SiO₂ 酸性酸化物?

皆さまこんにちは。oiです。
今回はSiO₂(ガラス)が酸性酸化物でも塩基性酸化物でもない理由を考察しようと思います。
私は全くもって化学専攻ではなく、あくまで考察ですので確実なエビデンスはありません。私なりの酸性酸化物ではない要因を上げて考察したいと思います。実際には、水とは反応しませんが、塩基性の溶液と反応するのでこの点で酸性酸化物と分類されます。

二酸化ケイ素
二酸化ケイ素が水と反応すると
SiO₂+2H₂O→Si(OH)₄
になると考えられます。これはSiの価電子4つとOH⁻×4で安定するという理由です。(SiO₂は安定しているので、常温で水につけただけでは起こらないですが、条件を変えて反応させた仮定します。)
他の物質の場合、このように水酸化物になったあとOH⁻またはH⁺を放出します。
例)CO₂+H₂O→H₂CO₃→H⁺+HCO₃⁻

ですが二酸化ケイ素はこのどちらも出さないらしいのです。(厳密には、塩基性条件下でH⁺を出すが、水との反応はしない。)つまり、安定している状態ということです。

ここで水酸化物がH⁺とOH⁻のどちらを放出するのかの原則を確認しましょう。

水酸化物
XOHに関して、XがHより電気陰性度が大きい場合、X-Oの距離がO-Hの距離より近いのでH⁺を放出します。(電気陰性度が大きい方が互いの価電子を引き寄せるため距離が近い。)同様に、XよりHの方が電気陰性度が小さい場合はOH⁻が放出されます。

ではSi(OH)₄ではどうでしょうか。
Hの電気陰性度2.20
Siの電気陰性度1.90
となり、塩基性酸化物になるのではないか?と予想を立てることができます。ですが、原子半径を考えるとSiの方が大きいので、分子間力により距離が近くなって多少の電気陰性度の差ではOH⁻を放出するという結果にはならないと考えました。
まとめると、SiO₂+2H₂O→Si(OH)₄→SiO₂+2O²⁻+4H⁺になりやすいと考えます。
ですが、先述の通り電気陰性度はO>H>Siという順番なのでこの反応も起こりにくいです。つまり通常では酸性酸化物にも塩基性酸化物にもなり得ないために、条件を追加して反応を起こしやすくするしかないと考えられます。

他の元素でも考えてみます。
Pの電気陰性度2.19
Alの電気陰性度1.16
この2つは同じ第三周期の酸性酸化物と塩基性酸化物になる元素です。PもHより電気陰性度が小さいですが、Siと同様に分子間力を考えたらH⁺を放出のには十分可能性のある範囲の差だと考えられます。実際に水溶液中ではリン酸となりますね。ですが、これだけ差が少ないと電離する分子もあれば電離しない分子もあると考えられます。ですので、リン酸は弱酸になると予想がつきます。
他の元素では、HClではClの電気陰性度(3.16)がHより相当大きいので強酸となります。
AlはHより電気陰性度が相当小さいのでO-H間の距離が短く、OH⁻が放出されると予想できます。つまり塩基性酸化物です。

今回はSiO₂が酸性酸化物にも塩基性酸化物にもならない理由を考察していきました。(条件により酸性酸化物に分類。)いかがでしたでしょうか?
化学は様々な要素があり面白いですね!

紳士淑女の皆さま、今日も有難うございました。
よい1日をお過ごし下さい!

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