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Eugenの備忘録その40-本場の香り高いプッチーニ!〜9/21 ローマ歌劇場引越公演《トスカ》

ローマ歌劇場引越公演
プッチーニ:《トスカ》(9/21 15時より、於東京文化会館)

ミケーレ・マリオッティ指揮ローマ歌劇場管及び合唱団
演出:フランコ・ゼッフィレッリ
ヴィットリオ・グリゴーロ(カヴァラドッシ)
ソニア・ヨンチェヴァ(トスカ)
ロマン・ブルデンコ(スカルピア)

 本場の歌劇場によるイタリアオペラはやはり格別。オケのサウンドの熱量、豊穣さをバックに実力充分の歌手たちが躍動。タイトルロールのヨンチェヴァは芯の強さが前面に出ており、第2幕終わりのスカルピア刺殺の場面での復讐心は恐ろしいまでだった。カヴァラドッシはグリゴーロ、こちらは第3幕の有名な《星は光りぬ》や第1幕の絵描きなどで馥郁たる美声を披露。スカルピアのブルデンコは第2幕のトスカとの駆け引きの奸悪さ!この演技が刺殺の場面を一層引き立てた。演出は亡きゼッフィレッリ。全編豪華で文句無し。世界観・質感を存分に表出しており、演出はこうでなくてはと実感。マリオッティの指揮はこれまで映像で聴取した際には一本調子なところがあったが、本日はさほど違和感なし。プッチーニは室内楽的に弦の独奏が伴奏する場面が多いのだが、オケピットから香り高いカンタービレが立ち昇るのもこのオペラの影の魅力を感じさせてくれた。

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