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【海外ニディガトピ】海外では超てんちゃんがショタコンだと思われて嫌われているらしい話: 超てんちゃんの性格の悪さに驚く人々

超てんちゃんを"キャンセル"する若者たち

 「ニディガ(もしくは超てんちゃんやあめちゃん)のことは好きだけど、原作ゲームはプレイしてないよ」という人々が実は結構いるらしいということは以前にも触れました。しかし、超てんちゃんやあめちゃんを深く知ることで嫌いになってしまったという若者が海外にはある程度いるようです。
 今回の騒動の火種となったのは、こちらのツイートだと思われます。

 「私はニディガが大好きだけど、超てんちゃん(あめちゃん)がどれだけひどい人間か気づき始めた。どうして私たちはショタコンを崇拝しているの?」といった文章です。
 そして、これに同調する意見がredditでもいくつか散見されました。Twitterでも似たような議論が繰り広げられているほか、Tiktokにもこの"事実"を伝える投稿がなされているようです。インストールしたくないので未確認ですけど。

https://www.reddit.com/r/NeedyStreamerOverload/comments/1dyo5l1/heartbreaking_long_time_needy_streamer_overload/

https://www.reddit.com/r/NeedyStreamerOverload/comments/1dyi5r9/the_entire_international_fandom_this_week/

https://www.reddit.com/r/NeedyStreamerOverload/comments/1dz6bz8/what_is_a_nso_hot_take_that_got_you_like_that_ill/

 なお、幸いなことに、超てんちゃんへの支持を表明する人々もいます。彼らは、超てんちゃんを「キャンセル」(これは排斥という意味らしいです)したがっているのはZ世代の若者たちである(だからインターネットに触れる準備が出来ていない)と述べていました。

https://www.reddit.com/r/NeedyStreamerOverload/comments/1dyyeqk/what_she_literally_is_a_terrible_person_that_is/

https://www.reddit.com/r/NeedyStreamerOverload/comments/1dyx9wy/i_really_love_amekangel/

https://www.reddit.com/r/NeedyStreamerOverload/comments/1dyrjfd/if_kinning_ame_is_wrong_then_i_dont_wanna_be_right/

 興味深い点は、彼らが超てんちゃん/あめちゃんを「悪い人」であると捉えている点です。議論している人々は、彼女がショタコンであるという点を重く捉えているようでした。

超てんちゃんショタコン説

 なぜ超てんちゃんがショタコンということになっているのでしょうか? 私の記憶にある限り、超てんちゃんがショタコンと結びつけられたことはありません。日本語で「超てんちゃん ショタコン」と検索しても、特にヒットしませんでした。これまで読んだアンソロジーにもそんな印象的な描写があったとは思えません。
 答えは、ネットロアLevel4配信の「恐怖を乗り越える方法」にありました。この配信で、超てんちゃんは八尺様について話しています。
 知らない人のために軽く解説しておくと、八尺様は身長が240cmもある女性型の怪異です。子供を好んで連れ去り取り殺すとされていましたが、ある日を境にインターネットでは八尺様のえっちイラストが流行しました。結果、八尺様のイメージは高身長おねショタへと塗り替えられることになります。
 このように、別のもので上書きすることで恐怖に克てるということです。ペニーワイズとルーザーズクラブの戦いみたいなものですね。
 さて、この配信のコメント返しが問題でした。まずはひとつめ。

コメント「ショタってなんですか?」
超てんちゃん「それはね キミみたいな子供のことだよ 知らないお姉さんについていったらダメだぞ♡」

 もうひとつ。

コメント「おねショタ好きですか?」
超てんちゃん「もちろん、かわいい男の子は好きだけど お姉さんより、男の子同士がイチャついて欲しい!」

 このやり取りこそが、超てんちゃんがショタコンだと思われた原因のようでした。
 前者のやり取りでは、「ショタ」がなんなのかと聞いている視聴者に対し、その視聴者自身を「ショタ」=子供扱いして返しています。いかにも彼女らしい軽口だという感じがしますね。
 後者のやり取りでは「おねショタ」が好きかという質問に対し、「お姉さんとショタのカップリングよりもかわいい男の子同士のカップリングが好み」という意の返答をしています。ここが誤解されてしまったのでしょう。

ショタコンは悪か?

 超てんちゃんが「かわいい男の子同士でイチャついてるの好き」といった意味の発言をしても、日本人でここを問題視している人は見たことがありません。これは、言葉の意味や捉え方に起因する文化の違いではないかと考えます。
 ロリコンやショタコン、もしくはロリショタの同性カップリングは、日本では割と一般的な性癖に区分されます。もちろん、その対象が幼稚園児級に幼かったりすれば話は別ですが、少なくとも即座に非難されるべきものではありません。
 それは、その趣味があくまで二次元の虚構に留まるものであるという了解があるからです。そしてもうひとつ、こうした言葉が内包する範囲が非常に広いからです。
 おそらくですが、あめちゃんが重度のショタコンや腐女子(ボーイズラブを大好物とする生き物)だという描写はここ以外だと思い出せません(見落としてる気もするのであったら教えてください)。なので、ここでのあめちゃんの発言はせいぜい「かわいい少年が触れ合ってるのっていいよね」くらいのことだと思います。少年たちがハードなガチムチホモセックスをしている様を指しているのではないはずです。たぶん。
 あるユーザーは、「あめちゃんがドラッグをキメようがピを殺そうがカルト教団を立ち上げようが配信中に自殺しようが構わない、でもショタコンはダメだ」とまで言っていました。海外はロリショタにめちゃめちゃ厳しいらしいということをたまに聞きますが、これほどまでとは思いませんでした。たぶん根本的なところにある文化の違いですから、うまく語れたか不安です。

追記: ありましたね! 市ヶ谷へのおでかけで『おそ松さん』(BLでおなじみらしい)に言及しているどころか、池袋へのおでかけではBLもの同人誌買ってました! ごめんなさい!

超てんちゃんが「ひどい人間」だという衝撃

 さて、超てんちゃんのショタコン疑惑がこれで晴れたとしても、彼らはショタコンということだけを問題にしているのではないようでした(ショタコンだというのは非常に重く衝撃的なことだったようですが)。
 記事冒頭のツイ主は、おそらく他の部分から超てんちゃんに触れたのでしょう。そこから彼女を好きになって、いよいよゲームをプレイしたものと推測されます。
 ……まぁ、驚きますよね。ちょっと口は悪いけどキラキラした天使に惹かれて近づいたのに、その本体は性格が終わっていておくすりキメたりリストカットしたりするような女の子だったのですから。
 その性格の終わり具合から、超てんちゃんは「悪人」だの「ひどい人間」だのとまで呼ばれるに至ったのでしょう。それまでの印象との落差もあったのかもしれません。そして、そんなことは重々承知(というかだから彼女のことが好き)な既存ファンとの間に対立が生まれてしまったのだと推測します。
 私たち既存ファンは、ニディガがどういうゲームか、超てんちゃんとあめちゃんがどういうキャラクターか理解したうえで彼女たちに出会いました。ゲームを起動して最初に話すのはあめちゃんであり、開始十秒で彼女の性格がだいたいわかります。そして、一緒に暮らしていく中で、あめちゃんという存在をゆっくり理解していきます。
 ですが、最近のファンはそうではないのですね。あめちゃんからではなく、超てんちゃんから入っています。それはあめちゃんという彼女の内面を知ることをすっ飛ばすことを意味しますが、これも超てんちゃんの魅力ゆえのことでしょう。
 そして、私たちはこの出会い方をすることが出来ません。超てんちゃんの表面から好きになるのって、作中世界の一般フォロワーたちと同じ視点なんですよね。『フォースの覚醒』が公開された時、「あえて過去作をすべてスキップしてエピソード7から観ることで、新作の主人公たち(過去作での出来事は神話に近いものだと思っている)と同じ視点になれる」という意見があったのを思い出しました。この点はちょっと羨ましいと思いますね。

まとめ

 いかがでしたか?(様式美)
 今回の事件は、あめちゃん24歳論争の時と同じように翻訳の問題でもありましたが、同時に文化の差が生んだ事件であり、ニディガを知ったルートの違いが生んだ事件でもありました。個人的にはあめちゃんと超てんちゃんのどちらを先に知るかということでここまで印象が変わるというのが興味深い点でしたね。
 初代ニディガ展は渋谷のど真ん中で開催されましたが、それにはニディガを知らない人にも興味を持って欲しいという願いが込められていました。それから約1年、ライトファンもかなり増えてきました。これは素直に喜ぶべきですね。
 もうこんな悲劇を生まないためにも……プレイしよう! 『NEEDY GIRL OVERDOSE』!


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