ブルアカアニメについて思うこと

はじめに

ブルアカのアニメ、悲しいことに悪い意味で盛り上がってますね。正直ソシャゲ原作のアニメ化は成功例が皆無に等しいので、そこまで期待していたわけではないのですが、流石に思うことがあるので書き記しておこうかと思います。

本題

作画が微妙、声優が合ってない、先生が解釈違い、、、等々、色々と世間では言われています。僕も概ね同意ですが、あんまりあれこれ言うのもアレなので、言いたいことは1つに絞りました。というより、すべての問題はここに起因しているように思います。

何故ベストを尽くさなかったのか


見ていて「悲しく」なってくる

僕がブルアカアニメに対して感じるのは「怒り」というよりも「悲しさ」です。

なんで、本気で作ってくれなかったの?

アニメ化に関してはYostar主導で動いています。自社IPで一応それなりに稼ぎも人気あるブルアカ。手を抜く理由なんて一つもないはずなんですが、明らかに本気で作っていない。それが何よりも悲しいんです。あれがYostar Picturesの本気だ限界だと言われたらそこまでですが、そんなことはないでしょう。というか、もし本気で作った結果がアレなら、正直2期以降は作ってほしくないです。

Yostarのブルアカに対する扱いって、そんなもんなの?

ブルアカアニメで何がキツイって、Yostarのブルアカに対する扱いが透けてしまったところです。作画や脚本は最終的な結果として出てきたもので、そこに至るまでの方が問題です。

周知の事実ですが、ブルアカのアニメはYostarの自社スタジオYostar Pictures(ヨーピク)で作られています。このヨーピク、設立時のインタビュー[1]でも語られていますが、要するに自分たちのIPは自分たちで映像(PV、アニメ)化したいという思いから誕生しました。覇権アニメを作るようなスタジオではないですが、少なくとも自社のIPに対して手を抜くなんてことはありませんでした。

僕はアークナイツもプレイしているのでそちらのアニメも見ましたが、満足できるクオリティでしたし、ネットの反応も悪くなかったと記憶しています。先日3期の制作も発表されましたし、ソシャゲアニメとしては比較的成功している部類だと思います。

なのでまあ、ブルアカにも同じくらいのクオリティは期待していたのですが、、、

これに対し、ヨーピクがブルアカと同時に「戦隊大失格」のアニメを抱えていることを挙げ、仕方ないとする声がありますが、僕としてはそれが余計に悲しいんです。

戦隊大失格も抱えているから、仕方ないのか?

僕は、ヨーピクは今期、戦隊大失格も抱えているから仕方ない……とは思えないんですよね。というのも、これがブルアカに全力を出してないことの何よりの証拠だと思うので……。

アニメ業界に詳しいわけではないので、一般的に言われていることにはなりますが、アニメ化というのはアニメスタジオ側から打診することが多いそうです。実際には制作委員会などが関わってくるのでややこしいのですが、簡単に言えば、あるIPに対して複数のスタジオが「是非うちで作らせてください」と営業をかけ、IPの権利者側がその中から依頼するスタジオを選ぶ……という流れです。人気のある原作には多くのスタジオが手を挙げるので、なかなか作らせてもらえないわけですね。

……となると、何故ヨーピクはブルアカと被る時に他作品を作っているんだ、という話になるわけです。ヨーピクはブルアカの2.5周年記念アニメーションの制作も「満足のいく映像のクオリティを担保することが難しくなったため」中止しています。この発表があったのが2023年12月24日なので、アニメ制作の最中、人手も時間も足りていなかったであろうことが伺えます。実際、アークナイツのアニメは全編ヨーピクだけで作られていましたが、ブルアカは studio CANDY BOX への外注が目立ちます。

戦隊大失格を抱えているから、ブルアカに手が回らない。

これは確かにそうなのでしょう。ただ、全力を注ぐべきブルアカがあるのに他の仕事を受けた時点で僕は仕方ないとは思えないですし、ブルアカがそういう扱いなのが悲しいと思うわけです。何のための自社スタジオなんだ、Yostarさん……。

まとめ

色々書きましたが、結局Yostarが本気でブルアカのアニメを作ってくれなかったことが悲しい。これに尽きます。もし続きを作るのならば、本気でやってほしい。中途半端に作るくらいなら、やらないでほしい。ブルアカ好きだから、雑に扱われているのはやっぱりつらいよ。

僕は送ってませんが、Xなどでの雰囲気を見るに問い合わせとか意見がYostarに殺到してそうなので、2期以降を作る場合は何かしら対応してくれると信じています。

おまけ

エデン条約まで行けば面白くなる?

ブルアカアニメに対する感想を見ていると、「今あんまりおもしろくないのは原作が面白くないから。エデン条約編まで行けば面白くなる」という意見が散見されます。

これはあくまでもヨーピクが今の体制のままエデン条約を作った場合の話ですが、僕は大して面白くならないと思います。1章と2章の部分は、派手なアクションが少ないので原作をなぞるだけで多少は面白くなるかもしれませんが。何様だよって感じですが、本気で作れないなら作らないでほしいってのが正直な思いです。

そもそも僕は対策委員会編のシナリオも面白いと思っている人で、アニメに関しては原作のパワー云々の問題ではないと考えているので……。対策委員会編は劇的な展開もないですし、巡航ミサイルやアトラ・ハシースの方舟も出てきません。僕みたいな自称硬派で捻くれたノベルゲーオタクが好むタイムリープ(3章ではワンチャンあるかもしれない)や並行世界、生と死や正義の話でもありません。「分かりやすく面白い」といえる要素はほとんどないのですが、ブルアカのライターがこのお話を一番最初に置いた意味を考えずにはいられません。

ブルアカのストーリーの特徴ですが、少し注意して読んでみると意味のないシーンがほとんどないことに気付くと思います。どのシーンにも与えられた役割があり、無駄なギャグパートや戦闘描写はカットされる傾向にあります。ブルアカのシナリオは長いですが、ストレスなく読める人が多いのはこの辺も影響しているでしょう。逆に言えば、ギャグパートが出てきたら後々それを回収する為だといえるわけです。この、序盤のギャグシーンを後々シリアスな場面で真面目くさって回収するのは古き良き時代のノベルゲーム感がありますね。

対策委員会編は、広い視野で見ればブルアカのシナリオ全体に対してそういう役割を担っているのです。ドタバタしてるだけに見えてキャラの顔見せをしつつ、キヴォトスの常識だったり価値基準だったりを自然と描いているわけです。先生の考え方や人となりも、黒服とのシーンで初めて明かされますしね。

また、ネタバレになるのでエデン条約編未読の方は注意してほしいのですが、あまりにもアニメ1期の評価が低いと、エデン条約編にて覆面水着団が登場するシーンを果たして熱く描けるのか疑問です。私も含め当時プレイしてた先生は驚きと興奮を味わったわけですが、あれもVol.1のシナリオがしっかりしていたからこその感情だったわけです。既プレイの先生は問題ないかもしれませんが、アニメ勢の反応は気になるところです。

同様に、アニメはプレ先ルートかもしれないといった意見もチラホラ見られますが、その可能性は極めて低いと思います。また、仮に本当にプレ先ルートだったとしても、それはアニメが抱える問題点の免罪符になりません。先生の解釈違いの発言も、プレ先なら許されるわけではないでしょう。プレ先も並行世界の先生であり、同じ状況で同じ選択をしているのですから、人格や言動が大きく変わることはないのです。ただ少しのボタンの掛け違いであのような結末に至ってしまったのがプレ先の世界なのです。

参考記事

[1]「Yostarがアニメ制作会社を設立した理由──労働環境の改善、チーム作り、作品への愛…いいアニメを作り続けるために変えたかったこと【李衡達×稲垣亮祐×斉藤健吾】」 https://news.infoseek.co.jp/article/niconiconews_nw7049306/


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