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Eugenの備忘録その47-ふくよかな旋律に満たされたブルックナー!-10/20小泉和裕指揮都響定期

小泉和裕指揮都響定期(於:サントリーホール)

ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
ブルックナー:交響曲第2番(1877年ノヴァーク版)

 ブルックナーの2番は、ゴリゴリと重厚にオケを鳴らし切った名演で、非常に満足度高い。奇数楽章は速めに、推進力を持って、偶数楽章はじっくりと、広がりを持って奏でており、わけても第2楽章は弱音に非常に神経を通わせ、張り詰めるような緊張感のあるひとときであった。第4楽章では展開部直前の《キリエ》の引用もミステリアスで心安らいだ。再現部以降は特に脂ぎっており、小泉の思い入れがより一層表出したのだと実感。第1楽章のテーマからVc.が兎に角元気が良く、第2楽章での至高のハーモニーの要因に。Timp.も硬質で冴えていた。ブルックナーの中でもとりわけ旋律の美しい2番において、小泉は旋律を目一杯歌わせるのが今夜の成功要因だと思う。前半のブラームスの《ハイドンの主題による変奏曲》も素晴らしく、低弦から始まるコーダはそのふくよかな歌に鳥肌が立つほどだった。

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