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年間ベスト音楽2019 (※後で追記します)

画像に特に意味はないです。

今年ほど寄る辺ない気持ちで新譜を聴いていた年はありませんでした。
もはや、何がトレンドか、何が新しく刺激的か、全くわかりません。
でもあんまり関係ないですよね。
自分だけの夢を、それぞれの音楽のなかで見るべきです。

グリッチやアンビエントといった非楽音ばかり聴いていました。
(っていうか池田亮司、Mark Fell(SND)、Raster-Noton周り)
だからベストって言えるほど新譜を聴いていないけど、15枚、絞り出したものが以下です。

ベスト15枚

15.Robert Glasper - F**k Yo Feelings
- このブラックネスが聴きたかったし、反抗していると感じた。

14.Grischa Lichtenberger - Re: Phgrp
- グリッチ × ジャズという滑りそうなコンセプトがこんなにきちんと結実するなんて。



13.Kali Malone - The Sacrificial Code
- オルガン・ドローンなんて初めて聴いた。例えばどっかの楽団の練習に忍び込んで、オルガンのロングトーンが十数分、延々続いたら似た快感だろうな。でもそんな日は来ないのでこれを聴く。


12.The Caretaker - Everywhere at the end of time(Stage 6)
- アンビエントでもノイズでもないですね、もはや。移入するのが怖すぎる。このレビューはストンときた→ http://www.ele-king.net/review/album/006938/index-2.php


11.The Humble Bee & Offthesky - All Other Voices Gone, Only Yours Remains
- 入眠アンビエント最高。The Humble Beeは今年もう一枚出してますし、Craig Tattersall名義でも出していて、リリースのペースが早い。嬉しい。


10.Big Thief - Two Hands
- 「Not」がすごくエモ太郎。


09.Christian Scott - Ancestral Recall
- カリブとかアフリカとか、今どこまでルーツバックしたジャズなんだろ。でもずっと精神世界から出てない気もしてる。天才はよくわからない。

08.FONTAINES D.C. - Dogrel
- (JOY DIVISION + THEE MICHELLE GUN ELEPHANT + GIRL BAND) / 3 = 最高。

07.ot to, not to - It Loved to Happen
- ミニマルすぎるR&Bを掘ることが最近多い(Moses Sumney大好きマンなので)けど、ここまで声以外が壊れてるサウンドは無い。


06.Moodymann - SINNER | KDJ-48
- 神 in Tokyo


05.Klein - Lifetime
- UKベース~ガラージの暗黒突然変異は全てのサウンドがセンス良い。でも何回聴いても掴めた気がしない。天才はよくわからない。


04.Puma Blue - on his own. (Live at Eddie's Attic, Atlanta)
-ギターはもうこのトーンだけで良い。陶酔。


03.Alva Noto & 坂本龍一 - Two (Live at Sydney Opera House)
- (後で追記)


02.Final Spank Happy - Mint Exorcist
- (後で追記) 菊地成孔氏のここ5年の活動は自閉的だったんです。(後で追記)


01.Baby Rose - To Myself
- (後で追記、でも→) 2019年の自分の孤独に最も寄り添ってくれました。何もギミックはありません。ブルーズとソウルとこの声で、あとは何もいりません。


次点

Yves Jarvis - The Same but by Different Means

Gang Starr - One of the Best Yet

KIRINJI - cherish

OGRE YOU ASSHOLE - 新しい人

Zamilska - Uncovered

Angelo De Augustine - Tomb

Pedro Kastelijns - Som das Luzis

Girl Band - The Talkies

Dos Monos - Dos City

Hania Rani - Esja

LORAINE JAMES - FOR YOU AND I

Friendly Fires - Inflorescent

Sault - 7

Battles - Juice B Crypts

BURIAL - TUNES 2011-2019

いい音楽ばっかりだな。


Dan Tepfer - Natural Machinesについて

- AIと共演したジャズ。
- 以下、自分の思考メモ用に、ちょっと書きます。私はAI開発のお仕事しているので興味深いテーマのアルバムなのです。

- AI(人工知能)と一緒に作った音楽って、今年けっこうあったんです。YachtやHolly Herndonの新譜とか。
- 人工知能って2種類あって、ひとつは、人が設定した単一のタスクに特化して、ときには人間以上の性能を発揮する「特化型人工知能」です。例えばSpotifyのレコメンドが、けっこう自分の趣味をわかってくれてるなーと思えるアレですが、彼は他になにも出来ません。
- もうひとつ「汎用型人工知能」があります。要はドラえもんです。こいつは例えばバンドメンバーがいるのと同じくらい、自身の美学を持ち寄って音楽を演奏し「自走」してくれるでしょう。
- そしてこの「汎用型」は最先端研究の代物です。未だ、音楽家が活用した事例はありません。
- というわけで、前述した「特化型」と一緒にDan Tepferの音楽は作られていますが、「人間の美学」と「特化型人工知能の美学」が演奏上、「自走」し合っている風でも、単なる従属関係でしかないとはっきり感じました。人間が「特化型」の反応を面白がっているだけで、共演していません。ジャズは誰と共演するかが明暗をはっきり分ける音楽なのに、です。さらに(個人的には)「特化型」が音楽の美しさに寄与しておらず、名前負けというかコンセプト負けしたアルバムだと思っています。Dan自体のピアノは美しい音楽ですが。(※この段落が大した意味を持たないことは理解しています。音楽の素晴らしさは個々人の感性に依存しますから)

- っていうかそもそも素晴らしい音楽を生み出すのに、人とAIが共演する必要があるのでしょうか?
- それは人と人が美学を擦り合わせて音楽を作ることと差があるのでしょうか?もし無いとしたら、今後も音楽にAIを活用していくことに価値はあるのでしょうか?

- 私は音楽にAIを活用していくことに価値があると思っています。それによって音楽家自身に、音楽をどう生み出すかの美学的変化が起きるためです。リズムマシンやMIDIが社会に出てきたときのように、です。AIは未だツールなのです。
- Dan Tepferは恐らく、その美学的変化を模索している最中なのです。AIとDan Tepferが同時間軸上で共演していることが面白い、のではなく、Danの今後の作品が、彼自身の更新された美学でもって制作されていると分かることが面白いのです。それが具体的に何かは(恐らく本人しか)わかんないけど、期待しています。
- この辺、下記を読んで、もうちょっと言語化できるようにしたいな。


良さがわからなかった枠

Thom Yorke - ANIMA
FKA twigs - MAGDALENE
Vampire Weekend - Father of the Bride

好きなひとごめん。
この辺は2010年代に置いていくと思います。
(レディオヘッドは置いていくわけ無いだろ)

全く理解できない枠

かにえうぇすと(2作)

もう好きにしてくれ。でも好き。

全人類この動画を見てくれ枠

CHINZA DOPENESS - 64 Bars recorded in Tokyo|Red Bull Music

こんなにも音楽に愛される人間がいていいのか。


終わりです。良いお年をー。


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