脱アメリカの禁断症状

エマニュエル・トッド/日本核武装のすすめ〈米国の「核の傘」は幻想だ。ロシア侵攻後、世界初のインタビュー〉――文藝春秋特選記事【全文公開】
https://news.yahoo.co.jp/articles/173fd4c981ef8c385fa47dbf3fb3bb48972a8f7d

戦争の責任は米国とNATOにある
 英仏独など西欧でいま顕著なのは、「地政学的・戦略的思考」が姿を消して、皆が感情に流されていることです。それに対して、米国には議論があります。この戦争が「地政学的・戦略的視点」からも論じられているのです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/173fd4c981ef8c385fa47dbf3fb3bb48972a8f7d

割と無頓着に、「非人道的な武力行使があれば、たぶん、アメリカが介入して、『世界の警察官』としての活躍をするんだろうな」などと考えていた。
その「思い込み」は、トランプの「アメリカ・ファースト」で崩れ始め、バイデンさんのアフガニスタンからの撤退、そして今回のウクライナ危機で、完全に崩れた。
プーチンは、アメリカが「介入」しなくなって来ている、アメリカの世論が、他国の紛争に関与することに拒否反応を示していることを、読んで、ウクライナに侵攻してもアメリカが介入しないことを確信していたのに違いない。

え?アメリカは、介入しないの?ということは、いざとなったら、アメリカから見捨てられる可能性が大きいの?という「親米国家」の一般市民にとっては、かなり衝撃的な展開になっている気がする。此の期に及んで「核の傘」を盲信しているとしたなら、そうした政党は、相当に能天気な気がする。「核の傘」が実は破れ傘であって、土砂降りになったらずぶ濡れになる程度の傘でしかない、という「推測」は、展開としてほぼ確実になっている気がする。だとしたら、選択肢は二つ。エマニュエル・トッド氏が勧めるように日本も核武装するか、でなければ、「全面的な核兵器の禁止」に一歩を踏み出すか、いずれかだと思う。私の考えは後者だけれど、最終的には国民の「政権選択」の投票によって決まると思う。顔色伺いだと、世界をミスリードする気がする。日本の責任。

一つだけ思うのは、アメリカがあちこちに「武力介入」しなくなっているのは、むしろ良いことのような気がする。トランプは対イランの軍事行動を起こすために、「自作自演によるテロ」被害を主張したと私は理解している。アメリカもロシアも、やってることに大差はない。

中南米で左派政権が目立つようになっているらしい。

ラテンアメリカの左派政権ブーム
https://imidas.jp/jijikaitai/d-40-003-07-04-g032

アメリカの影響力にどう対処すべきか、ということなんだろうと思うけれど、やはり、全世界的に「脱アメリカ」が進行しているような気がする。
自民党はアメリカべったりだから、「失われた30年」で日本だけが「所得が30年前のままに留まった」のと同様に、「脱アメリカ」を受け入れず、日本だけがアメリカと心中するように、世界での影響力を低下させた、などということがないように祈りたい、けれど、日本の選挙民はそんなことは気にしない。
「一円でも安く」という経済最優先で、対外関係については何も変わらない、ということは、世界の「流れ」に逆らって、アメリカと心中する道を選ぶ、そんな気もする。

そもそもが、この「一円でも安く」の裏には、日本の食糧事情をアメリアの支配下に置く目的があった、という指摘がある。TPPには、有益性が大きい、」と理解しているけれど、その「有益性」は「平時」のものであって、「戦時」ではおよそ役に立たないようだ。そのような「流れ」を、日本は(政府も、大手商社も)受け入れようとしないのだろうと思う。結果的に、家畜の餌が暴騰して、畜産業では「存続の危機」に直面しているようだし。

きつい「禁断症状」だ。ただ「脱アメリカ」に世界が慣れてしまえば、(おそらく、同時進行で「脱超大国」が加速する気がするけれど、)「武力衝突」が起きにくい世界にシフトしてくるような気がする。ここでも日本は、「遅れ」を取るのかなぁ・・・

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