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ハープ奏者 佐藤杏樹プロデュースの20世紀初頭パリのハープ音楽を聴く

佐藤杏樹プロデュース ハープ・レクチャーコンサート×リサイタル 第1回ピックアップハーピスト「ミシュリーヌ・カーン」(2023/10/29@同仁キリスト教会)に伺いました。

日曜日の夜、東京文京区にある同仁キリスト教会にて行われたハープ奏者の佐藤杏樹さんがプロデュースしたコンサートは、アカデミックな雰囲気とサロン的なリラックスした気分に浸れる素敵なひと時を与えてくれました。ハープの歴史は楽器がもつ機能性の向上と、それを効果的に発揮できる曲、そしてそれを表現できる演奏家の密接な共同作業が必要だったとのことで、そのことに着眼した佐藤杏樹さんの狙いが伝わるコンサートでした。

コンサートではなかなか聴くことができないハープの独奏曲や弦楽四部とフルート、クラリネットの贅沢なアンサンブルが雰囲気に満ちた空間で聴くことができ、ライブの醍醐味を堪能しました!特にサンサーンスの幻想曲で醸し出された雅な空気感、ラヴェルの序奏とアレグロはいつまでも心に残るような演奏でした。

佐藤杏樹さんは楽曲の合間に理解を深め、興味を高めてくれるトークをしてくれますが、何よりも演奏がその造詣の深さを語っていたように思います!今後の佐藤杏樹さんのコンサート、ぜひご注目下さい!

▼セットリスト
アッセルマン:泉 Op.44 (1898)
フォーレ:ハープのための即興曲 Op;.86 (1904)
フォーレ:塔の中の王妃 Op.110 (1918)
サンサーンス:ヴァイオリンとハープのための幻想曲 Op.124 (1907)
カプレ:2つのディヴェルティメント (1924)
ラヴェル:序奏とアレグロ (1905)

▼出演
佐藤杏樹(Anju Sato)ハープ/企画・お話    
                   
7歳からハープをはじめる。世界ハープ会議元副会長の井上久美子氏に師事。2013 年横浜国際音楽コンクール 弦楽器部門の第1位を皮切りに、数多くのコンクールで受賞。2023年にはマンハッタン国際音楽コンクール近現代音楽部門でグランプリ受賞。自然科学で学士号、ハープ演奏で修士号を持ち、2023年7月、武蔵野音楽大学大学院より博士号(音楽)を授与される。これまでに東京ユニバーサルフィルハーモニー管弦楽団など在京プロ楽団で客演首席奏者を務めるほか、茨城県立水戸第三高等学校音楽科ハープ専攻講師として教え子を東京藝術大学に進学させる。日本ハープ協会会員。日本音楽学会会員。

吉田杏奈(Anna Yoshida)フルート
桐朋学園大学首席卒業。パリ・エコール・ノルマル音楽院を審査員満場一致で卒業、同修士課程修了。高等演奏家資格・コンセルティストディプロマ取得。ル・パルナスコンクール3位(仏)。レオポルトペラン国際音楽・舞台芸術コンクール第1位(仏)。都内オーケストラで客演の他、後進の指導も行う。シアターオーケストラトーキョー、フルート奏者。エコール・マルセイエーズ・フルート教室主宰。

金井清 (Kiyoshi Kanai)クラリネット
武蔵野音楽大学首席卒業。国立ルエイユ=マルメゾン音楽院(仏)を審査員全員一致の一等賞で卒業。オブロークラリネットアンサンブル創立以来45年以上在籍しCD4枚リリース(現在同代表)。東京ユニバーサルフィルハーモニー管弦楽団首席奏者並びに副団長。草加フィルハーモニー管弦楽団音楽監督兼常任指揮者。吹奏楽コンクール、アンサンブルコンテスト審査員。指導で数回全国大会金賞に導く。

犬嶋仁美 (Hitomi Inujima)ヴァイオリン
桐朋学園大学音楽学部を経て英国王立音楽院修士課程を卒業。同音楽院よりHaward Davis scholarship賞を授与。バーミンガムロイヤルバレエシンフォニアでのインターシップ参加。
The Cumberland News紙で「優雅で魅力的な音楽。華やかで豊かな音色。卓越した音と洗練された細部によって際立つ緩急のコントラスト。」と評された。

石坂淑恵 (Yoshie Ishizaka) ヴァイオリン
桐朋学園大学卒業。及び同大学研究科修了。桐朋オーケストラ・アカデミー研修課程修了。モーツァルテルム音楽大学夏期国際アカデミーマスタークラス修了。第65回東京国際芸術協会新人演奏会にて審査員賞受賞。大学でヴァイオリンを久保田巧、加藤知子、藤原浜雄の各氏に師事。ヴィオラを佐々木亮氏に師事。現在、茨城県立水戸第三高校音楽科ヴァイオリン非常勤講師、聖徳大学演奏支援員。

宮武佑果 (Yuka Miyatake)ヴィオラ
東京音楽大学卒業。国内外の音楽祭に出演、ディプロマを取得。第8回セシリア国際音楽コンクールにて第二位(最高位)。第15回大阪国際音楽コンクールにてエスポアール賞受賞。その他入賞歴をもつ。ソロリサイタルやデュオリサイタルなどを積極的に開催。2021年にベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲で荻窪祝祭管弦楽団と共演。現在後進の指導にあたりながら演奏活動の幅を広げる。

松浦健太郎 (Kentaro Matsuura)チェロ
桐朋学園大学卒業。同大学研究科を修了。チェロを宮野一代、勝田聡一、(故)井上頼豊、毛利伯郎の各氏に師事。札幌ジュニアチェロコンクール奨励賞。2001年まで東京都交響楽団に在籍。これまでにロイヤル・チェンバーオケ、山形交響楽団、大阪フィル、大阪シンフォニカ―、関西フィル、東京ユニバーサルフィル、イルミナートフィルの客演首席奏者を歴任。




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