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第1回THE NEW COOL NOTER 賞 ~ 受賞作振り返り【小説部門】

みこちゃんの寄稿です。第1回の楽しい思い出を振り返りたいと思います。
すでに第2回の応募数は前回を越えましたが、第1回のチャレンジが皆様のおかげで大成功に終わったので、それがこうして第2回に受け継がれているのだと思います。

noteの私設賞では、エントリ作品数も最大級の私設賞となりました。

第1回を支えてくれた応募者の皆様に感謝しながら、あのイベントを涙拭きつつ(/_;)
振り返ってみたいと思います。

こちらから第1回みこちゃんコンテストのすべての作品をすべてお読みいただくことができます。

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【小説部門】のノミネート作品の結果を発表させていただきます。
審査委員はみこちゃんがつとめさせていただきました。

受賞作と、ノミネート作品への批評は、以下のとおりとなりました。

小説部門受賞作 ~ 伊藤緑さん

平易な描写の中に何か大切なことを描写する。

これがいかにむずかしいものであるのか、わたしも小説を書くのでそれはとても良くわかります。

伊藤緑さんの小説は、まるで太宰治のように平易になのにいきなり心に飛び込んできます。
電話越しというもどかしさが逆にその方の切実な思いにつながっている。
ここは見事だなと思いました。

工夫されているのにそう思わせない。
小説というものをすごくよく知っている方なのだなと、改めて思いました。

「一日経って、二日経って、一週間、十日。連絡がきました。どぉ? っていう、真面目な。」

連続した時間の経過の中に電話越しの思いが充満する。

よく聞く言葉で、会って話せばわかる。
こういうのがありますけど、ほんとはちがうと思います。

会わないからこそ近づけるものもある。
言葉で議論を交わさなく、「ラ」のみで感謝も別れも生まれる。

「ラ」に文字としての意味はない。
でもそこには静謐な出会いと別れがある。

もしかすると、人類最初の言葉は「ラ」だったんじゃないかな。
そんな気がしました。

2位ノミネート ~ 愛加ちゃん
(みこちゃん奨励賞対象作品)

まるで最高の宝物の絵本を、昼下がりの大きの木の下のひだまりの中でパラパラとめくるような文章だね。
愛加ちゃんの文章は、美しい選ばれた単語が、パラパラまんがのようにストーリーを指先で作っている。

ページを右手の親指と人差指でさっとすばやくめくっていくと
動いていないものがきれいにストーリーを持って動いていく。

まるで魔法のようだよ。
メリーポピンズも、愛加ちゃんが好きなバレエのことも、ピーターパンもウェンディーも、ティンカーベルも
ぜんぶ、この講評ではあえて書かない。
充分すぎるほど分かったから。

ただ、「絵の中の世界を旅する」という愛加ちゃんの跳ねるようなパラパラ絵。
授業中にこっそりノートに書いたあの思い出のように、大切なことを、思い出を忘れない。

そんな文章に自然と涙するように感動しました。
自由に躍動する文章。
単語に生命を吹き込むような文。

思春期の頃、大好きな同じクラスの愛加ちゃんと、お昼休みにお弁当を食べならが、パラパラまんがしながら、最高の休み時間を過ごせた気がしました。

ありがとう

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第2回THE NEW COOL NOTER賞の応募期間は終了しました。
みなさま、たくさんの応募、ほんとうにありがとうございました。

引き続き、応募作品への講評と、授賞に向けた審査をお楽しみください。

よろしくお願いいたします。

参加者同士の交流の場所を設けてございます。
お気軽にご参加ください。

*なお講評は分担制にしているため、必ずしも応募順に講評結果が発表されるわけではございません。よろしくお願いいたします。

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第2回ロゴお正月バージョン

COOLNOTERロゴ


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