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cocシナリオ「まだ見ぬあなたへ」

 

◆COC シナリオ「まだ見ぬあなたへ」


シナリオ概要
かつて、化け物と恐れられ声を閉ざした少女は、その日貴方達とである。
これは、少女が貴方達との出会いをきっかけに、声を取り戻し、殻を破り心を解放させるだけの些細なお話。

推奨人数:1~3名
推奨技能:考古学・天文学・心理学
推定時間:3~6時間
時代設定:現代日本
システム:クトゥルフ神話TRPG


◆シナリオの流れ


起:魔術師に襲われる失声症の超能力少女とであう
承:交流と探索により失声症を克服
転:少女の母親が死んでいること、魔術師が兄などの事実を知る
結:母親を自身の能力により焼き殺したことを告げられた上で、少女殺される能力の暴発とクトゥグアの召喚



◆ENDについて


最後のシーンまで言った場合、解放・退散・封印・放置のどれかを選ぶことを想定してます。1d100のダイスを振らせてあげましょう。

◇解放

炎は発散され、少女は一瞬意識を取り戻すが、そこから体が炭なるまで、魂ごと燃え上がり少女の形をした炭が残る。

◇退散

少女の魂の残影もろとも退散させることになり、残るのは魂の無くなったただの肉人形とかした少女が残る

◇封印

炎の噴出が抑えられ記憶がなくなり、記憶を失った状態で一見普通の少女として過ごせる(1d10年ごとに封印すればOK、記憶はその度リセット)

◇放置(何もしない、選べないは放置扱いです)

少女の魂は炎の燃料となり、体は中途半端に燃え残る、少女は死ぬ。再生は不可。

◆クリティカル

なんか不思議なことが起こって、少女は生き残り、記憶ものこる。

◆ファンブル

爆発して肉片が探索者達に降り注ぐ、蘇生不可。



◆シナリオを回す際のコツ
・少女となるべく探索者を仲良くさせる
・できるなら、少女の手紙を家に持って言って焼け落ちた家を見せたところで一旦終了して引きをつくる。
・少女の心臓はサクッとえぐる。
目安:ボイセ 3~6時間、テキセ9〜12時間




◇導入~ファーストコンタクト~

場面:夜の公園

残暑は去り、空気は乾いて透き通り、肌寒くなっていく秋の頃。
その日の夜はまるで、夏の暑さがもっどてきたように、寝苦しい夜だった。
探索者達は、さまざまな理由で外を歩く。
おそろしく星が明るい夜だった。月光は雲に隠れ、星の光だけが、青く透き透るようで
燐が燃えているような青い光を放っていた。

◆輝く星について:天文学

成功:みなみのうお座α星 (フォーマルハウト)であることがわかる。秋の南天に低く輝く星で、日本では「秋の一つ星」と呼ばれている。
失敗:星には詳しくない

静かな夜道を歩いていると、絹を裂くような悲鳴が探索者達の頭に鳴り響く
と同時に、公園の木々に突然火の手が上がりあたりを明るく照らす。
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探索者達は思わずそちらを向くでしょう。
そこには、深くフードをかぶった男(NPC2:愛宕 兄、以下フードの男と記載が、息を整えながら必死の形相で、パジャマ服の少女(NPC1:愛宕 舞、以下少女と記載)にむかって呪文のような何かを唱えている。

探索者達は少女と目があう
少女は必死に走ってきてあとのようで。額には玉のような汗が滲み、ぱじゃま服には泥や土、草などがこびりついている。
少女は泣きそうな表情をさせながら、苦しげな声にならない悲鳴を洩らしおびえているように見える。


★ここで何かをしたい場合は一つの技能のみ可とする。

目星(全体):

周囲の炎は男と少女を中心に吸い込まれるように集まっていくように見える。

目星(フードの男に対して):

深くフードを被っているためよくわからないが、20代ほどで火傷あとがある

聞き耳:

男が引きつったような声で「こんな近くに、、、この化け物が、、、」というようなセリフの後、呪文のようななにかを唱えている音が聞こえる。少女の声は聞こえない

心理学(フードの男):

声の様子から恐れと怒りが感じられる。必死の形相で唱えることに集中している、こちらには気がついていない。

心理学(少女):

非常に怯えている。少女の目は探索者達たちを捉えて降り、助けを求めるような、縋るような目つきだ。


失敗:何もわからない

Q:怪しげな儀式を目の前に探索者達はどうするか

 A1:様子見・見捨てる

⇨少女の顔が絶望に染まる。何かが爆ぜる音と共に、探索者達の視界が赤に染まると同時に全身が燃え上がるような痛みが走る。灼熱に驚き声を出そうとしても声が出ない。そして、刺すように凍える感覚と共に探索者達は闇に落ちる。

◇END「闇に落ちる」
→少女は目があった探索者達に、母親と兄を幻視した。そして、同じく見捨てられたそのことを思い出し、少女は同じように絶望する。少女は爆ぜ、クトゥグァが顕現。
探索者達を道連れに、あたり一帯を巻き込み炎上。
探索者達の視界は少女の血液と炎に染まり、焼け死んだ。高熱と痛みに脳が冷たいと錯覚し、闇に落ちたのは目が焼け落ちたため。
→PCは何もわからないと思うので、最初からやり直してもいいし、ロストさせてもいい

 A2:男を止めるために行動する。

⇨何らかの戦闘系技能もしくは、PLの提案する止めるための技能の成功で男は逃亡成功した技能に合わせて適当な描写をしてください。フードの男は、探索者達が何かをして来たら、悪態をついて逃げ出します。

フードの男が逃げ出すための行動をするともに、少女は声も無く泣きながら、探索者達にしがみつきます。(しがみつく対象はだれでもいいです。敵は絶対殺すとか言い出しそうなPLの探索者達にでも、しがみつかせて足止めがわりに使ってください。)

探索者全員 POW×5:強い恐怖と同時に安堵といった感覚が体を走る san-1


場面:超能力少女と先生

少女が泣き止んだ頃、汗だくで息を切らせた優男(NPC3:以下先生と記載)が現れる。

あなた達とともに、少女がいることを確認すると、安堵の表情とともに、声をかけてくるが、激しく咳き込む。しばらくして息を整えると共に改めて声をかけてくる。

「私はその子の保護者です。もしかしてあなた達が彼女を保護してくれたのでしょうか?」

・お前は誰だ?
→児童心理学研究者で、今は彼女の保護者兼先生と行ったところです。
・なぜ少女はこんな夜更けにこんなところへ
→少女が夕方頃から、診療所を抜け出しいなくなったことを気づいたので、探しに来た
・フードの男と襲われたことについて
→そんなことが、、、あなた達がいて本当によかった。是非ともお礼をしたいので、また明日よろしければ、お昼ごろに診療所に来てもらえないでしょうか?
診療所の場所をお教えしますので、詳しいことは、その時お話しします。

適当なところで、少女が眠たそうにしており、先生にも警戒心を抱いていない様子を描写して、一旦解散しましょう。
※ここでの心理学はとくに疑わしい結果はでません。
先生は少女を心配してるし事実しか言いません、少女は恐怖からの安堵と安心し疲れて眠そうです




場面:診療所

診療所は町から少し外れた場所にある山の麓にあった。
周りには緑が広がり、心なしか空気が美味しい気がする。
※診療所について調べる場合は図書館などのKPが適当と思った技能で調べることができる。HPや診療所の情報は特に出てこじ、先生は過去に大きな病院で教授として働いていたことがわかる。


診療所をノック or 勝手に入る。

中から先生が出てくる。
服装は白衣でいかにもといった服装をしている。
「やぁ、よくきてくれましたね。中に入ってください。お昼はまだですか?もしよろしければお昼ご一緒しませんか?」という。

Q:食事に誘われた探索者達

 A1:食べない

→「そうですか、、、あの子があなた達にお礼をしたいと、張り切って作っていたのですが、、、残念です。」食事シーンをスキップ


 A2:食べる

→「そうですか!それは良かった。あの子はあなた達が今日くると聞いて、なにかお礼がしたいとずっとそわそわしてましてね。それだったら、お昼ご飯を作ってあげれば良いんじゃないかと話してたんですよ。いや!お昼をどうしてるかわからなかったので良かった。」


★図書室兼来客室

あなた達は、来客用と思われる一室に通される。
壁一面が本棚となっており、そこには難しそうな本がぎっしりと詰まっている。

目星 or 図書館:

成功:本棚には医学書や児童心理学書でほとんどのスペースが埋められているが、本棚一角を超能力に関する本が占めており、表紙や中を軽く見るとなんども読まれているようで、付箋や開きグセがついている。
→どこに付箋や開きグセがついているか?
医学書→臓器移植、児童書→トラウマの払拭、超能力→自然発火現象
失敗:難しそうな本がいっぱい並んでる。しゅごい


★少女が作ったオムライス

しばらくすると、コンコンと扉をノックする音がなる。

扉が開き、昨日あった少女がお盆に料理を載せてやってくる。
お盆を机に置き、あなた達の目の前にオムライスを載せた皿とスプーンを置く。
そして、おもむろにスケッチブックを取り出し、前ならえをするように突き出し、そこに書かれた文字を見せる。

そこには、女の子がぺこりとお辞儀した絵と共に
「きのうはたすけてくれてありがとうございます、オムライスがんばってつくりました。おくちにあえばうれしいです」とクレヨンで書かれていた。
数秒見せたところで、顔を赤くしてぺこりと頭を下げると急いで部屋からでる。

アイディア:

成功:スケッチブックは使い込まれており、普段からそれを使って会話をしているのではないかと思う。
失敗;小さい割にしっかりした子だ。

◆幸運:少女の手料理

ほのかな甘みのある爽やかなバジルの香りが、鼻腔と食欲を擽る。ケチャップライスの上に乗るのは、暖かなひまわり色の玉子焼き。少し甘めの味付けだ。

成功:家庭料理の域をでないが、温かみの感じる味だ。SAN値1d3回復
失敗:ガリと言う音ともに、固い食感が口の中に広がる。どうやらたまごの殻が入っていたようだ。


★先生からのお礼とお願い

(食事をしていたら食後)しばらく待っていると、先生とワンピースを来た少女がやってくる。
机の上に、人数分のコーヒーを配り、砂糖を入れた透明な容器を机の真ん中に置く。

・お礼
→「昨日は本当にありがとうございました。あなた達がいなければ、もしかしたらあの子を失っていたかもしれません、こちら少ないですが」と言い、5万円ほど入った封筒を渡される。

さて、気になっていると思われますが、、、と先生は下記のことを話だす。
探索者達との会話で出しても良い

・なぜ襲われていたのか?
→わからないが、あの子の力が原因だろう
・少女について
→実は彼女は超能力者で、何が原因でそうなったかは調べている途中だが、、、
・発火能力(パイロキネシス)
→火の気のない場所で発火する能力

★オカルト
パイロキネシスは、超心理学の超能力の1つで、火を発生させることのできる能力である。
パイロキネシスの事例では、能力を持つとされる者が意図せずに火を呼んでしまうことが多い。火の気のないはずの場所で火事や見つめた物がなんでも発火して恐れられたという記録があり、超常現象研究者であるチャールズ・フォートは、火の触媒ともいえる人間が存在しており、多くは20歳以下の少年少女だと述べている。

・彼女の能力について
→能力をコントロールできず、感情が高ぶったりびっくりすると能力が暴発する
→「実演してみよう」と言い、おもむろに飲み終わったカップを叩きわる。

POW×5:ビクリとした感覚が伝わる。

 それと同時に、何かが爆ぜる音がする。机の真ん中にあった角砂糖が入った容器が燃えていた。砂糖は燃え溶け、周囲には甘い匂いが漂う。先生がすぐに容器の蓋を閉じ火を消す。

目の前でこのようなありえない出来事をみた探索者達はSANc
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少女が、沈んだ顔で、「おどろかせて、ごめんなさい」と書かれたページを見せる。
先生はと言うわけで、今はこの子の能力の感情の高ぶりで勝手に発動してしまうんだ。
今はだいぶん落ち着きましたが、ちょっとした、びっくりなら、、、小規模の発火ですむんですけどね。昔は大変でしたよ。
目星:服に隠されているが、先生の体にはケロイド状になった火傷跡があることがわかる

・昔はどのくらい大変だったか?
→悪夢をみて発火、なんか暑いなと思ったら周りが火の海だった。万が一が起きたら、危ないのでこのような町外れで精神を落ち着け、能力をコントロールする訓練をしていたのですよ。

・訓練について
→少し行った場所に空き地がありそこで訓練している。

・少女にの声について
→おそらく初めて能力に目覚めた時に母親がひどく怯えた様子を見せたみたいでね。声をと出せなくなってしまったんだ。それ以来、声を出せなくなってしまったんだ。昔に比べればずいぶん回復したんだが今一歩と行ったところでね。努力はしているんだがね。。。
ここに来てからは部屋にこもりきりだったんだ。彼女の母親とは能力の暴発がなくなれば迎えにくるようにと言う話をしているんだが、、、
まぁ、それでもなかなか人を怖がる子でね、私も苦労したよ。
だから、急にいなくなったことにも、君たちに自分からお礼を言いたいと伝えられた時には驚いたよ。

・どこかに連れて行ってほしい
→君たちにお願いがある。
もしよければなんだが、今日から明日1日時間をもらうことはできないだろか?
私はそのフードの男のことを調べたいのと、少し出かける用事があってね。。。
それに、もしかしたら奴がここにくるかもしれない。
そうなった時、ここにあの子が入れば強行手段を取られるかもしれない。
君たちの自宅が不安ということであれば、ホテルで寝泊まりしてもらっても良い、
かかった費用はあとで全て私が出すよ。彼女のためにも頼めないか?


Q:少女を預かるか否か

 A1:預からない

→「そうか、、、無理を言ったね、申し訳ない」そういうと、先生はあなた達を玄関まで見送り再度お礼をいうだろう。選択肢4:永遠の別れ

 A2:預かる

「ありがとう!いや、断られたらどうしようかと思っていたんだよ!」
そういうと、用意してあったのであろう、探索者達の一人に、着替えなどが入った少女の荷物を渡す。
少女は「よろしくおねがいします!」と書かれたページを見せ。
再びぺこりと頭を下げる。
外をみると日が落ちかけている。

・診療所を探索したい
→申し訳ないがここも嗅ぎつけらているかもしれないのでできるだけ早くここから離れてほしい



ここからのシーンは完全な遊びです。少女と探索者でわちゃわちゃしたり、楽しく遊べば遊ぶほどこれからの出来事のギャップをより楽しんでもらえるかと思います。

場面:家 or ホテル

少女は探索者達についてくる。

・これからどうするかをPLが話す

目星:
成功;少女のスケッチブックを見ると、動物の絵が多数書かれていることがわかる。どうやら彼女は動物が好きらしい。
失敗:少女がなにか言いたそうにしている

決定的成功:少女は動物好きだが、おそらく動物園に行ったことがない。
動物園に行ってみたいが、そんなことお兄ちゃんやお姉ちゃんに言ったら迷惑になるんでないかと思っているが、もしかしたらと若干期待している。

・どこかに行きたいかなどを聞く
→おずおずと、動物の絵を見せ、「動物園に行ってみたい」と書いて見せる

少女は一人が怖いので、探索者達のだれかと一緒に寝たがる。
→誰か一人を選んで一緒に寝かせてあげてください。できうる限り可愛い感じのロールをして、存分になつきロールをして起きましょう。

・朝
体が重く、そして冷たい感触があなたを襲う。
まるで何かがあなたの上に乗っているかのようだ。
起きると、少女があなたにしがみつき、よだれを垂らしていた。
あなたが起き上がったのと同時に、少女は目を冷まし、惚けた目であなたを見つめる。
だんだん意識がはっきりして来たのか、よだれを垂らし、抱きついて寝ていたことに気づき、羞恥に顔を赤くさせ、ぺこぺこと頭を下げると、急いで顔を洗いに行く。




場面:動物園

生きた動物を飼育・研究し、一般に公開する施設
この動物園は、パンダ、ハシビロコウ、ライオンなど生体展示や、うさぎやモルモットとのふれあいコーナー、動物のグッズが売られている売店などが主だった施設になる。

★きりん

★ハシビロコウ
微動だにせず、こちらをじっと見ている。
少女も同じく見つめ合いそのまま動かなくなる。

★パンダ
のっそりとした動きで笹の葉をもぐもぐと食べている。
少女は目をキラキラさせて、パンダを見ながら、絵を描いている。

★ライオン
ちょうど餌の時間だったのか、生肉を食べていた。
その様子をスケッチブックに描いていると、
ライオンはサービスのつもりか、少女の近くで口を大きく開け牙を見せながら鳴く
少女はビクと体を震わせ、探索者達の後ろに隠れる。

目星
成功:生肉が燃えて、肉が焼けている
失敗:こうばしい匂いがする
決定的成功:あなたは目撃した!ライオンが食べていた、生肉が突如として燃えて、いい感じに肉が焼けて行く場面を!

★ふれあいコーナー
入れ替え制になっており、中に入るとモルモットやうさぎと放し飼いになっている。
少女は恐る恐る近づくと、モルモットをなでたり、うさぎを抱きしめたりするのに夢中になる。時間が来ると少女は名残惜しそうにしながら、飼育員にうさぎやモルモットを返す。

動物園を回っている間に一度目星をふってください。

★目星
成功:あの夜見たフードの男と似た人物をみつけるが、すぐに人混みに紛れてきえる。
失敗:なにか気になる物をみつけたきがするがすぐに見失う。
決定的成功:向こうもこちらを見ていたのか目があう。しかし、そのままいなくなる。少なくとも今日は襲って来る様子はなく、会うこともないだろう

★売店
ぬいぐるみなどが買える
すきなぬいぐるみを買ってあげよう

他はPLとKPが満足するまで RPを続けましょう。
満足したらそろそろ日が暮れて、帰らないといけない時間になったと言いましょう。

診療所に連れて帰ると、少女は探索者達に
「今日はありがとうございます。とっても楽しかったです。これは今日のお礼です」
と書かれていた。にっこりと笑うと少女はスケッチブックを探索者達に渡す。

そして、少女は深呼吸をする。意を決した様子で、「ありがとう」と小さく掠れた声で、あなた達に告げる。か細く儚げなものだったが、あなた達は確かに少女が喋ったことを確信するだろう。
少女は、喉に手を当て、驚いたような顔で、あなた達を見る。そして、泣きそうな笑みを浮かべると「また遊んでね!」と言い診療所に戻っていく。

場面:母親の所在

少女に渡された。スケッチブックを開くと、今日見て回った動物や、探索者達と少女がニッコリと笑っている絵が書かれていた。パラパラと見ていると、少女からのメッセージが書かれたページがある。

「このまえは、危ないところを助けてくれて、ありがとうございました。みんなと一緒にお泊まりとか動物園に行けてとっても楽しかったです。先生はいるけど、お兄ちゃんやお母さんと会えなくて、いつも一人だったので、みなさんとのお出かけできて、家族が増えたみたいで、本当に嬉しかったです。最後に勇気を出して、自分の口からお礼言ってみようと思います。みんなと一緒にいて、いっぱい嬉しい気持ちをもらったから、なんとなく声が出るようになった気がするのみんなのおかげです。」

最後のページに「みなさんにお願いがあります。お母さんにお手紙を渡して欲しいんです。先生のお部屋で今いる住所はわかりました。ずっと会えてないけど、元気にしてることを伝えて欲しいんです。でも無理だったら大丈夫です」と書かれており、そこにはお母さんとお兄ちゃんへと書かれた手紙が挟まれていた。


Q:手紙をどうするか?

A1:捨てる

→選択肢4:永遠の別れへ


A2:持っていく

→場所は隣町、車や電車で行けば時間はかからない




場面:誰もいない家

書かれた住所の所まで行くとそこには、なになかった。
正確には、黒焦げとなり焼け落ちた家と、そっと置かれた献花があるだけだ。
かろうじて残った、表札には愛宕と書かれている。 
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聞き耳:
成功:後ろから誰かがあなた達に近づいてくる
失敗:あなたは後ろから近づいてくる影に気がつかなかった!
突然声をかけられびっくりした探索者は SANc 0/1

近所のおばさんが話しかけて来る。
「あら、あなた達愛宕さんとこのお友達?かわいそうな事件だったわね〜」
・父親は焼身自殺
・母親は家に引きこもっていたが、しばらくして回復した。
・愛宕家は8年前突然焼けた
・仲のいい家族だった。
・息子さんも娘さんもはいい子だったのにね。
・お母さんと娘は焼け死んしゃったらしい。
・息子は最近まで入院していた。
と言った感じで有る事無い事、お節介な噂好きのおばさんのごとく話をしましょう。

そういえば最近、退院したお兄さんが戻ってきたのよ。
挨拶しに来てくれてね。
ほら、噂をすれば、と言って指差した先にいるのは、
あの夜あったフードの男だった。




場面:フードの男との再開

フードの男は、おばさんに会釈をすると、探索者達に場所を変えようと耳打ちをする。

目星:
成功:男の片目は義眼、片足は義足であることが

「さて、こんなところで会うとはね。まぁ願ったり叶ったりというやつかな」
・お前はだれだ?
→愛宕家の長兄(以下フードの男ではなく柚葵と表記)だ。

・なぜ少女を襲った
→あれは、、わるかったよ。まさかあんなところにいるとは思ってなかったからな
あれは妹の姿を模倣した化け物だ。

・あのとき何をしようとしたのか
→妹を模倣するあの化け物を退散させ、元の場所にかえすのが目的だった。

・あの子は化け物じゃ無い
→あれから何年たったと思う。本当なら妹は今年で二十歳だ。だが、あの子はあの時のままだった、明らかに異常なのはわかるだろ?

・まだ、やるつもりなのか?
→いや、、、もうやるつもりもない、あの子の笑顔を最後に見れてなんか切れちまったんだ。もうなにもする気はない。

・父親の焼身自殺について
外面はよかったが、酒浸りで悪酔いすると俺たちを殴りつけてたよ、しつけだって言ってな。
あの夜もそうだった。俺は酒ビンで殴りつけられてよ、妹は泣いてたよ。
俺はぶっ殺してやる。そう思って気絶したんだ。
そしたら、気がついたら親父が死んでたよ。起きたら、母親は親父にすがりついて泣きわめき、妹は泣き疲れたのか床に転がってたよ。
警察は焼身自殺だって言ってた。

・母親について
あの女は親父が死んでから、ありとあらゆる怪しい品、魔道書と呼ばれるものを集めてた。
俺たちには悪魔がついてるってな。
もちろん、効力はまゆつば物、体良くカモにされてたのさ。でも、まだよかった。
付き合ってやれば、機嫌もよかったし、妹が虐待されることも無くなったしな。
あの男に出会うまではな。

・何があったのか?
胡散臭い男だった。あの女は先生といってたよ。
いつも通りならまだよかった。
でも、そいつの知識と持って来た本の内容は本物だった。
先祖が悪いってな。これで救われる。
そのあとは、なんてことはない。
あの女は馬鹿高い儀式用のナイフとやらで、妹の心臓を抉り出した。
妹は最後の瞬間まで信じてた、「お母さん、こんなの嘘だよねって冗談だよねって」怯えながらな。
なのに、あの女はは嬉々として、ナイフを突き立てやがった。笑ってたよ。
これでみんな幸せになれる。悪い神様から救ってあげるってね。
その時だ。全てが炎につつまれたのは。
まずは、笑ってた女を一瞬で燃やし尽くした。
その炎は妹の形をして、死んだように倒れたのさ。
笑い声が響いてたよ。誰のものかもわからない。
そのあとのことは覚えてない。起きたら全身大火傷、動けるようになったのは最近さ。

・本について
うちの先祖は4代ほど前までは、鍛冶屋だったらしく、
定期的に神様に祈りを捧げてたんだとさ。
慣習的なことだったが、それは最悪なことに本物の神だった。

色々調べた結果、解放・退散・封印の方法がわかった。
必要な道具もな。でも、もういいんだ。あんたら、妹と仲良くしてくれてありがとな。

古びた本(愛宕家の魔道書)

たたら師たちから信仰された神にまつわる神話について書かれており、
死の穢れが鉄を産む、
神から炎をいただく、
などの一般的な伝承に加え、
信仰を続ければ、ごく稀に、その身に炎(神のカケラ)を宿すものが現れる。
その者のは、神子として祀られ、手厚く扱われる。
その身に宿した炎はあらゆる鉄を命を吹き込みその鉄で作ったものは、通常より頑強になる。
時が来れば、男の片目もしくは足を捧げ、女は髪と心臓をささげ神の身元へ行く。
その際、神は願いを聞き届けてくれることがある。

そのような言葉とともに、捧げられたものの名前と捧げた者、その結果叶えられた願いと感謝が詳細に書かれている。
これらは本当にあったことであり、そして、彼らの家族に起こったことであると察する

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考古学:
成功:天目一箇神や金屋子神などのことであると感じる、山の神、火の神、金工の神のこと。
鍛冶の神であり、『古事記』の岩戸隠れの段で鍛冶をしていると見られる天津麻羅と同神とされる。神名の「目一箇」(まひとつ)は「一つ目」(片目)の意味であり、鍛冶が鉄の色でその温度をみるのに片目をつぶっていたことから、または片目を失明する鍛冶の職業病があったことからとされているとされている。
男児の目と足を捧げたのは、これらの神を模すためであり、本命は髪や心臓を捧げる事である

失敗:本当にあった怖い日本昔ばなしみたいだね

適当なところで、フードの男が神妙な顔をして「お願いがある」と切り出す
そこで探索者たちの誰かの電話がなる
「やぁ、昨日ぶりだね。昨日は彼女と遊んでくれてありがとう」
「あの子はずいぶん楽しかったみたいで、寝付くまでずっと君たちの話をしていたよ。」
「ところでなんだが、花火でもいっしょにしないかい?」
「来なくてもいいが、あの子が悲しむよ」

聞き耳
成功:「え、お兄ちゃんたちもくるの!」というはしゃいだ声が聞こえる。
失敗:きゃーという明るめのはしゃいだ声が聞こえた気がする

「ぜひ、彼女のお兄さんと一緒にきてくれ、8年前の続きをしよう」
などいい、電話は切れる
以後つながらない

今の声、、、あの本を持ってきた男と同じ声だ。。。
俺もついていっていいか、嫌な予感がすると聞きます。

★お願いの内容
妹の近くで心臓をえぐり、神が出て来たら、妹を普通の人間にするようにお願いするつもりだったが、状況が変わったのでなどとはぐらかし、探索者には話さないでおきましょう。


場面:診療所

明かりはついているがしんとしている。
なかには誰もいないが、来客室だけ明かりがついている

来客室:
中に入ると人数分のコーヒーとメモが用意されている。

メモ:
やぁ、来てもらって申し訳ないが実は場所はここじゃないんだ。
ここからすぐ近くの空き地で準備しながら待っているよ。
場所は部屋の電気を消せばあかりですぐわかるよ。
PS:せっかく来てもらったんで、暖かい飲み物を用意したよ。ゆっくり飲んで落ち着いてから来てくれ、お茶請けは彼女の手製のクッキーだ。

部屋の電気を消す
窓の外に見える山の麓に淡い光が見えるので、そこが場所だとわかる。

少女の部屋:
ガーリーにまとめられた部屋。
本棚には使用済みのスケッチブックが並んでおり、
ベットには動物園で買った人形と少女と探索者達を写した写真が飾られている。

スケッチブック
動物園に行ったことやあなたたちと出会って嬉しかった事や何をやったかなどが事細かに書いてある。

先生の部屋:
・本棚
カルテや帳簿など様々な資料が乱雑に置かれてある。

医学:カルテについて
成功:子供の臓器移植に関するカルテがほとんど
失敗:子供のカルテが多い

経理 :帳簿について
成功:裏帳簿のようだ、同じ名前の表記がなんども出てくる。
失敗:額が大き儲かっているようだ

アイディア:上記どちらかの成功で判定化
成功:カルテのメモ書き、帳簿の記載、それらを照らし合わせるとピタリと合う。先生は臓器売買に関わっている
失敗:関連性がありそうだが知識が足りない

・机の上
手書きの資料が残されている。表紙には愛宕 美柑と書かれており。
中身は専門的な内容で、わからないがところどころ読める場所がある

医学:少女の能力についての研究
成功:炎のでどころ、精神状態との因果関係、悪夢を見せた時の反応、成長について、封印、召喚の方法などが書かれている

・炎について-・精神状態との因果関係-
魂を炎が模倣した結果、精神的が揺れた時、感情が溢れる時、炎が上がるのはそのせいだろう。

・成長について
おそらく、召喚時の契約に不備があったのだろう、完全なる蘇生でなく時間の巻き戻し、現実からの回避などを願った結果、蘇生はされたが現状を維持すると言ったことが起こるのだろう。契約の重ねがけなどを行えば、現状を維持しつつ成長をさせることができるかもしれない

・悪夢を見せた時の反応
ありとあらゆる悪夢を見せたが、反応からみて、おそらく彼女の心を壊しているのは母親への恨みと燃やしたことに対する罪悪感で間違いないだろう。覚えていないはずのことが引き金になっているのは、おそらく契約者が兄であり、その記憶を元に模倣しているからだと思われる。彼女は無意識化で家族や信頼できる者を求めている。自分を助けてくれる人を求め続けるのだろう。

・封印について
彼女は肉体は成長しないが精神は別だ。不安定ながらも、日々成長する。そしてある時自分が成長していないことに気づく。それは綻びになる。すでになされた封印をかけなすことは容易い。その度に記憶はなくなるが、それもまたこちらとしては好都合だ。なんどでも実験することができる。残念ながら今の今まで、言葉を喋るまで回復する前にタイムリミットがきてしまっている。何度でもやり直せるとはいえ、何か考えないといけない。
などの方法が記載されている。

・召喚方法
神子と呼ばれる、親和性の高い者の心臓を捧げる、もしくは儀式の再現

失敗:炎、悪夢、封印などと書かれている


場面:少女の死と炎の顕現

「あ!おにーさん、おねーさん、先生が花火をみしてくれるんですって!」
そう少女はあなた達に語りかける。
「今日はね、お母さんとも会えるって聞いてるの、もしかしてお兄さん達が連れてきてくれたの?」

「そういえば言ってなかったね、母親がなぜ迎えにきてくれないか?それはね君が焼き殺したからだよ。」
そういうと、おもむろにナイフを取り出し、少女の胸に突き刺した。
鮮血がひどく驚いた顔をした少女の服を染める。

「え?、せんせい嘘だよね」そう呟くとよろよろと先生に近づいて行く。
にっこりと安心させるような笑顔で先生は
「うそじゃないよ」と言いもう一度刺した。

少女はあなた達と目があう
・POW×5:感じたのは壁、谷底に突き落とされるような感覚、それは少女の絶望だった

少女の体から炎が湧き上がる。

「ああ、これが、、、これを見たかった。」
「こんな夜更けに呼び出して悪かったね。」
「君たちにはお礼を言わないといけない、あと一歩、ピースが足りなかった。」
「君たちがそれをうめてくれた。私だけではだめだった。」
「君たちは本当にいい仕事をしてくれた感謝しかない」

炎(クトゥグァ)のカケラの顕現
湧き上がった炎は燃える塊のように見え、絶え間なく形を変え
まるで生きているかのように、少女の声で悲鳴をあげる
それは、まさしく炎の化け物と形容できるものだった
1d3/1d20

先生は興奮が冷めないようで、炎の化け物に近づいていく、「すばらしい!きみたちのおかげだ!」その言葉を言い終わる最中、炎の化け物の腕のようなものが先生を包み込む、肉の焼ける嫌な匂いと共に、笑い声が光焔とともに闇夜響き渡る
延々と続くかにも思えた笑声は不意に消える、その場に血も骨も灰すらも残ってはいないのではないかと思えるほど何もなかった。
1d3/1d3+2

→先生は焼かれる寸前で門の想像で逃げ出しています。炎に体当たりすれば死んでしまうので対策してるんですね。でもPLには死んだと思わせておきましょう。ちなみにENDの声はこっそりみていた先生の声ですね。


◆END

愛宕 から「このままだと、あの子の魂が消滅してしまう。元に戻せなくなるまえに、退散・解放・封印のどれかをしなくては」といい、探索者にどれかを選ばせましょう。
どれを選べばどうなるかは、やったことがないのでどうなるかはわからないが、こうなるのではないか?といい下記のことを教えてあげましょう。
どうしても決めれない場合は、適当なところで放置扱いにして、彼女を燃やし再生不可の処理をしましょう

解放について
・体から神を解放・放出させる

退散について
・体から神を退散させる

封印について
・魂を消費されていることから今までより悪くはなるが、先延ばしにはできる

◾️選択肢1:クトゥグア解放
愛宕柚木が呪文を唱える
探索者達の体から、何かエネルギー(mp)が抜け、倦怠感を覚える。
直後、光り輝き、その光が少女に注ぎ込まれる。
少女から立ち上っていた炎が霧散し、少女の目に意思がやどる

ダイスロール
基本は成功です。ファンブルで爆発エンド、クリティカルで生存エンドに移行してください。

少女は貴方達を顔を向け、笑顔で言葉を紡ぐ

「おにいさん、お姉さん、ありが、、」
少女の肉体が再び燃え上がる。

一瞬呆けたような顔をするも、突然の事象と体の内側から燃え上がる苦痛に涙するも、その涙は一瞬で蒸発し、喉が焼け声を発することができないにもかかわらず、少しでも苦痛から逃れようとするせいか音にならない悲鳴を上げ続ける。
SANc 
2/1d6+3

少女の肉体は火種となり魂は燃料として消費される炎はまるで天に帰るかのように勢いよく打ち上がり、見渡す限りの空が燃え上がる。
あたりは、まるで昼間のように明るくなる

しばらくすると、エネルギーを消費し尽くしたのか、徐々に光がおさまる。
まるで帷が降りたかのように、先程までのことが嘘かのように同じ夜にもどる。
そこにあるのは、もとは少女だったであろう炭と、呆けながらも涙をながすフードの男。
そしてどこからか、「最高だ!なんて素晴らしい日だ、もう一度この光景が見たかった!ありがとう君たちのおかげだ、僕だけではどうしてもできなかったんだ」と感極まり喜びをあらわにする先生の声が聞こえるだった。
SANc 1/1d4

クトゥグァ解放

◇END「少女の魂は炎と共に」 


◾️選択肢2:退散

愛宕 柚葵が呪文を唱える
探索者達の体から、何かエネルギー(mp)が抜け、倦怠感を覚える。
月の光が雲に隠れ、あたりはまるで帷が降りたかのように暗くなる。
星が輝き、その輝きはスポットライトのように、少女に降り注ぐ。
少女から立ち上っていた炎が霧散し、少女の目に意思がやどる

ダイスロール
基本は成功です。ファンブルで爆発エンド、クリティカルで生存エンドに移行してください。

少女は目をパチクリさせ、貴方達を顔を向け、笑顔を向ける。

-探索者にひとこと言わせると効果的-

「おにいさん、お姉さん、ありが、、」
言葉を紡ぐそう言い終わるまえに、少女の表情が消える
少女の内側から巨大な力の塊のようななにかが、抜け落ち空へ登っていく。
探索者達たちは本能的な恐怖感を刺激される
SANc 
2/1d6+2

しばらくすると扉が閉まるように、光が狭まり。
完全に消えると同時に少女の肉体は床に倒れ伏す。

「これでよかったんだ。これがあるべき姿だったんだから」
フードの男はそうつぶやきながら、少女の体を抱き上げる。
脅威は確かに去った。ここにあるのは、少女の肉体(ぬけがら)だけなのだから。

SANc 1/1d4

◇END「あるべき姿」 

◾️選択肢3:封印

愛宕 柚葵が呪文を唱える
探索者達の体から、何かエネルギー(mp)が抜け、倦怠感を覚える。

ダイスロール
基本は成功です。ファンブルで爆発エンド、クリティカルで生存エンドに移行してください。

炎が一瞬強く吹き、霧散していく。
そこに残されたのは、一人の少女。
少女は探索者たちの方を向き、
泣き出す、その様子は意思も記憶も無く、まさに赤子のようであった。
柚葵が駆け寄り抱きかかえる。
泣き疲れたのか彼女は彼の腕の中ですやすやと眠る。
「おれはこれからこの子と街を出るよ、もしかしたら何かいい方法があって何もかもよくなるかもしれないしな」
柚葵は震える声で彼女をあやしながら、そうあなたたちに告げる。
白痴の少女は夢見て笑う、夢の中にはきっと幸せだった光景を思い出しているのかもしれない。
◇END「白痴の少女は夢をみる」

◾️クリティカル
その時不思議なことが起こった。

・解放の場合
 消し炭となり、確かに死んだはずの肉体が復元されていく

・退散の場合
 意識がなくなり抜け殻に成り果てた少女の肉体に、何も映さなかった瞳に意思が灯される

・封印の場合
 意思や記憶が消え呆け赤ん坊のようになった少女の瞳に知性が宿る

「どうしたの?」と呆けたような表情を見せ、泣きそして笑う。
感情の噴出ととも炎が溢れることもなく、その様子を確認するとあなたたちに、花をひらくように笑顔をむける
定められた死を再び回避した少女は新たな再生の転機を迎えた。

◇END「枯木再生花(こぼくさいせいか)」

◾️ファンブル
愛宕 柚葵が呪文を唱える
探索者達の体から、何かエネルギー(mp)が抜け、倦怠感を覚える。
先ほどまで立ち上っていた炎が収束し、膨れ上がっていた圧倒的な気配が消える。
少女の瞳に意志が宿り、あなたたちの方を向き笑う。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん大好・・・」
突如として破裂音があたりに鳴り響く。
一瞬おくれ、べちゃりとあなたたちのなにか暖かな物体がぶつかる。
ぬるりとした感触、鉄のようなそしてどこか甘い匂いがするそれは、
何かの皮のようで、肉のようで、白い何か骨のようだった。
それは、内側から破裂した少女の肉体だった。
一目見て、それが生きていないことが、もはや生き返ることがないということが理解できるだろう。
どこからか、笑い声が聞こえる。嗚咽とともに鳴り響く音が、少女の最後の言葉が、笑顔が、破裂する瞬間があなたたちの目に、記憶に焼き付くことになるでしょう。
SANc
1/1d6+1
◇END「爆発オチなんてサイテー」「人に過ぎたる業」


◾️選択肢4:永遠の別れ

彼女と別れた探索者達は日常に戻る。
しばらくすると、新聞やニュースなどで、ある小さな記事を見つける。
町外れで火事が起きた、不思議なことに周囲に燃え移ることもなく、ごく小さな範囲で燃え3つの焼死体が転がっていたと書かれていた。
また、火事があったとされる時間に天と地を繋ぐような炎の柱が見えたという証言もあったことから、このことは町のオカルト事件として少しの間、噂となったが、やがて忘れらた。
◇END「町の噂」



◾️愛宕 柚葵のお願い

封印・放置・ファンブル・クリティカル以外は柚葵から、探索者に自分の心臓をえぐって妹をよみがえたせて欲しいとお願いをします。
□心臓をえぐる場合
「ありがとう」彼は泣きそうな顔で笑う。
心臓をえぐる人物は 
SANC 0/1d3
心臓をえぐる場面を見ている人物
SANC 1/1d3+1

ナイフが心臓を貫いた瞬間、彼に内から炎が生じる。
炎は彼と彼女を包み込むかのように収束する。
兄妹(ふたり)を包み込んだ炎のドームしばらくすると空へ消える。
残されたのは一人の赤子。彼女は泣き叫ぶ。
生まれ落ちた、その瞬間に天涯孤独であることを悟ったのかのように。
しばらくすると泣き疲れたのか、その場でぐずりながら眠る。

赤子の行く先
探索者の誰かが育てる。
→すくすく育つ。
どうしようか決めあぐねる。
→あなたたちの元に、愛宕 柚葵の知り合いを名乗るものが引き取りに来るなど、その場の雰囲気に合わせた処理をしてください。
→エピローグに続く

□心臓をえぐらない場合
「すまない、無理を言ったな、忘れてくれ」
といい、彼女の亡骸もしくは体を抱きしめ、そのまま街を出ると探索者に告げ静かにいなくなる。
→エピローグに続く

エピローグ
あれから、数日探索達は日常へ戻った。ポストを見てみると可愛らしい便箋がはいっておりそこには、探索者へ向けた、手紙が入っていた。

-少女からの手紙-
おにいちゃん、おねえちゃんへ
「ここなんにちか、いっしょにいてくれてありがとうございます。こうえんでにげてたときもうだめだとおもてないちゃいそうになったときもたすけてくれて、本当にうれしかったです。またいっしょにあそんでくださいね」あたごみかん 
これは、あの時消えてしまった少女からの手紙。
あの少女はもういない、望みも想いが叶うことはない。
あの時、まだみぬあなたへとの再開を願った少女はもうどこにもいないのだから。

以上

まだみぬあなたへ 終了

生還報酬
最後の選択をした(解放・退散・解放)、3d10
少女が生きている(クリティカル or お兄ちゃんの心臓えぐる)、1d10
誰も死んでいない(クリティカルのみ)、4d10
クトゥルフ神話技能+3


NPC1:愛宕 美柑
名前の由来は:火伏せの神「愛宕」と御神子(みかんこ)
黒髪の少女

祖先に火の神(クトゥグア)を祀り鍛冶を行っていた者がおり、その時に捧げられた祈りが、彼女の死にたくないという願いと自身を売った母親への恨みに呼応し権限。
母親は即座に燃え上がり死亡。自分の憎しみにより母親を殺したという罪悪感により、無意識化で発狂し健忘症と失声症を患う。
現在は、感情の噴出とともに周りの物が燃えるので、能力のコントロールを図っている。
先生からは、発火能力をコントロールのすべを探るため、研究所に住んでおり、能力をコントロールすることが出来れば母親が迎えに来ると聞かされている。
ただし、母親は焼け死んだので来ることはない。


彼女はネグレクトと虐待を受けており、学校とか行かせてもらえませんでした。ただし兄が庇ってくれていたことと少女の世界は家の中だけなので、家族が大好きで、いい子になれば母親も優しくしてくれるはずという想いがあり、嫌なことは防衛反応と再生時に忘れています。ただ、愛情に飢えていたのがデフォルトの状態で無意識に理想の家族を求めてるので、優しくされたり、助けてくれた探索者に懐きます。


・発火能力について:少女の感情(特に恐怖や憎悪)により炎があふれる
※少女の意識は召喚の弊害により炎で焼け死に再生した際に肉体に焼き付いた記憶にすぎない。魂は肉体の中を再構成した際に残った炎が模倣している。なので、感情があふれる時、魂の代わりになっている炎があふれる。

動物が好き

NPC2 愛宕 柚葵 (あたご ゆずき) フードの男
フードを被り火傷跡を隠している男。
片目は母親に抉られ、妹が死ぬ瞬間まで現実を認められず、母親が妹の心臓をえぐりだし妹が死んだあとで、ようやく現実への理解が追いつき、手遅れながら死んだ妹が生き返ることを生存を望んだ。
母親が、神に祈りながら神子を殺した。そして同じく神子が願った。
そしてそれは叶えられた、顕現した炎が彼女の魂を模倣し、えぐられた肉体を修復し、最後の思いを成し遂げさせた。
母親は燃え、飛び火した炎で家も焼け、兄も死にかけた。
病院に放り込まれたあと、生死の境を彷徨ったが、彼は炎で死ぬことはなく、順調に回復する。火災保険と生命保険のおかげで金はあったが家族を失い、最愛の妹を自身の母親が殺すという光景を目にした彼は失意の底にいた。
体が回復してからも気力を失っていた彼の元へ、一冊の本が残されていた。そこには自身の家系の信じがたい事実と栞代わりに炎を纏う妹の写真が挟まれていた。
炎の化け物が妹を形作る様子やそれが存在しており、妹のふりをして動いていることを、定期的に送られてくる写真から知った彼はその潤沢な資金を使い、手元に残された本や炎の化け物をなんとかする方法を調べた。
満足に動けるまで回復した彼は、その夜外に出た彼女と出会いシナリオが始まる。
※フードをしているのは、入院中にもっともひどい状態の火傷跡を見た子供が泣いたから、それ以降はむやみに怖がらせないようにフードを被り火傷跡を隠している。
※彼は彼女のことを化け物が妹のふりをしていると思っており消し去るつもりだった。
しかし探索者と楽しそうにしている姿を見て、良い人があの子を育てているなら、まぁ、これはこれでいいかと思い、それなら誰も待つ人のいない自分がこのままだらだら生きるより、この命を使って妹を普通の人間にできれば考え、探索者に接触を測ろうとしていた。

NPC3 三毬 煌 (みつまり こう) 先生
・大病院の外科医をしながら、臓器売買のブローカーをしていた。
ひょんなことから、愛宕家を食い物にしていたが、古文書(本物)を見つけ、高額で売りつけたところ、その後クトゥグァを召喚され、炎が立ち上る様子を目撃する。
その後に、召喚の鍵になるであろう、愛宕 美柑を回収し、育て研究していた。

あとがき
このシナリオ回してみて、お兄ちゃんに感情移入する人が思ったより多くてびっくりしました。毎回お兄ちゃんの心臓えぐられるかな?と思ってたんですが、なんと6回目にしてようやくです。少女ロスからPLを救うための救済策だったので、本当に予想外です。
ただ、このシナリオは、みんな好き勝手やってます。やってないのは少女くらいです。
お兄ちゃんは相手に迷惑かけてるのを承知で心臓えぐらせようとするし、先生は探索者を利用して儀式の再現をしています。少女は何もわからないですが、探索者に懐き無条件に信用するでしょう。助けられなかった少女からの手紙を受け取る探索者は一体どんなことを想い感じるのでしょう。それを考えるだけでおらワクワクして昼と夜しか眠れません。では、またいつか機会あれば同卓してください。


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