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Eugenの備忘録その4-3/29名フィル東京公演

3/29 小泉和裕指揮名古屋フィル東京公演
(於 東京オペラシティタケミツメモリアル、19時より)

ベートーヴェン:交響曲第1番、第3番《英雄》

名フィル音楽監督小泉の最後を飾る演奏会は、東京公演。その演目にはベートーヴェンの交響曲2曲が選ばれた。1番は、1960年代のカラヤンを彷彿とさせる重戦車のようにどっしりした演奏で、とりわけ第1楽章の刻みの重たさには驚いた。近年の古典派でのフレージングの習慣はどこ吹く風という趣で昔懐かしい。
後半、ベートーヴェンの3番の方は第1楽章が推進力重視、第2楽章は対照的に遅いテンポでよく歌う演奏。後者は小泉の退任にあたっての惜別感が滲み出ており感動的だった。第3、4楽章は概ねガツガツと進むカラヤン的な音楽。第4楽章後半ではホルンにたっぷり吹かせパワー全開。
2曲ともカラヤンの影が見え隠れしつついずれも力感に満ちた正攻法の演奏で客席を沸かせていた。終演後、小泉に花束贈呈のセレモニーも。2年ぶりに聴いた名フィルだが、小泉と共に馬力ある音色を磨き上げたと推察。今後川瀬の下どのように歩んでゆくか注目したい。

追記 会場の熱気のせいか少し汗かきました笑小泉さん、《英雄》の第2楽章で感慨深い表情していたのを思い出します。

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