立ち飲み反省の記

公休日が普段とズレたために気になっていた飲み屋に行ってきた。
こういうところへは本当は彼氏も道連れにしたいのだけれども壊滅的に予定が合わないため1人で行くことにする。
こじんまりした店内は立ち飲み形式。クラフトビアバーの間取りに似ている。壁に等間隔に置かれた酒瓶が清潔な感じがして良かった。
開店と同時に入ったら5分と経たず、あれよあれよと常連の方たちで埋まって行った。
お店は女性店主がひとりで切り盛りしていて忙しそうだった。それでも注文のうかがい方、ドリンクとフードの提供はとてもスムーズだった。
1番に入店したわたしの隣には若い男性、その隣には常連の男性が女性をともなっていてさらにその後には常連の方が何人か入店して来ていた。
黙々と飲むわたしと隣の男性の隣では盛り上がっている声が聞こえてくる。
お酒とつまみはどれ素朴でおしゃれで美味しくて。ワイングラスも遊び心があり素敵ではあったものの、まわりが盛り上がっている気まずさと1人で飲むことに慣れていないことから同じく黙々と飲んでいる隣の男性に声を掛けた。
仕事柄ひとと話すことに苦手意識はないし、男性も心遣いのできる方だったのでお酒も手伝ってそれなりに会話は弾んでいたと思う。
周りにいない研究職の方だったので話の内容も面白かった。
お酒もある程度進み、もともと長居する気持ちも薄かったのでキリのいいところで男性にお礼を告げて帰ろうとしたところ。
「連絡先を交換しませんか?」と言われた。
その時に、ああしまった。とはじめて思った。
昔飲み屋で連絡先を交換したとき(その時は友達とわたしと相手方でグループラインを作ったのだが)後々めんどうになったこと、彼氏がいることもあり基本的に(滅多にないものの)友だちと飲んだ時に第三者に声をかけられたら連絡先の交換は断るようにしていた。
最近ひとりで飲む時は常連さんが気をつかって話しかけてくれるか、客がわたし一人で店主とずっと話しているかの2択だったので想像が及ばなかった。
お断りすると気まずい空気になり。そりゃそうだよなと思った。話しかけたのはわたしからであるし。
お店は想像以上に素敵だったのでお土産も買い求めて後にした。

こういう時、どうしたらよかったのかと酔いが回る頭で考えながら駅に向かった。
交換するべきなのか、交換してブロックするべきだったのか、そもそも話しかけたことが間違いだったか。
彼氏がいることを考えれば交換しなかったのは正解であると思う。彼の性格も、わたしの性格も異性との連絡交換は良しとしない。

気楽に話しかけてはいけなかったのだろうと思いながら歩くと都心の生ぬるい初夏の空気がまとわりつき、自分では答えの出せない疑問を胸に帰路についた。

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