【日々是良書】No.7『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ
以前、「強運の持ち主」を読んで、気になっていた瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」をついに読みました。
すこし、分厚い本の長編で読むのを躊躇していたのですが、読み始めたら1週間足らずで読んでしまいました。後半から加速度的に面白くなってきたので、学校の課題をほっぽり出して読んでしまった、、、 今から、宿題やらなきゃ、、、
映画が、地上波で放送されたときは、いくつかのシーンしか見れなかったので、全編なんとして見ねば!(映画をちょっとでも見た影響か、優子ちゃんの会話文が永野芽衣さんの声にしか聞こえなかった、、、)
主人公の優子は、大人になるまで何度も家族の形態が変わってしまうという、数奇な人生を歩みます。高校生の優子とその”お父さん”となる森宮さんと暮らしていて、過去の暮らしを回想しながら物語が展開していきます。
物語の書き出しは、「困った。全然不幸ではないのだ。」という優子ちゃんの心の声から始まります。なんて贅沢な悩みなんだ!、と思いながら読み進めても、彼女を支える”家族”の愛情を思えば納得のフレーズです。
家族が何度も変わるという、非日常的なことに反して、本書の登場人物は良い人ばかりなのです。彼らの人柄の良さには、とにかく心が洗われる気分です。優しく、思いやりに満ち溢れた人物ばかり。
個人的には、2番目の”お母さん”となる、梨花さんの行動力と飄々としながらも、自分の運命と向き合い大切な人を必死で守ろうとする、そしてその姿を大切な人には決して見せようとしない芯の強さに感動しました。
そんな梨花さんを表す一言を
心の隅に留めておきたいフレーズです。
困ったとき、つらいとき、誰かが、あなたのことを見守ってくれている、という力強いメッセージを感じる作品でした。
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