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ブルオレ Apr.7 [アフトあり]

🍊ブルースに共感しがち。
🍊有意義なお話が聴けて大満足のアフト。
🍊なぜそこにオレンジが?

『BLUE/ORANGE』2回目。今日はA面から。後列だけどセンターだったし、主にラスト近くでこないだB面からは見えなかった表情が見えて良かった。
あれ?冒頭のやり取りテンションがかなり落ち着いて(マイ初日の時は2人ともウェーイみたいなテンションだったような)「クリストファー。」って「そうだね。クリストファーだね。」みたいな、幼児に対するみたいな言い方になってた?これはこれで可愛いな♡
クリスに対してブチ切れた後、オレンジの皮を齧ってるとこからの、クリスがオレンジに突っ込んだことある?って言うのを聞いてるあたりのブルース、能面のように無機質でめっちゃ怖いって言うか気味悪い顔で、アフトの時なんかあんなにチャーミングな成河さんと同じ顔面だとは到底思えない…まったく、成河さんの顔に見えない…あんなキラキラ✨クリンクリンなお目々をあそこまで封印することができるってどんな技術なんだ!
あの顔で一旦虚無になって、そこからラストのロバートへの巻き返しに備えたのか?
あと、退院するクリスの不安げな表情も心に残った。

質疑応答形式のアフトも大変有意義で満足!

クリスは最初から最後までひとつも変わってない。28日間が一体何だったんだ!ということにしたかった、と3人で仰ってたのがワタシ的最注目ポイントだったかな。

ブルースの粘着質な(千葉さん度々そう表現してたw)青臭い正義感とかロバートのオトナらしい汚さや固定観念や、その2人が繰り広げるパワーゲームに只々翻弄されるクリス。
クリスは言葉を言葉どおりに受け取っちゃうんだもの。感情や行動がそれに左右されてしまうんだもの。
ブルース・ロバートの言葉に対する、クリスの反応や表情の変化を追うのが面白い!
もちろん唐突で、ん?て思うところもあるんだけど。
考えを植え付けられることを特に怖れ嫌っていたのが印象に残ってる。

「ヤバイっしょ」はやっぱりYou know what I mean? だった。
初演ではこれ「わかる?」とか「着いてきてる?」だったらしい。「着いてきてる?」って言うとこ今回1カ所あったよね。

マッチばら撒きも椅子クラッシュも最初はハプニングで、面白いね!となって以降やってるんだってw

芝居はキャスティングが8割、台詞もその役者に合いそうな語彙を選択して考えられている、ヤバイっしょとか実際稽古場で生まれたものもある、という千葉さんのお話に感心&納得。
小川絵梨子さんの新訳は、語数・行数とか英語とあまり差が出ないように配慮されてるらしい。すごいな。

成河さん、自分がクリスを演じた時にはもっと「病気」が前面に出てたな、と。章平はニュートラルに演じてる、と。なるほど。
だからこそ、ブルースもロバートもクリスの前でつい自分の心中を吐露してしまうことに説得力が出てる?
あと、初演の千葉さんブルースは「哀愁」だったらしい。実年齢40代だったからね。しゅうさんのロバートはゆったり喋るしとても「権威」チックだったって。なるほどねー。

言葉…
「こいつこんなこと言った」「そんな意味で言ってない」の応酬で3人の関係性が次々と変化していくお話だから、言葉というものについてやはり考えてしまう。
如何に色んなモノを込められるか。色んなモノが意図せず込められてしまうか。それを受容するセンスについても。
拠り所になる。武器になる。凶器になる。言葉があるからこそ「言外の意味」が生じる…
ひたすらそのままに受け取ってしまうクリスへの違和感。
私は言葉の力を信じたいタイプなんです。言葉に縋るよ。色々なことを、なんとか言葉にしたいと思う。誠実に。その技術も欲しいと思う。

観劇後にお友達とお茶して、ブルースは男子たちが大好きなエロトークみたいなの嫌いなタイプなんだね〜友達いなさそうだよね〜とか、いろんな話して楽しかった♪
お友達が、電灯を点けたり消したりするの何だろうーって言ってた。確かに、意味ありそう。私がちょっと気付いたのは、消すとテーブルの上のオレンジが浮き出るということ。

ブルースがロバートに追い詰められていくところでは、ブルースに共感してすごく悲しく悔しくなっちゃって憤りのドキドキを感じたな。え?え?え?おかしいよね?あり得ないよね?って。ダメだよブルース!そこでそんな直情的な行動に出ちゃったら負けだよ!おかしいのはロバートなんだから、勝つ方法はあるはずだよ!って思っちゃった。

オレンジのこと、もっと考えてみたい。
クリスはマーケットでオレンジを売ってた。
オレンジに突っ込んでた。クリスマスに一度グレープフルーツでしたこともあった。彼女が欲しかった。
そう言えばクリスが言ってたけど、ロバートはオレンジを人だって言った?
オレンジとイディ・アミンとの繋がり。
お前らオレンジに何を入れたんだよ!って言ってたよね…
このオレンジはブルーだって、劇中シーンの前日にクリスはブルースに言ったみたいだけど、どういう文脈だったんだろう?
この発言を契機に、ブルースはクリスの退院を阻止しようと考えたんだと思うけど。
ハッ!あの部屋にオレンジ…偶然あった訳じゃない…ブルースが意図的に持ち込んでるよね!
オレンジがクリスの病理を解く鍵になると思っていた?
てか、ブルースの考えの中でクリスとオレンジのストーリーが作られちゃった⁉︎
え?ブルースヤバイっしょ!

そう言えばクリス、ブルースのこと「あいつ俺のこと変な目で見んだよ!」って言ってたけどどういう意味だろう…
↑これについては戯曲読み返して…「人種差別」に言及された瞬間にクリスは完全にシャットダウンしちゃうんだな、と。
ロバートはそういう問題に理解がある風な知識層的なことを言うけど、言葉の端々から判るように根っこのところで無意識にものすごく差別意識・階級意識を持ってる人。
ここではロバートなんかが予測できない(私見ですが、人の痛みを感じられるって思うことはある意味傲慢だと思うんですよ。)くらいにクリスに反応されてしまって焦ってる。クリスはその流れで、ブルースに悪意を抱いてしまった。そしてドラッグ云々という話も出て、ロバートはブルースを審議にかけることにした。保身もあったし、元々ブルースのこと面倒くさいと思っててあんまり好きじゃなかったからね。

あ…ブルースはラグビーなんか全然好きじゃなくて、きっとサッカーが好きなんじゃないかな。ロバートと階級の差。
あるいはラグビーにもサッカーにも興味ないけど、ロバートとの付き合いやクリスとの話の取っ掛かりとして利用してる。相手によって使い分けてる。


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