ロッサー・リーブスはこのような言葉を残しています。
「このユニークな提案は、何百万という大衆を動かすものであること」
つまり、USPはわずかな違いではダメで、重大な違いでなければならないということです。
実は【2】で出したベネフィットは、どの商品もほとんど同じであることが多いです。例えばウォーターサーバーも、いろんな会社が出していますが、「手軽に水が取れる」「健康に良い」というベネフィットはどのメーカーにも通じていますよね?
ですから、ベネフィットだけを伝えてもあなたの商品を選ぶ理由にはならないのです。
ではどのようにしてその違いを出すのか?
それは・・・「方法論」です。
「手軽に水が取れて健康に良い」というベネフィットを手に入れるための方法はいくつもあります。浄水器をつける方法もありますし、ペットボトルの天然水を毎月配達してもらう方法もあるでしょう。
同じウォーターサーバーでも、オフィス用の利便性重視の大きいサイズのものもあれば、一人暮らしの女性に向けたおしゃれなデザインのものもあります。
ですから「この商品には他にはないどんな魅力的な方法でベネフィットを叶えてくれるのか?」を考えていくことが重要になります。
そのUSPを作り出す方法は2つあります。
1:意外なところ、面白い事実、知らなかったことを集める
ウォーターサーバーと聞いて、「普通に水を買った方が安い」と思っている人が多いのであれば、ペットボトルの水を買うよりもいかに安く済むかの意外な事実を提案したら魅力を感じてもらえるかもしれません。
リサーチの1で集めた特徴の中で、意外なところ、面白い事実、知らなかったことを見つけてみましょう。
2:具体的な情報(数値化できるものや事例)
ウォーターサーバーの大きさがネックになっている人もいるかもしれません。部屋が狭かったりと置く場所がないと思っている可能性もあります。ですからしっかりと横幅や奥行きが何センチあるのか数値で伝える必要があるでしょう。
また、先ほどのペットボトルの水を買うよりもいかに安く済むかを提案する際に具体的な金額を表などで比較して伝えることもできるでしょう。
これらの2つの方法で、あなたの商品にしかない独自のメソッド(USP)を作り出していきましょう。
【5】証拠
もしあなたの友達が「これを飲めば身長が10cm伸びるらしい!買わない?」と言ってきたとしたら・・・あなたは信じますか?
どれだけ魅力的なことを言っていても「証拠」がなければ信じず無視しますよね。3でビッグプロミスを伝えましたが、実はここで重要な考え方があります。
「約束は大きくなればなるほど証拠も大きくしなければならない」
わかりやすく言うと「大げさなことを言うなら、それ相応のしっかりとした証拠を用意する必要がある」とういうことです。当たり前のことですがコピーライティングを習いたての人は誇張表現はするけど証拠を伝えない人が多くいます。
例えば「1週間で5kg痩せます!」と言っても「無理でしょ」と思いますよね?
では、これに証拠を載せると・・・
「1週間で5kg痩せます!」
↓
「NHKと米国FDAが共同開発。1週間で5kg痩せる『厚労省認可プログラム』。既に192700人のユーザーが満足しています。」
と、表現に変えたらどうでしょうか?
「もしすると本当かも?」と思うのではないでしょうか。
ヘッドラインでここまで信じてもらえたら、それ以降の文章を読んでもらえる可能性が飛躍的に高まるでしょう。これが証拠の力です。
ではどういった証拠を載せるべきでしょうか。その例をいくつかこちらに載せておきます。これを見ながら「自分の商品にはこれはあるかな?」と探してみてください。
<実績や権威、評判>
・メディア露出(雑誌・新聞・テレビ・ラジオ・ニュース)
・セミナーや書籍
・実績(◯◯年数、創業◯◯年など)、達成度合い(〜状態になりました)
・権威・有名人との繋がり、クライアントやユーザーに有名人
・第3者の声(お客の声・有名人の推薦・企業の推薦)
→お客の声は「量より質」お客さんのストーリーなども良い
<商品の効能>
・Before After・デモ
・実験結果
・グラフ、チャート
・資格
・研究結果
・・・いかがだったでしょうか?
以上が商品リサーチの5つのポイントです。この5つのポイントを頭に入れて商品に誰よりも精通することができれば、あなたも反応率の高い良いコピーを書くことができるでしょう。
どうやってこれらの情報を調べればいいの?
最後に、これらの商品の情報をどうやってリサーチすればいいのかをお伝えします。やはり一番簡単で手っ取り早い方法は・・・
「クライアントに直接聞く」
です。なぜなら、商品を扱っている人が一番商品に詳しいからです。できれば直接会ってクライアントの表情や言葉の端々から出る「熱意」を感じれると良いでしょう。情熱は伝染していきますのでクライアントからあなたへ、あなたから見込み客へ伝わり、購入を決定する1つの重要な要素になります。
上の5つのポイントを質問形式にしてクライアントに1つ1つ聞いてみましょう。もしあなたが本などの情報コンテンツを販売するのであればその内容を何度も読んで誰よりも詳しくなりましょう。
20世紀半ばの伝説的なコピーライターであるユージン・シュワルツは売る予定の本を最低でも4回は読み内容を暗記するほど隅々まで知り尽くしていたと言われています。それによって彼の本は驚くほど売れたのです。
今すぐノートを一冊用意して商品リサーチをはじめよう
まずは1つの商品につき1冊のノートを用意して、上の5つのポイントの1つ目、「商品の特徴・事実」を書き出してみましょう。
リサーチは地味でつまらないものと思っている人が多いですが「成功の90%は努力」という言葉があるように、1つ1つの地道なリサーチの積み重ねが大きな結果を生み出します。
ぜひ実践してみてくださいね(^^)それでは!