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Eugenの備忘録その57-12/16 ルイージ指揮N響2000回定期公演

ファビオ・ルイージ指揮N響第2000回定期公演(12/16 18時より、於NHKホール)

マーラー:交響曲第8番

 マーラー8番がファン投票により実現。会場は熱気に満ち終演後は文字通り拍手の嵐で、耳の鼓膜がやられそうなくらい。だがこの特別な演奏会に酔えなかったのは私の曲に対する理解不足予習不足ゆえか、あるいはルイージのツボの押さえ方にピンと来ないからか。第1部は合唱団が盛大に歌う中盤にギアを上げ、これは流石の気合いの入りよう。だが全体にオケばかりが吠えて声楽が負けている。第2部も出だしのアダージョの美しさは流石ルイージと思ったが、独唱とりわけテナーの声量を音量大きめのオケが塞いでしまっており首を傾げる。マーラーの第2部は《ファウスト》の最終場面。私は聴く度に、マーラーは声楽では《復活》を超えることは叶わなかったと思う。残念ながら今夜の生でもそれが覆されなかった。オケの音量は純粋な気合いも大きな要因だと思うが、今夜の場合は弱音にハッとした瞬間がなかった。

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