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3/18 田(3年目)

こんばんは。第42回ナナペーハー(3/26〜27)スタッフチームの田です。中国人です。サムネの写真はおばあちゃんが昔住んでいた家の中で撮ってもらったものです(ちょうどRed Skelton氏の映画がテレビで流れた時でした)。せっかく小さい頃の写真を使っていますので、小さい頃夢中になっていた子ども向け小説をご紹介しましょうか。
たぶん小学2年生の時中国の児童文学系の雑誌で読んでいたあんまり有名じゃない作家さんの書いた全然有名じゃない小説で、「銀河の下の演奏家」みたいなタイトルだったような覚えがあります。主人公はヴァイオリニストを目指したコオロギくんとそのお父さんでした。概ね以下のようなストーリーです。
 
ある日、コオロギくんの師匠が突然倒れて、最後にコオロギくんにある遠い町の場所を教えて、「そこには最も美しい曲を弾けるヴァイオリニストがいる」と伝えて目を閉じました。当時まだ小学生だったコオロギくんがコオロギパパと揺れる列車の中で長い時間を経ってからその場所に着いたが、目の前に現れたのがすげぇ高い高層マンションでした。「部屋番号まで教えてくれよ!」という心の叫びを抑えながら、コオロギ親子が一階から部屋ごとにヴァイオリニストを探し始めました。それは非常に大変な作業で、一日過ぎたが、まだ五、六戸の住民としか会っていませんでした。しかも誰もヴァイオリニストのことを知らなかったようです。日が暮れ始めたので、コオロギ親子が次の部屋のドアをノックして、泊めてくれるかも聞きました。出てくれたのはうさぎでした。うさぎは泊めてあげてもいいけど1日分の家事と料理をやるという条件を出しました。コオロギ親子は仕方なくうさぎの家事や料理を手伝ってあげてから次の部屋に進むことにしました。
その後コオロギ親子はマンションの中ヴァイオリニストを探し続けました。ひどい病気にかかったハトを音楽演奏で看病してあげるとか、引きこもりの犬を音楽の力で助けるとか、ネズミたちのもとでダンスを学ぶとか、詐欺師猫に騙されてヴァイオリンを取られるとか、優しい猫にヴァイオリンを買ってもらうとか、時にはヴァイオリニストの情報をもらうために、時にはマンションで出会った人を助けるために、コオロギ親子は色々体験しました。
コオロギ親子が互いを励ましつつ、ヴァイオリニストを探すことを諦めなったかです。気付いたら何週間も経ってしまい、コオロギくんがすっかりとおじさんになって、コオロギパパもおじいちゃんの歳になりました。そして、お二人は最上階に登って、最後の部屋の住民に聞きましたが、残念ながらその方もヴァイオリニストのことを全く知りませんでした。
途方に暮れたコオロギ親子は話す力すら失って、そのままマンションの屋上まで登って、そこで横になっていました。また夜が訪れて、コオロギ親子が星空をぼんやりと観ていました。
その時星空が少しずつ変化していって、コオロギくんは銀河が見えるようになりました。そこでコオロギくんが立ち上がって、ヴァイオリンを演奏し始めました。彼は自分で演奏をもって銀河と対話し始めました。ヴァイオリンに対する思い、故郷や家族に対する思い、マンションで出会った様様な人との思い出、コオロギくんは淡々とヴァイオリンで語っていました。それに合わせて銀河も姿を変えて返事をしてあげました。気づかないうちに日が昇り、コオロギくんは銀河と別れて演奏を終えました。彼の後ろにはマンションで出会ったうさぎ、ハト、犬、ネズミ、猫たちが立っていました。みんなが彼の演奏に惹かれて屋上まで来ました。「これが最も美しい曲を弾けるヴァイオリニストだぞ」というメッセージがみんなの輝いている目から読み取れます。
 
ごめんなさい、長くなっちゃいました汗。多分その後コオロギ親子が地元に戻って音楽教育と地域活性化に尽力して、そしてコオロギくんも死ぬ前に弟子に知らない住所を教えてあげたというのがオチだったようです。なぜかわからないですが、小学2年の田はこのストーリーを読んで、めちゃくちゃタイプだなあと思いました。ただ、もう一回読もうとしたとき、その一冊だけはどうしても見つかりませんでした。夢中になった作品なのに一回しか読んでいないというのは大変お恥ずかしいので、「このストーリー知ってるぞ」、「これって〇〇の書いた〇〇じゃないですか」という方はぜひご連絡ください。一番早い方は田の愛用した各スーパーのポイントカードたちを一斉にお贈りします。
 
またナナペーハーの話に戻りますが、本当にナナペでしか観れないコント、このメンバーしか作れないコントライブだなと自分も毎回そう思いつつ魅了されています。世の中の数えきれない文章の中、この拙い文章をここまで読んでくださってありがとうございます。世の中の数えきれない「時間の過ごし方」の中、皆様と同じ空間で「ナナペの時間」を共に過ごすことを心より期待しております。
では、おやすみなさい。

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