青春時代

アリスの曲で一番好きだったのは、「青春時代」だった気がする。

美しすぎる人よ。君は 君は ぼくの手で涙をふいて消えてゆく。
後ろ姿。

アリス「青春時代」歌詞抜粋

で、さっきググってみたら、作詞はなかにし礼さんで、作曲は都倉俊一さんだとなっていた。そうだったのね?
谷村新司さんの訃報、やはり寂しい。

突発性難聴でかなり聴力が落ちた後、少しずつ回復しつつある気はするけれど、そして、できるだけ「音刺激」を耳に入れようと、ラジオは昔のように流して、補聴器で聞いてはいるけれど、「言葉」はなかなか聞き取れない。(不思議なことに、NHKのニュースだけはかなりはっきり言葉が聞き取れて、それってどうやら「難聴」の年寄りにとっては「あるあるネタ」らしい。)で、流れてくる新曲も、音階が潰れてしまってみんな「念仏」みたいに聞こえる。それなのに、これも不思議なことに、昔聴いて覚えている曲は、旋律が聞こえる気がする。脳が補完してくれているだろうなぁ。耳で聞いてるだけじゃなさそうだ。

そんな中、ラジオを止めてプログラミングに集中しようとしている時、画面周りなどの単純作業になってくると、昔の歌がBGMのように頭の中で再生されて流れてくる(?)ことがある。しばらく前からは、この青春時代がよく「かかって」いた。その前は、ダークダックスの銀色の道も流れていた。

遠い遠い 遥かな道は 冬の嵐が 吹いてるが.(中略)
銀色の はるかな道 ...
(中略)
続く続く 明日も続く
銀色の はるかな道

ダークダックス「銀色の道」歌詞抜粋

ダークダックスさんの銀色の道は、プログラミングの労働歌か、なんて思ってしまっていた。そうしたら、ゾウさんの訃報。こういう偶然は、嫌だなぁ。

ダークダックスや、デュークエイセスの歌は、親父も好きだった気がする。アリスよりもさらに時代は遡るけれど。

ただ、私にとっては、かつて好きだった歌を、記憶の中で再生するのが最近の「音楽の楽しみ方」で、こうなってくると、アリスも、ガロも、チューリップも、かぐや姫も、南沙織も、麻丘めぐみも、岩崎宏美も、太田裕美も、みんな現役。
と書いていて、恐ろしいことに気づいた。ほとんど中学高校時代以前に聞いた歌、ばっかりじゃないか。成人してからの歌が、「かかって」こない。
流れてくる歌は、どれも何かしら「甘酸っぱい」記憶にリンクしている気がする。これっていうのは、「老化現象」なんだろうか?

歌や音楽を、また耳で楽しみたい、という願いは、もう無理かも知れない。「青春時代」に逆行しているのが老化現象で、現実には懐かしいアーティストの訃報が流れてくる。この「現実」に折り合いをつけるのは、やはり、つらいものがありますね。

何かが終わって そして 何かがこわれて 落ちた あゝ

何かが終わって そして 何かが崩れて 消えた あゝ 

アリス「青春時代」歌詞

今、改めて歌詞を文字で見てみると、当時聞いていた歌のニュアンスとは全く別の景色が見えてくる気がした。いやだねぇ・・・

とりあえず、私はいまも「青春時代」ということにしておこう。

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