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コロナ禍だからこそ感じた特別な「ブラームスからのメッセージ」

「ブラームスからのメッセージ」に伺いました。(2021/12/22@かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール)

ブラームスピアノ協奏曲第一番と、ドイツ・レクイエムという、意欲的な演奏会が行われました。指揮はバスバリトン歌手でもある吉田拓人さんで、この重量級のプログラム見事に統率。コンサートを成功に導きました。

前半は桐朋学園大学卒業後アメリカに留学。ショパン国際コンクール in Asiaで上位入賞するなど評価も高い安斎航さんがピアノ独奏を務めたピアノ協奏曲第1番が演奏されました。慎重な歩み出しから次第に熱が籠り、ライブならではの感興に富んだ演奏でした。特に第2楽章の沈鬱さと美しい音楽表現がとても印象的でした!

後半はブラームスの傑作、ドイツ・レクイエムです。ここではゲイツオンオペラ合唱団の力演が心を打ちました。昨今のコロナ禍の情勢がこの日の熱演の背景にあったのかもしれません。

2019年『晩秋の第九』公演時に発足したゲイツオン管弦楽団は若手中心に構成されたプロフェッショナルオーケストラですが、より積極的な演奏が繰り広げられました。指揮者の吉田拓人さんの下、特に6楽章以降テンポの設定やリズムのこだわりが強く感じられ、合唱の真摯な歌声と相まって伝わってきて熱いものが込み上がってきました。

独唱はソプラノが熊谷美奈子さん、バリトンは井出壮志朗さんでした。熊谷さんは二期会会員、井出さんは藤原歌劇団団員で実力派の若手歌手です。当日の舞台写真からも分かるようにこの日の出演者は全員がマスクを着け、感染症対策に配慮した状態で演奏を行いました。このような状況ではあるものの熊谷さんの透き通る声の美しさ、井出さんの安定感ある深い表現力は十分に伝わってきました。
出演者・主催者の熱い思いの伝わる、感動的なコンサートでした!

▼出演
安斎航(ピアノ)
熊谷美奈子(ソプラノ)
井出壮志朗(バリトン)
ゲイツオンオペラ合唱団
ゲイツオン管弦楽団
吉田拓人(指揮)

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