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『重戦車』を圧倒せよ、いざ!伝統の早明戦へ【早稲田スポーツ新聞会】

関東大学対抗戦(対抗戦)も、今日の早明戦で幕を閉じる。早大、明大ともに帝京大に敗北を喫し、5勝1敗で迎えることになったこの試合。早大は対抗戦3年ぶりの早明戦勝利へ、負けられない戦いが今、始まる。


『鉄人』──。

その男は、部内でそう評される。早大ラグビー部の第104代主将、CTB長田智希(スポ4=大阪・東海大仰星)である。


中核

対抗戦の第3節、相手は筑波大。両校無得点で迎えた前半48分、マイボールスクラムから展開し、早大が待望のトライを挙げる。得点したのは、主将・長田だった。第4節の青学大戦、苦しい展開を打破する逆転トライを挙げたのも長田。チームの危機を幾度も救ってきた不動のCTBは、今年度からプレーの場を13番から12番に変えた。この転向により、ボールキャリーの数やラインブレークの数が格段に増加。主将としてはもちろん、一選手としてもチームの核となっている。


貪欲

「まだまだ足りない。」勝敗を問わず試合後に長田がよく口にする言葉だ。周囲から、芯があり、ストイックだと評価される主将だが、本人にその自覚はない。就任したときに思い描いた、理想の主将像をただ体現しているだけだ。歴代の103人の主将のようなリーダーにはなれないのかもしれない。自分にはその能力は無い。では主将として自分が何ができるのか。

考えた末に出した答えは「誰よりも実行する姿を見せること、細かいことをやり抜くこと」だった。その中で特に意識しているのはフィールド外での規律の部分。

「ラグビーをやっているだけのチームは絶対に強くない」。試合で隙が生まれるのは私生活に隙があるから。東海大仰星時代の教えを胸に、時間を守る、ものを大切にする、そんな当たり前のことを大事にしようと徹底し、誰よりも遂行。チームにも春から一貫して重要性を伝えてきた。勝つためにやるべきことを誰よりも理解し、実行している。だからこそ人はその姿を見て長田を『鉄人』と呼ぶのだろう。

切望

なぜそこまでストイックになれるのか。その問いに対し即座にこう答えた。「勝ちたいからですね」。苦しい練習を耐え抜くことや自分に厳しくあり続けることと、試合に負けることを天秤にかけたとき長田にとっては後者の方が何倍も辛い。「だからやるしかない」。生粋の負けず嫌いは勝ちたい、それだけの理由で日々誰よりも声を出し誰よりも体を張ってチームを率いている。


宿命

「ライバルはいません。僕は僕なので」。そう話す長田にとって早明戦はあくまで対抗戦の一試合に過ぎない。今日も自分たちのやるべきことをやり抜くだけだ。目の前の戦いに勝ち抜いた先にその先にきっと『荒ぶる』が見えてくるのだから。


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