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Eugenの備忘録その1-3/17大植英次指揮新日フィルすみだクラシックへの扉

大変ご無沙汰しております。Eugenです。今回より、というか順次、2023年に鑑賞した演奏会の模様をこちらにてご紹介したいと思います。基本的にTwitterのアーカイブとなりますが、備忘録的な意味でこちらに転載致します。

3/17 14時より 大植英次指揮新日フィル「すみだクラシックへの扉」
小曽根真 ピアノ協奏曲「SUMIDA」(新日フィル創立50周年記念,世界初演)
ワーグナー 歌劇《ローエングリン》より「エルザの大聖堂への行進」
ブルックナー 交響曲第9番ニ短調WAB109(ハース版)

ブルックナー9番は、粘るところを粘ったり、急激な加速があるなどのフルトヴェングラー的な怪演。第1楽章の副主題の引き摺り方はマーラーを予見させるし、第2楽章の悪魔的なトリオの中にエピソード風に挟まれる弦の美しい旋律もまたはっとさせるものがあった。この交響曲が如何に多くの要素を孕んでいるかを、ドイツ・ロマン主義的観点から捉えた面白い演奏だった。管の不調が散見されたが、そんな立派な音楽の前には瑣末な事である。併演のワーグナー《エルザの行進》もゆったりとしたテンポで情感豊かで良かった。
前半には小曽根真のピアノ協奏曲の初演が行われ、墨田川の河川敷に吹く爽やかな風を彷彿とさせる場面やドラムの長いカデンツァ、ジャズ風のノリの良い旋律など聴きどころに富んだ曲で会場を沸かせた。終わり方の粋な感じは是非会場にて体感していただきたいと思う。

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